小学校で習う漢字だけで高校入試は乗り切れそうだ

 5月26日付ブログで、国語の漢字練習に時間をかけ過ぎない方がいいと書いた。

 でも、どうしてもやりたいという受験生は、小学校で習った漢字を復習しておきなさいというのが今日の話だ。

 小学校で習う漢字は1006字である。
 ずいぶんと習うもんだね。これだけ知っておけば大人になっても困らない。

 1年 80字
 2年 160字
 3年 200字
 4年 200字
 5年 185字
 6年 181字

 これだけの漢字を知っていると、どういうことになるか。
 県公立高校入試の、漢字の読み書き問題で確認してみよう。

 ●28年度 (1)~(3)は読み、(4)(5)は書きの問題である。以下同じ。
 (1)均衡 「均は」5年生
 (2)俊敏
 (3)諭す
 (4)紅潮 「紅」も「潮」も6年生
 (5)操る 「操」は6年生
 ●29年度
 (1)輪郭 「輪」は4年生
 (2)旋律 「律」は6年生
 (3)裁つ 「裁」は6年生
 (4)簡潔 「簡」は6年生、「潔」は5年生
 (5)専ら 「専」は6年生
 ●30年度
 (1)養蜂 「養」は4年生
 (2)隆盛 「盛」は6年生
 (3)萎える
 (4)権益 「権」は6年生、「益」は5年生
 (5)射る 「射」は6年生

 こんな具合であって、年度にもよるが、小学校で習う漢字をマスターしておけば、10点中6点ぐらいは取れるのである。

 以上、今日のブログは問題例としてあげた漢字を除き、すべて小学校で習う漢字で書いてみた。
 ほら、大人になっても困らないでしょ。

埼玉県公立入試、配点と通過率から何か見えて来ないかを調査

 本日、塾の先生方向け。

 そんなこと、とうの昔から分かっておるわいという方がいるのを承知で、配点と通過率の関係を調査。
 30年度の詳細データは未発表のため、29年度埼玉県公立入試・国語で調べてみる。

 タテ軸に1問ごとの配点、ヨコ軸に通過率をとり、プロットした結果が下のグラフ。

 2018平成29年度入試 国語の配点と通過率グラフ

 ●作文は大量点とれる 
 配点が突出しているのが大問5の作文だが、通過率は全24問中5番目の高さ。
 つまり、意外に易しく大量点獲得のチャンスだぞ、となる。もっとも、裏返せば出来ないと悲惨だぞ、でもある。

 ●論説読解、攻めるか捨てるか 
 配点6点は4問だが、すべて長文読解(大問1と大問3)の中にあり、かつ表現力を問う問題である。「〇字以上、〇字以内で書きなさい」というタイプの問題。小説読解(大問1)の方はまずまずの通過率だが、論説読解(大問3)の方は出来が悪い。
 また、配点5点は2問だが、これも長文読解の中にあり、記号選択ではあるが、長文全体の内容把握が求められる問題。こちらも小説読解の方はよく出来るが、論説読解が出来ない。
 平均点よりやや上、70点台狙いなら小説読解で確実に点数を取る作戦でいいが、80点以上の高得点狙いなら論説読解の攻略が求められそうだ。

 ●漢字練習に時間をかけ過ぎない
 配点2点は5問あり、すべて漢字の読み書きだ。
 1問ぐらい出来なくたって、大したことはない。全部出来ても高々10点だ。コツコツ練習すれば将来的には役立つが、受験勉強の生産性(そんな言葉あるか?) という観点からは、このためだけに大量の時間を投ずるのは得策ではないと思う。


 入試は数字(点数)の勝負なのだから、数字に基づいて論理的に説明してあげましょうという話であった。
 思いつきで始めてみたものの、グラフの作成に意外と手間取ったので今日は国語のみ。順次他の教科も調べてみるつもりだ。

 

作文は特定の誰かに向けて書く

 長くブログを書き続けていると、「今日はこれといって書くことないな」という日もある。ただ、自分で毎日書くと決めてしまったので、何かしら書かなくてはいけない。
 さて、どうする。

 これ自体は仕事ではないので、そんなに時間はかけられない。
 そんな場合のとっておきの手段は、知っている特定の誰かに向けて書くという技だ。

 本来どなたが読者であるか分からないブログであるが、「ブログ読んでます」と言ってくれる人もいるので、少しずつ分かってくる。そこで、その中の特定の誰かに向けて書く。今日はAさん、明日はBさんとテーマごとに相手を替えて書く。手紙を書くように。

 以前、知り合いが「ブログとか書くと炎上するときがあるじゃないですか。それが怖くて」とか心配してたので、「バーカ、オマエのブログが炎上するわけねえだろう。注目されている人だから炎上するんだよ」と言ってやった。
 プロの物書きでもなく、有名人でもない私たちに、見ず知らずの大勢に読んでもらえる文章なんて書けるわけがない。

 特定の誰かに向けて書く。
 だが、不思議なもので、知り合いに向かって書いていても、長く続けていると、知り合いじゃない人も少しずつ読んでくれるようになるみたいだ。
 たった一人であっても、「ふむふむ、その通りだな」と納得してくれるような文章を書ければ、世の中には結構似た考えの人がいるので、次第に輪が広がって行く。

 私が中学生に作文の書き方を指導するとき、「ふだん教わっている先生に向かって書くといいよ」という話をする。
 入試の作文を実際に読むのは、高校の先生だ。でも、どんな人か分からない。相手が分からない文章というのは書きにくいものだ。
 そこで、「そうか、そうか」、「なるほど、それで?」と読んでくれる身近な先生に向けて書く。そういう人、一人ぐらいいるよね。
 小学校低学年がやる「先生、あのね」の延長だ。

 読書について。友情について。高齢化社会について。
 そんなこと聞かれてもな。私だって困るよ。
 そこで、特定の誰かを思い浮かべて、その人に聞いてもらうつもりで書く。そうすると結構スムーズに書ける。
 ぜひ試してみてほしい。

小説文の読解に苦戦した私である

 小説の読解に苦戦した。
 受験生はどうか知らんが、私は苦戦したのである。
 29年度埼玉県公立入試「国語」大問1。

 NHK全国放送コンテストの締め切りを目前に控えた高校3年生、放送部員・宮本知咲のゆれ動く心。

 問1 薄っぺらな文庫本を片手に、揺れるつり革をぼんやりと眺める。とありますが、このときの「私」の心情を説明した文として最も適切なものを、次のア~エの中から一つ選び、その記号を書きなさい。(4点)
 ア 朗読したシーンは見つかっているが、Nコンに参加するかどうかで迷っている。
 イ 指定作品を何度読んでも、自分が発表する読みたい部分が決まらず悩んでいる。
 ウ 昨年も同じ指定作品に蛍光ペンで線を引いたことを、なつかしく思い出している。
 エ 自分が発表したいと思う場所を、どうやって時間内に収めようかと苦心している。

 小説読解問題の定番である主人公の心情(気持ち)を問う問題だ。
 傍線部の前後を読めばだいたい分かることになっている。

 傍線部の直前に「私は何をしたいんだろう」とあるので、「私」は自身の行動を決めかねているのだと想像できる。迷っているのだ。
 傍線部の直後に「去年の私もこうやって指定作品に蛍光ペンで線を引いた。(中略)だけど、結局私が舞台に立つことはなかった」とあるので、そうか、去年は準備したが出なかったんだなと分かる。
 さあ、このあたりから、主人公「私」の心情をくみ取らなくてはならないのだが、私の読解力では無理。

 そこで、選択肢に頼る。
 細かい説明は省くが、イ・ウ・エにあたるような内容が見当たらない。となると消去法でアだ。「参加するかどうかで迷っている」の部分には引っかかるが、これしかないからアというわけ辛うじて答えにたどりついたのであった。


 問3も苦労した。

 問3「原稿の端を握ったままの唯奈は、私が添削した部分を嬉しそうに何度も指でなぞっていた。とありますが、これと同じ唯奈の心情が、比喩を用いて表現されている連続する二つの文を本文中から探し、最初の文のはじめの五文字を書き抜きなさい。(4点)

 ヒントは比喩表現だ。それと、連続する二文ということ。内容的には、唯奈は主人公の「私」がしてあげたことを喜んでいる。あるいは唯奈が主人公の「私」を尊敬し、慕っていることが分かる部分を探せばいい。
 これだけ材料があれば、答えはすぐに見つかりそうなものだが、なかなか見つからない。なんと30行さかのぼると、「私の名前を、彼女は大切そうに何度も紡いだ。宝物だと言ってガラクタを抱きしめる、幼い子供みたい」という文章が発見される。これだ。条件がすべてそろっている。でも、離れ過ぎだろう。

 問4も苦しんだ。

 問4「ストレートな感情をぶつけられ、一瞬息が詰まった。とありますが、これは、「私」がどのような唯奈の変化に気が付いたからですか。次の空欄にあてはまる内容を、本音、苦手の二つの言葉を使って、35字以上、45字以内で書きなさい。(6点)

 反射的に、使わなければならない、「本音」と「苦手」の2つの言葉を本文から探す。出てこない。なかなか出てこない。
 34行さかのぼると、ようやく「私、昔から自分の気持ちを伝えるのが、その、苦手で。~」という部分にたどりつく。

 本音という言葉は本文からは見つからない。
 だが、傍線部から10行前あたりから、「~先輩に会えたから、放送部に入って良かったなって、本気で思ってるんですから」とか、「私、意気地なしだから、誰かから優しくされるのを待っちゃうんです。(中略)なんかうまく溶け込めなくて、だからスタジオとかでは一人で練習してたんです」といった、唯奈の心情を吐露(とろ)するセリフが続く。
 これらをまとめると、『自分の気持ちを伝えるのは苦手だと言った唯奈が、私には本音を伝えられるようになっていること(に気が付いたから)』という、模範解答(県発表)に何とかたどりつく。

 話が長くなったが、記号選択である問1と問5は割と簡単に正答にたどりつけるが、記述の問2・問3・問4は、傍線部のかなり前の方までさかのぼらないと、正答にたどりつけないので解くのに時間がかかる。
 はたして受験生はどうだったか。

 以上、実際に解いてみての感想である。

埼玉県公立入試・国語「作文」における必殺技

 埼玉県公立入試の国語では、必ず作文が出題される。
 16点という、かなり大きな配点だ。
 書き方について、いくつもの条件がついているので、条件作文と呼ばれる。

 その条件の中に、決まって出てくるのが、「自分の体験をふまえて書くこと」というものである。
 この場合、体験とは、実際に自分がしていなくても、「見たこと聞いたこと」でもいいとされている。
 県が公表している「採点の手引き」(ネットで公開されている)によると、「自分の体験をふまえて」書かれていない場合、8点の減点であるから、これはかなり重視されていると見なければならない。

 そもそも、「自分の体験をふまえて」と条件づけている以上、作文テーマは、ほぼすべての中学生が、学校生活や家庭生活の中で、体験しているはずのことになっているはずで、実際、25年度「ボランティア活動」、26年度「働く理由」、27年度「百年後の日本に残したいもの」、28年度「家庭ごみの減量」と、一度は経験したり考えたりしたことがありそうなものが選ばれている。間違っても「タバコと肺がんについて」とか「危険薬物について」とか「ギャンブル依存症について」などというテーマが出されることはないわけである。

 しかし、この体験というやつは、パッと思い浮かぶ場合と、すぐには思い浮かばない場合がある。
 すぐに思い浮かばない場合は、ただ、自分の意見を書く方がずっと楽だと思ったりする。「経験かよ、なんかあったかな。思い出せねえよ」って感じになる。

 さあ、どうする。
 そこで私が編み出した方法、などと言うと偉そうだが、まず学校行事を思い出してみる。修学旅行とか体育祭とか。次に部活動のこと。あとは、うるさいけど、いつも親に言われていることを思い出してみる。

 それでも出てこないときは、授業だ。
 「学校の授業で、~について学んだことがあります」と書く。これ便利。ほとんどのテーマで使える。
 「学びました」とか「習いました」と書くより、「学んだことがあります」、「聞いたことがあります」と、英語の現在完了風に書くと、経験が強調される。
 実際に学んだかどうかは関係ない。なにしろ作文なんだから、作っていいのだ。

 で、そういう授業をきっかけに、いろいろ考えて、自分はこのように考えるようになりましたと続ける。

 来年のテーマを予測することは難しいが、条件はいつも決まっているので、それを意識した「書き方の準備」はしておいたほうがいいし、それは出来るはずだ。

プロフィール

梅野弘之

Author:梅野弘之
受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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