埼玉県教育長人事、異例の継続審査へ

 先週末だったか、次期教育長の人事が継続審査になりそうだというニュースが飛び込んできた。
 それは困った。
 4月6日付の新聞に教育長インタビューを掲載する予定で、取材日程も組んでいたのだ。

 教育長は県知事が任命するが、議会同意人事と言って、県議会の同意が必要である。
 県議会2月定例会(会期3月27日まで)で、すんなり決まるものと思っていたが、そうはならなかった。人事案件が継続審査となるのは異例だ。

 上田知事は、関根郁夫教育長の任期満了にともない、文部科学省出身で、かつて県文教政策室長を務めたこともある小松弥生氏を次期教育長とすることを決めていた。
 しかし、県議会自民党が、これに待ったをかけた形となった。
 継続審査ということだから、この人事がくつがえることはなく、いずれ小松氏で決着するものと思われるが、何故このような事態になったのだろう。

 民進党などからは、自民党による上田知事への嫌がらせという見方も出ているが、議会の内部事情に疎いので、そのあたりはよく分からない。

 以前にも書いたが、制度が変わり、教育委員会委員長と教育長が一本化されることになった。
 よって、次期教育長は、新制度の下での最初の教育長ということなる。

 細かい説明は省くが、新制度の下では、教育行政に関する首長(県知事)の権限が強まると言われている。というか、そのための制度改革なのである。
 そこで重要になってくるのが、議会によるチェック機能だ。首長の権限が強まった分、議会はしっかり監視してもらわなければならないのだ。

 自民党議員団は、「人物を問題視しているのではなく、(中略)、どういう考え方で県の教育を進めていくのかを知りたい」という考えを示している。(28日付埼玉新聞記事より)
 だから、前述したとおり、小松教育長がくつがえることはないだろう。

 要するに、これから先、議会は厳しくチェックしていくぞ、首長の独断専行は許さないぞというアピールではないか。私はそのように見ている。とりあえず、先制パンチを一発浴びせておくか。そんな感じにも見える。

 初っ端の人事案件を引き延ばすのが妥当なやり方かどうかは疑問の残るところだが、議員の皆さんには、ただの嫌がらせやスタンドプレーではなく、県民のため、実質的なチェック機能をはたしてもらいたいと思う。

凡打の山を築きつつ4年目に

 このブログを原則毎日更新にしてから間もなく3年だが、これと言って止める理由もないから、もうしばらく続けようと思っている。

 ときどき継続のコツを聞かれることがある。
 私のただ一つの答えは、「凡打を恐れない」こと。これは以前にも書いたと思う。

 最初から凡打でいいと思っているわけではない。できればヒットを打ちたいと思っている。あわよくばホームランを打ちたいとさえ思っている。こういう気持ちは大切だ。
 しかし、現実には全打席ヒットを打ち続けることはできない。天才イチローだってヒットを打つのは3打席に1回だ。

 凡打を打っても落ち込まない。すぐに気持ちを切り替えて次の打席に向かう。「凡打を恐れない」というのは、要するに気持ちの切り替えのことを言っている。
 これさえできれば、毎日更新なんて簡単なことだ。

 「よくネタがつきませんね」
 これもよくある質問だ。

 ネタなんて繰り返しでいい。3年間続けてきてよく分かったが、私もその季節が来れば、あるいはその時期が来れば、結局のところ毎年同じようなことを書いている。
 「あれ、これって去年も書いたよな」と思ったりもするが、書いてる本人があやふやなんだから、読んでるほうはもっと覚えていないはずだ。1回だけ書いたことを、赤の他人が覚えててくれると思うほうがおかしい。
 だから年中、同じネタを使いまわす。そうすれば永久にネタに困ることはない。


 これからの課題。
 近々ブログ名を変更しようと思う。「UPテストの理事長ブログ」に代わる、新ブログ名を検討中。

 セカンドブログとして「Twitter(ツイッター)」を開始。
 今さら感はあるが、ブログの方は、それなりにまとまった内容を400字~800字をめどに書くようにしている。もうちょっと短い内容を書きたいときに使えそう。
 私がフェイスブックよりもブログを好んでいるのは、読みたくない人は訪問しない自由があること。
 フェイスブックもお友達にさえならなければ、義理で「いいね」を押すわずらわしさはないのだが、どうもイマイチなじめない。とりあえず、「Twitter(ツイッター)」がセカンドブログとして機能するかどうか試してみようと思う。


「忖度」しながら生きるしかない

 久しぶりに「忖度(そんたく)」という言葉を聞いた。
 一連の森友騒動の中で出てきた、「相手の気持ちを推し量る」という意味の言葉だ。

 「度」を「たく」と読むのは、寿司屋とか蕎麦屋で午前中や午後のいっとき、「支度中(したくちゅう)」という札がぶらさがっていたりしてお馴染みだ。温度や湿度の「度」だから、「はかる」という意味があるのだろう。

 「忖」の方は普段使わないな。
 「寸」は「寸法」の「寸」だから、「(長さを)はかる」ことだろう。部首は「こころ」だから、「心の(長さ)をはかる」という意味でいいだろう。

 私の理解では、「忖度」自体は、良い意味でも悪い意味でもなく、また、する方とされる方の間に上下関係など特にないのだが、マスコミから流れてくる「忖度」は、主に、身分や立場が下の者が、上の人の気持ちをおしはかることであり、あまり良い意味では使われていないようである。
 
 「忖度」はきわめて日本的なもので、「忖度文化」などという言い方もあるようだ。
 世の中には、日本的なものはすべて良くないものと否定する人々がいる。「日本的=ナショナリズム=軍国主義」みたいな形で、極端に短い回路で思考がつながってしまう人々だ。   
 また、それとはやや異なり、「グローバリズム」の立場から、「日本(人)的な思考」を否定する人々もいる。世界で通用しないというわけだ。

 なるほど。
 では、世界で通用する考え方とはどういうものなのか。
 たしかに、民族や国籍が異なる人々が集まる企業や組織で、日本人上司の意向を、部下である外国人が「忖度」してくれる姿は想像しにくいし、逆に、日本人部下が、外国人の上司の意向を「忖度」して行動したら、何を黙って勝手なことをしているんだと怒られそうだ。

 しかし、だからと言って、「日本(人)的な思考」や「日本人的な行動」、「日本的な文化」を捨てるべきだということにはならない。
 世界で通用する考え方というものが、実際にあるのかどうか。また、あったとして、それがどういう考え方なのかよく分からないが、「日本(人)的な思考」を捨て去れば、自動的に身に付くというものでもないだろう。

 日本人的な「忖度」は外国人に通じないという経験は、多少なりとも持っている私であるが、これからも日常生活においては周囲の意向を「忖度」しながら生きて行くことになるだろう。

完全無欠な選抜方法は存在しない

 人にはさまざまな能力がある。歌がうまいのも能力、絵が上手なのも能力、早く走れるのも能力。能力とは学力だけではないのだ。
 そこで、入学試験においても、学力以外の多様な能力を評価しようではないかという考え方が出てくる。

 面接や作文・小論文、討論(ディスカッション)、ディベート、発表(プレゼンテーション)、実技。こういったものを選抜の材料として加えて行けば、学力試験(ペーパーテスト)では分からない、さまざまな能力が見えてくるだろう。

 だが、これをやると入試はどんどん複雑で分かりにくいものになって行く。実施する側も、受ける側も、負担は増大するだろう。そして、おそらく評価者の主観が入り込む可能性が高まるだろう。
 「なぜ、あの子が受かって、うちの子が落ちたんだ」という不満が出やすいのは、こちらのタイプの入試である。

 多様な能力評価と対極にあるのが、学力試験(ペーパーテスト)一本の入試だ。点数の高い順ということにしてしまえば、単純で分かりやすいし、主観が入り込む可能性はきわめて低い。
 しかし、これだと生徒の能力を多面的に見ることができない。また、現実問題として学力試験の対象にならない教科がないがしろにされる恐れがある。

 結局のところ、どこからも、誰からも文句の出ない入試方法などないのだから、学力試験一本と、多様な能力評価の間のどこかに、「落としどころ」を見つけるしかない。

 受験生や保護者、また中学校や塾の先生方も、完全無欠な入試方法など存在しないことは先刻承知である。
 ただ、ルールは事前に、明快に、示してほしいと思っている。

 私が現役で教員をやっていた時代に比べれば、入試に関わる情報公開は、はるかに進んでいるが、まだまだ改善の余地は残っている。

幕張総合高校は、基本今までどおりでいい

 千葉県立幕張総合高校の入試選抜の方法について、不公平ではないか、ないしは不明朗ではないかという論調のニュースが流れていた。
 幕張総合高校は、埼玉県で言うと伊奈学園総合と常盤(ときわ)を一緒にしたような学校だ。1学年定員720人の普通科と5年生の看護科を擁する。

 千葉県の公立入試は前期、後期の2回制だが、募集人数の割り振りは前期の方が多いので、どちらかというと前期メインの入試となっている。
 前期選抜は、2日間で行われる。1日目は5教科の学力検査。2日目は各校が面接、作文、自己表現、適性検査、学校独自問題などから1つ以上の検査を選んで実施する。合否は、これら検査結果と調査書を合わせて総合的に判定される。

 問題になったのは、同校前期選抜の自己表現だ。
 自己表現とは分かりにくいが、大きく2つあって、一つは口頭での自己アピール、もう一つは「テニスによる自己表現」とか「サッカーによる自己表現」など、早い話が実技の検査だ。
 同じ自己表現でも、口頭での自己アピールだとA評価(評価はA,B,Cの3段階)はほとんどつかないが、実技の方だと大量にAがつく。しかも、Aをつける人数などを部活顧問間で事前調整していたのではないかという話もあり、今回一部マスコミが問題化したのである。


 さて、私の結論。
 「何を今さら」。

 これは一種の「スポーツ推薦」だ(文化部もあるが)。
 720人もとる学校なんだから、上から下まで学力検査の1点、2点の違いでとるんじゃなく、3分の2は学力検査重視、残り3分の1は部活動重視、そんな選抜をしたっていいじゃないか。県千葉みたいなバリバリの進学校じゃそうも行かんだろうが、中堅進学校というくらいの位置づけなわけだし、かえって特色が出ていい。
 実際、今までもそうしてきて、それで学校の評判が落ちたかというと、そんなこともないわけだから、方針としては今までどおりでいい。

 ただ、基準というか、選抜方法については、もう少し明確に示したほうがいいかもしれない。問題があるとすればそこのところだ。

今日も一日、泥仕合の実況中継

 泥仕合(どろじあい)という言葉を思い出した。
 「泥試合」と書き間違えることがあるが、ワープロでは「泥仕合」としか変換されない。
 相手の失敗や欠点や秘密を言い合って、醜く争うこと。
 元は歌舞伎の用語らしい。

 たぶん今日のテレビは一日中、籠池証人喚問をやっていたんだろう。森友問題をめぐる泥仕合の実況中継だ。
 テレビが大々的に取り上げるのは、数字(視聴率)が取れると踏んでいるからだ。商業放送としては当然のことだ。
 面白おかしく放送するやつがいて、それを面白がって見るやつがいる。そういう関係なので、テレビだけを悪者にするわけにも行かないだろう。

 だが、衆議院予算委員会という国会の中でも、もっとも重要な委員会で、どうでもいいことを延々やっている間に、北朝鮮がまたミサイル発射実験(失敗したらしい)するは、イギリス・ロンドンではテロ事件が起こるはと重大事件が次々に発生している。

 森友問題の方は、一般市民が巻き込まれて死者が出るとは思えないが、ミサイルやテロは、そうは行かない。
 
 私が森友問題はどうでもいい問題だと繰り返し言っているのは、国会、特に予算委員会にとってはどうでもいい問題だという意味だ。いつまでも「政治ショー」をやっていないで、本業の「政治」に帰ってもらおうではないか。

 

募集で苦戦続く県内私立中学校

 本日は塾の先生方及び私立学校関係者向け情報である。

 まず県内私立中学校の募集状況である。
 下のグラフから分かるように、中学校数の増加にともなって総募集定員が増えている一方、入学者数の増加がそれに追いついていないため、定員を満たせない学校が続出している。
 ※数値は平成29年2月末のデータを使用しているので、その後、変化している可能性がある。浦和ルーテル学院・自由の森学園についてはデータが収集できていない。

 埼玉県私立中学校:定員と入学者推移グラフ


 定員を満たしているのは30校中7校である。
 この状況は、ここ数年変わっていない。

 29年度入試のデータを見てみよう。
1.入学者が定員(学則定員)を上回った中学校
浦和明の星女子
開智
栄東
埼玉栄
淑徳与野
昌平
立教新座 
※50音順

 7校の顔ぶれは、独協埼玉と昌平が入れ替わった以外は前年と同じ。
 昌平は開校8年目で初めて定員を上回った。埼玉栄は、これまでも定員は確保してきたが、今年は120人募集のところ182人と大ブレイクした。

2.入学者が定員の90%以上であった中学校
独協埼玉(98.13%)
本庄東附属(94.17%)
春日部共栄(93.13%)
大宮開成(91.67%)
星野学園(90.00%)
※定員充足率順(入学者÷学則定員)

 実際のところは、定員プラス10%程度を見込んだ募集活動を行ったと推測されるが、定員割れとは言っても、許容できる範囲ではないか。想定している教育活動に大きな支障はないと思われる。

3.入学者が定員の50%以上であった中学校
東京農大三(80.00%)
城北埼玉(73.75%)
本庄第一(66.25%)
西武文理(60.48%)
聖望学園(58.75%)
狭山ヶ丘附属(58.75%)
大妻嵐山(52.50%)
城西川越(50.63%)
※定員充足率順
 
 東京農大三は定員を90人から70人に減じたが届かなかった。城北埼玉は24年度までは定員を上回っていたが、その後減少が続いている。ただ、160人定員で118人入学であるから教育活動そのものへの影響は少なそうだ。西武文理も210人定員で127人であるから同様のことが言えそうだ。本庄第一はまだ2年目であるが、前年の35人から53人と大幅に増えており、定員の80人までもう一息だ。聖望学園はここ3年間やや低迷している。狭山ヶ丘は開校5年目。前年までは80人定員で80%~90%を確保していたが、今年は47人と大幅にダウンした。大妻嵐山は、かつては3ケタの入学者を確保していたが、前々年23人、前年31人と低迷。今年は42人まで回復した。城西川越もかつては3ケタを数えていたが、その後低迷。ただ、前々年61人、前年73人、今年81人と復調の兆しは見える。

4.入学者が定員の50%以下であった中学校
開智未来(45.00%)
浦和実業(42.50%)
西武台新座(37.50%)
秀明(31.25%)
武南(30.00%)
東京成徳大深谷(12.86%)
国際学院(8.75%)
埼玉平成(6.67%)
※定員充足率順

 大学進学ではめざましい成果をあげている開智未来だが、募集では苦戦している。ただし、160人定員で72人入学だから、教育活動自体への影響は最小限にとどまりそうだ。浦和実業は、開校当初は勢いがあったが、この4年間は50人前後と低迷している。開校6年目となる西武台新座は、なかなか50%の壁を超えられない。定員160人の秀明は、今年50人でピーク時の3分の1以下にまで減少している。開校5年目の武南は、ここ3年間20人台で推移している。東京成徳大深谷・国際学院・埼玉平成の3校は、入学者1ケタといずれも過去最低を記録してしまった。学校経営上の問題もさることながら、教育面、とりわけ部活動や学校行事には大きな影響を与えそうだ。

 全体として見れば、開校10年未満の新しい学校が募集で苦戦している。前述したとおり、10年未満で定員を満たしているのは昌平のみである。進学実績が急上昇し、部活動での躍進もめざましい昌平でさえ8年かかっていることを考えれば、新興勢力が既設の学校と戦うことがいかに難しいかが分かるだろう。
 高校入試とは異なり、競争相手は埼玉県内だけにとどまらないという中学入試特有の情況も募集を難しくさせている。

 私の立場としては、特定の学校が定員を満たし募集に成功していればそれでよしというわけにはいかず、すべての学校が募集に成功して欲しいのである。
 そのためには市場の拡大を図らなければならない。既存の受験者を奪い合うだけでは、どこかが増えれば、どこかがそのあおりを食らうことになる。
 市場そのものを拡大すれば、そうしたことは、なくなりはしないが減ってくる。

 中高一貫教育の良さや、私立学校の良さを、もっと知らしめなければならない。

まずは新入生の名前を覚えないと

 入学説明会のシーズンである。

 各高校では、入学式に先立って新入生を招集する。入学前に事務手続き的なことや諸連絡のために一度集めておいたほうが、スムーズに新学期を迎えることができる。春休み中の課題などを渡されることもある。

 私は15年ほどの教員生活の中で、1年生を担任したことは、たった1回しかない。偏った経歴だと思う。
 新任から6年間は、2年生を2回、3年生を4回担任して、7年目にしてようやく1年生を担任させてもらったが、結果的にはこれが最初で最後になった。

 入学説明会では全体説明の後、クラスごとのホームルームみたいな時間があった。生徒には「とりあえずこれは仮のクラスだから」とか言ったと思うが、もちろん本物だ。たぶん、生徒の方も気づいていただろう。

 1年生は文字通りフレッシュだね。3年生とは顔つきも体つきも全然違う。
 仲間の先生たちからは、「くれぐれも生徒たちをビビらせないように」と、冗談半分本気半分のアドバイスをもらっていたので、そこは強く意識した。

 名前だけは暗記しておいた。今は無理だと思うが、若いころは1クラス分の名前を覚えることくらい簡単だった。あとは顔と一致させることだ。毎日写真をながめて入学式までには覚えておこう。
 出身中学も覚えておいたほうがいいかな。部活は何をやっていたのかな。

 成績はどうかな? 中学時代はどうだったか。入試成績はどうだったか。
 これは迷うところだ。あまり先入観を持たない方がいいかもしれないし、問題点は早めに掌握しておいた方がいいかもしれないし。

 幸い、学校生活に支障を来すような持病や病歴を持った子はいないみたいだし、過去の情報については最小限を知るだけにとどめよう。できるだけ白紙に近い状態で接した方がいいだろう。
 というのが、当時30代半ばだった私が出した結論だ。

 割と最近のことだが、教え子たちが1年生のときのクラス会を開いたそうだ。クラス会というのは、普通は3年生のときのクラスでやるものだ。1年生というのは珍しい。
 ということは、彼らの中に、何か心に残るものがあったのかもしれない。もちろん、全員がそうであったはずはないが、「二度と思い出したくない」などと言われるよりは何倍も嬉しいことだ。

おかしな人間が理事長になることもある

 学校の理事長って、おかしな人間でもなれるんですか?
 
 法律に定められた要件を満たし、国または都道府県の認可を受ければ学校法人を設立することができ、理事長になれる。ざっくり言えば、株式会社や社団法人やNPO法人を設立するのと同じこと。

 株式会社や社団を設立するときは定款(ていかん)というものを作成しなければならない。名称・目的・組織など根本規則を定めたもので、これを定め書面として提出する必要がある。
 学校法人の場合、定款に代わるものとして「寄付行為」というものを定める。
 
 私はこれまで、いくつもの株式会社や社団・財団等の設立に関わってきたので、定款の作成についてはさほど難しいことだとは思わない。「寄付行為」については経験がないのでよく分からないが、定款の代わりが「寄付行為」だと考えれば、ここまでは何とかなりそうだ。

 しかし、学校法人を設立して実際に学校を作ろうとなると、株式会社や社団・財団などを作るときより、うんとハードルが高くなる。
 たとえば、「必要な施設及び設備又はこれらに要する資金並びにその経営に必要な財産を有しているかどうか」などが審査される。とりあえず、自宅を事務所にして電話の一本も引けば、明日から株式会社が始められるのとはえらい違いだ。

 教育基本法第6条には、次のような定めがある。
 「 法律に定める学校は、公の性質をもつものであつて、国又は地方公共団体の外、法律に定める法人のみが、これを設置することができる」
 法律に定める法人というのは、学校法人のことである。
 つまり、学校法人は、いわゆる私学であっても「公の性質」を持つものとされている。だからこそ、私学にも税金から助成金が支出されているわけだが、これはまた別のテーマとして話そう。

 話を元に戻せば、学校法人は私学であっても「公の性質」「公共性」を持ち、国や地方の教育の一端を担う存在であるから、株式会社のように簡単には設立できない仕組みになっているということだ。

 都道府県が私立学校の設立を認可する場合は、私立学校審議会の意見を聞かなければならない。
 私立学校審議会は公開で行われており、私も何度か埼玉県私立学校審議会を傍聴しに行ったことがある。
 審議委員の多くは県内の私立学校経営者などで占められており、学校経営や教育の専門家であったとしても法律や財務や不動産取引の専門家というわけではないので、そいう面での厳しい審査は行われていないという印象だ。

 以上をまとめると、どういう経営が行われるかや、どういう教育が行われるかは、いざ学校が始まってからでないとよく分からないという面もあるので、おかしな人間が理事長になることだって、たまにはあるということだ。

 追記
 突っ込まれる前に言っておくが、学校法人でさえ、おかしな理事長が現れるのだから、社団法人の理事長なら、なおさらだ。

スピーチ上手がうらやましい

 テーブルスピーチは難しい。

 今日、姪っ子の結婚式があった。最近の結婚式は私たちの時代に比べてスピーチは少ない。その分、映像を多用した演出があって大変面白い。
 しかし、スピーチのまったくない式というのもなく、私なども時々頼まれることがある。今日は身内の式なので、その心配はなく気楽だが、事前にスピーチや挨拶を頼まれていると、役目が終わるまでは食事も喉を通らない。というほどでもないが、どうも落ち着かない。

 私にとって、人前で喋ることは仕事の一部であるから、目の前に大勢人がいるからといって、それで上がってしまうということはない。それでは商売にならないのだ。ただ、その場合は60分とか90分とか時間が長い。
 それに対し、テーブルスピーチは「3分間スピーチ」という言葉があるように時間が短い。

 長く喋れるのだから、短いのは楽だろうと言われるが、それは違う。マラソンランナーが100m競走を走るようなもの。またその反対に短距離ランナーが長距離を走るようなもの。つまり、長い講演と短いスピーチはジャンルが違うのだ。私は長距離専門なので、瞬発力が求められる短距離は苦手だ。

 苦手な短距離を走らなければならないときはどうするか。
 10分と頼まれたら5分、5分ならば3分と、指定された時間より短く喋ろうと心がける。長く喋るのが平気なものだから、強く意識しないと、ダラダラ延びてしまい中途半端なスピーチになってしまう。

 あれも言おう、これも言おうと欲張ると時間内に収まらないので、とにかく話題を一つにしぼる。
 これも心がけていることだ。

 昔、スピーチの名手にコツを聞いたことがある。
 「ドッと笑いをとったら、すぐに終わりにしなさい。調子に乗ってもう一つと欲張らないことです。拍手をもらったときも同じです。笑いや拍手はなくても、場が和んだり、みんながなるほどとうなづいたと思ったら、すぐに終わりにしなさい」

 ほかにもいろんなテクニックを教わったが、一番印象に残っているのがこのことだ。
 以来、短く短くを心がけているのだが、なかなかうまく行かない。
 スピーチ上手がうらやましい。