中学校の電話はスマホに登録しておけよ

 埼玉県内私立の応募状況が発表された。最終ではなく中間発表という形である。
 中間というと、真ん中辺という印象を持つが、各校がメインとしている22日からの推薦入試については、ほぼ出願が終わっているとみられるため、かなり最終に寄った中間と考えていいだろう。

 さて、初日となる1月22日(月)は、どうやら雨模様だ。気温も低く、雪の心配もある。電車の遅れ、道路の渋滞などは、最初からあるものと考えておこう。
 以前にも書いたことだが、私が推奨し、自らも実行に努めているのは、5割増しの時間設定だ。10分で行ける所は15分、30分なら45分、1時間なら1時間半という具合に、多めに見ておく。

 電車が10分遅れたとして、それが想定外になる人と、それが想定内に収まる人がいる。5割増しの時間設定をしておくと、たいていの場合は想定内である。余裕があるから、あせらず冷静な対応ができる。
 だが、ぎりぎりの時間設定しかしていない人は、想定外の出来事に冷静さを失い適切な判断ができなくなる。
 余裕を持った時間設定を勧めるのは、どう行動すべきかの判断に影響するからである。人間、落ち着いて考えりゃ、それなりに名案が浮かぶものだ。

 学校説明会や個別相談などで、志望校には何度か行っていると思うが、たいては土日祝日だ。ところが入試当日は、平日で、しかも通勤時間帯と重なる。受ける学校、利用する路線によっては、普段あまり経験しないラッシュに見舞われることも覚悟しなければならない。その意味でも、余裕を持った時間設定にしておいたほうがいい。

 なにか困ったときは誰に相談するか。
 公立入試の「受検生心得」の中に、こんな一文がある。
 「急病や事故など、やむを得ない事情により受検できなくなった場合は、すみやかに出身中 学校長を経て志願先高等学校長に連絡すること。(中学校の電話番号を控えておくとよい。)」

 これは私立入試の場合も同じ。
 とりあえずお母さんというのが多いと思うし、それで済むこともあるが、こいつは面倒だなというときは、中学校の先生に連絡だ。どんな場合にどんな対応すべきかを一番よく知っている。なにせ経験豊富だからね。担任が新人でも周りにはベテランがいるだろう。とにかく中学校の電話だけは、スマホに登録しておけよ。


ムーミン問題が示唆するものは何か

 阪大黙ってろ!
 
 センター試験地理Bのムーミン問題である。
 人気アニメ・ムーミンがからんでいるので、普段は入試問題などに関心のない人々も巻き込んで、ちょっとした騒ぎになっている。
 そんな中、大阪大学大学院言語文化研究科スウェーデン語研究室というところが、当該の2つのアニメからは国名が特定できないはずとイチャモンをつけている。
 つい最近、出題ミスが発覚し1年遅れの追加合格を出す羽目になり、続いてセンター当日には、試験監督が居眠りをするなどお騒がせの最中に、よりによって試験問題にツッコミを入れるとはね。タイミング悪過ぎ。少し黙ってろよ。

 で、この問題だが、別にムーミンを知らなくても、また、ムーミンの出身地を知らなくても最適解は求められる。
 ごく大雑把に言えば、「バイキング」という語句から外洋に接したノルウェーを導き、残ったムーミンをフィンランドと特定する。言語を選ぶのは、語族の知識があれば一発だが、スウェーデンと、より長い国境を接しているノルウェー語の方が、スウェーデン語に近かろうという判断できれば、アニメと言語の組み合わせ導けるのである。

 私立入試目前で、そんな場合ではないと思うが、塾の先生はぜひ中学生に解かせてみてほしい。与える知識は、「バイキング」とはお昼の番組でもなく、料理でもなく、北欧の海賊なのだという一点でいいだろう。あとは、考えれば解ける。

 大学入試改革が進むこれからは、こうした問題がますます増えるだろう。アニメの問題じゃないよ。知識だけに依らず、考えて答えを導く問題、思考力・判断力を問う問題。

 ムーミンを使ったことで話題が広がり、それで各方面からいろいろツッコミが入ったわけだが、別にムーミンを使わなくたって、同趣旨の問題は作れただろう。それは今後の課題だ。

 さてそこで再び阪大だが、日本全国の大学関係者は、これからの大学入試をどう変えようかと必死で考えているところだろう。知識偏重を変えようとしてるんだろう。
 だったら、『ムーミン谷』は架空の場所で、フィンランドが舞台だと明示されてないとか、ビッケと愉快な仲間たちが住んでいるフラーケ村はノルウェーだとは明示されてないとか、細かいツッコミを入れてないで、一緒になってこれからの問題のあり方を考えてもらいたいね。

部活の練習時間抑制案は、本気ではないな

 運動部活動に関するガイドラインを検討するスポーツ庁の有識者会議が開かれ、中学では休養日を週2日以上とし、1日の活動時間を平日2時間、休日3時間程度までとする指針の骨子が大筋で了承されたという。

 言われなくても、普通の中学校の普通の中学生の練習なんて、こんなもんじゃないかと思うが、どうだろう。もちろん、「部活命」の顧問がいて、越境入学で選手を集めているような公立中学校が存在しているのは知っているが、例外だろう。
 日本全国の中学生が、それほど部活動に明け暮れ、部活動に苦しんでいるわけでもなかろう。

 ただ、昨今は「ブラック部活動」などと言われ、教員の長時間勤務の一因とされるなど、部活動が悪者にされているので、国としても、それらしいことを何かしら言わなくてはならないということだろう。

 一昨日(日曜日)、京都で全国都道府県駅伝(女子)が行われ、今度の日曜日は広島で男子の大会が開かれる。両大会には、中学生区間というのがあるんだが、本気で中学生の部活動を抑制しようというなら、ああいうのは止めたほうがいい。
 両大会は、日本陸連主催、NHKほか共催、スポーツ庁後援となっている。
 スポーツ庁が率先して応援してるんだよ。ちょっと笑えるじゃないか。

 大きな大会や、注目される大会があるから、選手はみんな頑張るんであって、そういうのがなければ、ほどほどの練習しかしないに決まってるだろう。やれと言ったってやらないよ。世の中学生はそれほど努力家じゃない。
 ついでに、高校のスポーツ推薦などもやめればいい。調査書で部活動成績を得点化するな。要は、苦しい練習をしなきゃならない理由をどんどん失くしてしまえばいいんだ。

 でも、そこまではしない。別の機会に詳しく書こうと思うが、中学校や高校おける部活動は、さまざまな弊害もあるものの生徒指導上なくてはならない装置でもあるのだ。部活なんてやらなくていいんだ、勝っても負けてもいいんだという形で、部活動の価値を下げて行くと、これはこれで新たな問題を引き起こすのだ。

 というわけだから、練習時間や練習日数を少しセーブしましょうねぐらいが、ちょうどいいところなのである。

大宮国際中等教育学校の説明会に行ってきた

 大宮国際中等教育学校(31年4月開校)の教育関係者向け説明会(於:さいたま市教育研究所)に行ってきた。名称は教育関係者向けとなっているが、要は私立学校が行っている「塾説」である。

 今年に入ってすぐ、1月6日に児童・保護者対象の説明会を実施したところ、午前午後それぞれ1,100人ずつの参加者があったそうだ。会場のキャパの関係で参加できなかった方も多く、2月に追加の説明会を行うということだ。
 埼玉県初の中等教育学校ということで、人々の関心は高いようである。

 これまで、さいたま市には4つの市立高校があった。
 市立浦和、浦和南、大宮北、大宮西。
 人口130万人を誇る政令指定都市だと言っても、同じような学校を作っても意味がない。(全国にはさいたま市より人口が少ない県が17もある)。
 そこで、それぞれの学校に個性を持たせたいと考えた(と思う)。
 市立浦和は中高一貫校にした。大宮北には理数科を設置した。そして今回、大宮西を閉校して中等教育学校とした。浦和南は放りっぱなしになっているが、サッカー中心に部活の強い学校にすればいいだろう。

 さて、今日の説明会であるが、細田真由美教育長が自ら説明(プレゼンテーション)を行った。
 こういう場合、エライ人はご挨拶だけということも多いのだが、珍しいことだ

 市教委内部では、「教育長がそこまで出しゃばらなくても」という意見もあると想像する。たしかに学校は一人の力で出来るもんじゃないから、そういう考えも分からなくはないが、いつも言うように、こと生徒募集に関しては、それではダメなんだ。
 カリキュラム担当、施設担当、入試担当と、それぞれの責任者が出てきて型通りの話をする。これはダメ。人の心を打たない。

 その点今日は、「今までにない新しいタイプの学校を作る」という強い決意や、熱い思いがひしひしと伝わって来て、非常に良かったのではないかと思う。
 今までに何度も言っていることだが、「説明会」の「説明」という言葉に引っ張られ過ぎて、グダグダ説明するだけの説明会が多いのだが、大事なのは「熱意を伝えること」だ。それは出来ていたと思う。

 いろいろ難しい点があると思うが、できるだけ早い段階で、「初代校長はこの人」と分かるような形にしてもらうと、募集がうまく行くと思う。

 大宮国際中等教育学校01
 

「リベンジ成人式」に見るキンコン西野氏の商才

 お笑いコンビ・キングコングの西野亮廣さんが、振り袖販売・レンタル会社「はれのひ」の被害に遭った新成人に「リベンジ成人式」をプレゼントすると発表した。先着150人(家族、友達2人まで同伴可)を無料で招待するという。おお、なんと太っ腹!

 ネットでは、賞賛の声が上がる一方、「売名行為」と非難する声も少なくない。
 私は、興味がある人の話ではないこともあり、別にいいんじゃないのと軽く考えている。
 
 「悪名は無名に勝る」というよく知られた言葉があるが、芸能人・タレントは無名じゃ話にならん。そりゃ、本業そのもので名が売れるのが一番だが、テレビに出ている芸能人・タレントは、別に特別な才能が求められているわけでもないので、悪名でも何でも名が売れればいいのである。

 キンコン西野さんは、ただの善意の人で、単なる慈善でこんなことをやろうとしているわけではない。これはビジネスである。
 そのあたりは、かれのブログを見ていただければすぐに分かる。

 → 西野亮廣ブログ

  「はれのひ」の事件が報道されたのが8日、「リベンジ成人式」の発表が12日朝。わずか3日でイベントを企画し、募集までこぎつけている。1週間も2週間も経ってからでは、人々の興味関心は別のところに行ってしまい、話題にも何にもならなくなる。その点では、西野さん及び周りのスタッフはなかなか優秀だ。機を逃さず、すかさず行動したのは大したものだ。

 一芸能人の慈善を装った売名行為として見るのも一つの視点だが、旬の話題を巧みにビジネスに取り組むマーケティングの一手法として見れば、参考になる点は多い。

引き続き、進路希望状況調査について調べてみた

 進路希望状況調査結果(12月15日現在)についての続報。

 希望者実人数に注目してみた。
 次の学校は、募集人員が40人減となる主な学校である。希望者の実人数が前年と同じであれば、募集減となった分だけ倍率が上がるわけである。

 左側が前年同期、右側が今年。
 浦和一女 541人→450人  1.36倍→1.26倍
 浦和西  684人→742人  1.72倍→2.07倍
 大宮   586人→576人  1.64倍→1.81倍 普通科のデータ
 春日部  418人→412人  1.05倍→1.15倍
 川口北  489人→511人  1.23倍→1.43倍
 越谷北  508人→510人  1.42倍→1.60倍 普通科のデータ

 この6校の中では、唯一浦和一女だけが倍率を下げている。約490人の希望者がいれば、前年同期並みの倍率となったはずだが、実際は450人であったため、倍率が下がってしまった。どうした浦和一女!
 
 浦和西は、希望者実人数が58人増えたため、40人減の分と合わせて2倍を超す高倍率となった。
 大宮・春日部・川口北・越谷北は、希望者実人数は、ほぼ前年並みだが、40人減の分だけ倍率が上がっている。なお、春日部の場合、実際の出願時には、隣接県協定による県外(千葉県)からの受験者が加わるため、倍率はこの数字より上がると予想される。

 次の学校は、募集人員が40人増となる主な学校である。希望者の実人数が前年と同じであれば、募集増となった分だけ倍率が下がるわけである。

 左側が前年同期、右側が今年。
 川越    533人→527人  1.49倍→1.33倍
 川越女子 560人→542人  1.56倍→1.37倍
 蕨     721人→500人   2.27倍→1.40倍 普通科のデータ
 大宮北  472人→384人   1.69倍→1.20倍
 
 川越・川越女子は、希望者の実人数は、ほぼ前年並みであるから、倍率の低下は40人増の分と考えていいだろう。蕨は、前年同期の希望者721人、倍率2.27倍がちょっと高過ぎたと言えるが、この時期1.40倍というのは、この学校としてはやや低すぎる数字である。

第2回進路希望調査の結果発表についての第一報

 昨日、第2回進路希望状況調査(平成29年12月15日現在)の集計結果が発表された。

 今年3月の中学校卒業予定者数(私立及び特別支援学校中等部含む)は6万4995人(前年比1137人減)である。
 高校進学希望者は6万4140人で卒業予定者数全体に占める割合は98.7%である。
 県内私立(全日制)を希望する生徒は1万330人である。
 県内公立(全日制)を希望する生徒は4万5579人である。

●全日制普通科で倍率が高い学校
 1 市立川越 2.31倍
 2 市立浦和 2.24倍
 3 川口市立 2.19倍
 4 越ヶ谷  2.14倍
 5 浦和西  2.07倍

 第1回調査(10月1日現在)では、市立川越3.28倍を筆頭に、2倍を超える学校が12校あったが、今回調査では5校に減った。過去のデータから、最終的には2倍を超える学校はなくなると予想される。
 第1回調査で2倍を超えていたのは、上記5校のほか、上尾・大宮・大宮光陵・川越南・所沢北・南稜・浦和南であった。

 2月19・20日の出願に向けて、低倍率であった学校や定員割れの学校への希望変更が起きるが、今回調査は中学校における三者面談の終わり、私立併願校もある程度固まった段階でのものなので、全体傾向には大きな変化はないと思われる。
 前述したように、2倍を超える学校はなくなるものの、現在高倍率である学校の倍率が急激に低下する可能性は少なく、1.5倍以上の高倍率が維持されるだろう。

 市内3校(市立川口・県陽・川口総合)の統合により新規開校となる川口市立は、普通科2.19倍、同文理スポーツ1.67倍、理数科1.75倍の高倍率となっている。
 希望者の実人数は、普通科701人、同文理スポーツ200人、理数科70人で、計971人であった。単純な比較はできないが、昨年同時期調査では、市立川口448人、県陽185人、川口総合303人で、計936人の希望者がいたことを考えると、想定内の希望者数と言うことができるだろう。

取材に同行した件が記事になったのでお知らせ

 昨日見に行った春日部共栄中学校の入試の模様が、本日、埼玉新聞1面の記事(1月11日付)として掲載された。 
 こういうのは、「季節ネタ」とか「季節もの」と言っていいんだろうね。
 新聞やテレビのニュースも、事件や事故ばかり追いかけているわけには行かないので、その季節にふさわしい記事を掲載するわけだ。

 私は取材・撮影の様子をずっと見ていたが、記者は約1時間の取材の中で、数10カット、もしかしたら100カット以上は撮っているかもしれない。その中の1点が下の写真だ。

 埼玉新聞(平成30年1月11日)01修正

 同じく、本日付け埼玉新聞13面。
 新・川口市立高校の特集だが、これは記事なのか、広告なのか。

 実は、私はこの取材にも同行させてもらっている。取材の模様を取材したわけである。
 記者は校内をくまなく見学し、担当者に詳しく話を聞き、それをもとに書いているので、その意味では記事だ。
 しかし、記事の下段には、工事を担当したゼネコンや関連会社の広告が入っている。すなわち、この面は、それらの企業からの広告収入無しには成り立たないのである。

 こういうのは、「記事体広告」とか「ペイドパブリシティ」と呼べばいいのかな。
 記事と広告の中間的存在で、新聞、雑誌などではよく使われる手法だ。

 埼玉新聞(平成30年1月11日)13上
 埼玉新聞(平成30年1月11日)13下

  余談だが、この取材時に撮った写真を個人的にツイッターに投稿したところ、「いいね」や「リツイート」が、信じられない数に達しており、反響の大きさに驚いている。
 ブログを毎日更新にしてから間もなく丸4年。コツコツ続けて訪問者がようやく通算10万人に届こうとしているのだが、ツイッターの方は、たった4点の写真を載せただけで、あっという間に数万人。ツイッター恐るべし。

 ※きれいな画像をご覧になりたい方は、リンクから「梅野弘之ツイッター」に進んでください。
 ツイッター川口市立


今日から中学入試、埼玉県内私立

 例年1月10日は埼玉県内私立中学校の入試解禁日である。
 現在、県内には私立中学校が30校あるが、ほとんどの学校がこの日入試を行う。首都圏では一番早い日程で行われるため、県外生が腕試しや、本番の予行演習として受験するケースも多い。

 今朝は早起きして(と言っても午前5時半だけど)、春日部共栄中学校の入試を見てきた。第1回目となる今日は、午前入試と午後入試がある。両方受ける受験生もいるが、午前は他校を受け、午後から春日部共栄、逆に午前は春日部共栄、午後から他校という受験生もいる。連戦は疲れるだろうね。

 午前入試の結果は、今日の19時、午後入試の結果は22時にインターネットで発表される。高校入試に比べ受験者数が少ないとはいえ、すぐに採点して選抜して発表というのは、大した早業だ。

 出願は当日でもオーケーというのも中学入試ならではだ。中学入試は調査書など関係なく、基本、学力検査一発勝負だから、こんなことも可能になる。

 以上、塾の先生や私立の先生にとっては常識中の常識だが、春日部共栄に限らず、県内私立の多くは、このような入試を行っているのである。

 受験機会を増やせば(入試回数を増やせば)、各校とも見た目の受験生は増えるわけだが、同じ受験生が複数校を受け回っているだけなので、肝心な入学者は増えない。
 ここが、埼玉県内私立中学校の大きな課題であり、新たな市場の掘り起こしが急務なのである。


※お知らせ
 本日(平成30年1月10日)、埼玉新聞に「高校入試対策特集」が4ページにわたって掲載されました(9面~12面)。特集部分は別刷りの形で県内全公立中学校3年生に無料配布されます。

 埼玉新聞(平成30年1月10日)01
 埼玉新聞(平成30年1月10日)04

「はれのひ」の社名に象徴的な着物業界の問題点

 着物レンタル業者が夜逃げしてしまった。
 「はれのひ」事件。以前の「てるみくらぶ」を思い出す。

 途方に暮れた被害者?を、同業者やボランティアの着付け師が助けたという。これはホッとするニュースだ。その力、その技術があれば、私もそうしただろう。

 成人式に出ることをあきらめてしまった子もいるようだ。ショックが大きいのは分かるが、着物の品評会じゃないんだから、スーツでも普段着でも、式には出ろよ。と、私が親ならそう言っただろう。

 晴れ着の購入やレンタル契約の時期は、2年前なんていうのは当たり前だ。各業者が、少しでも早く顧客を取り込もうとした結果である。料金を割引するほか、写真撮影、当日の着付け、ヘアメイクなどに特典を付け、早期契約をねらう。「はれのひ」は、この顧客獲得競争に負けたのか。

 着物業界の問題点は、「はれのひ」という社名に象徴的に現れている。
 着物を晴れの日にしか着ないものにしてしまった。七五三、成人式、卒業式、結婚式。

 時代は変わる、ファッションも変わる。世の中が変わったんだから仕方ないじゃないかと言えばもっともらしいが、着物の日常化ということを、おそらく考えてこなかった。為に、業界は衰退の一途を辿っている。

 消費者が人生で1回か2回しか購入しないものを売るには、高級化路線を突き進むしかなく、それでますます、市場を狭めて行く。
 利益を増すにはコスト削減しなければならず、外国産の糸を使い、外国の安い労働力を使って生産するようになり、着物がメイドインジャパンではなくなった。長い目でみれば、これも業界衰退の原因だ。

 京都に行けば、街中にレンタル着物店があふれている。外国人観光客も大喜びだ。しかし、旅行客、観光客に着せるというのでは、「はれのひ」の発想から一歩も出ていない。

 残念な事件であるが、「はれのひ」の発想から抜け出すには、いいチャンスかもしれない。と、着物業界にまったく素人の私は、そんな感想を持ったのである。

 追記。
 以前、ある女子大に「会社訪問に着物で行かせたらどうか。訪問着っていうくらいだし。インパクト抜群だと思うけど」と提案したが、一笑に付されたことを思い出した。


プロフィール

梅野弘之

Author:梅野弘之
受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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