インターハイ出場の秘密は自立と自律 獨協埼玉陸上部

 獨協埼玉高校陸上部の取材に行ってきた。

 部活、しかも運動部の取材で行く学校じゃないでしょう。
 そう、私もそう思っていた。
 だが、今夏インターハイに女子800mの選手(神保友花さん)が出場しているのである。ここ5年間、関東レベルまでは届いていたが、ようやくインターハイ出場選手が現れた。

 野球やサッカーのグランドとは別に陸上トラックがあるので練習環境には恵まれている。
 ただ、スポーツ系のコースがあるわけでもなく、スポーツ推薦のような制度もない。部活が入学動機という生徒もおそらくいない。
 強くなる要素は少ないのである。

 陸上部は中高合わせて80人近い大所帯だ。
 トラックに短距離あり中距離あり、フィールドに跳躍あり投てきあり。選手たちは多彩な種目に挑むが、指導者は顧問の須藤剛先生含めて2人である。とてもではないが、つきっきりの指導はできない。
 先生は、今日は主に短距離、明日は主に長距離と、順繰りに見てやるほかないので、選手たちは、強くなるために自主的な練習が求められる。自分の頭で考えることや、自分で自分を律することが求められる。

 顧問の先生へのインタビューを終え、外に出ると、さっそく生徒が近づいてきた。先生が何か言う前に、生徒の方からアドバイスを求めてきた。
 獨協埼玉陸上部01
 生徒は、先生から二言三言アドバイスをもらうと、すぐさま自分の練習に戻って行った。
 これだな。この態度。
 こういう学校で強くなるには、この方法しかない。

 全国の頂点をめざす学校や、行く行くはオリンピックやプロを目指す選手たちから見れば、「ゆる~い部活」と見えるかもしれないが、部活動の価値は一つではない。
 こういうのも一つの生き方なんだと改めて感じた今日の取材であった。
 

書道部って、こんなに明るく楽しい部活だったかな

 気がつけば、高校書道部において書道パフォーマンスというのが当たり前になってきたが、誰が流行らせたのか。
 筆を作る会社か、紙を作る会社か、はたまた墨を作る会社か。そこのところはよく分からない。

 書道の先生の中には、「うちは、あんなのはやらないよ」と、低評価の人もいるようだが、そう堅いことは言わず、とりあえずの入口としてならいいじゃないかというのが私の立場だ。
 文化祭でも書道部の展示なんか関係者しか見に来ない。それが今やステージの呼び物になっている。結構なことじゃないか。
こういうのをきっかけに、本気で書道に取り組む生徒が増えてくればそれでいい。

 今日、用事があって県立川口高校に行ったところ、ちょうど部活動体験日で、その中で書道部のパフォーマンスがあるというから見学してきた。
 この学校の書道パフォーマンスはかなり有名で、市内で行われる各種イベントなどにもよく出ているようだ。
 私には、その作品の芸術性について語るほどの知識がないので、それはおいておくとして、部の雰囲気は、運動部に近いものがある。

 川口高校書道パフォーマンス


 わが社が撮影したビデオがあるので、お時間のある方はぜひご視聴いただきたい。
 ↓下の「川口高校書道部」の文字をタップ(スマホの場合)、またはクリック(パソコンの場合)するとYouTubeでご覧いただけます。
 川口高校書道部


 

素人集団でもここまで強くなれる 大宮南女子ハンドボール部

 よみうり進学メディア埼玉版9月号「部活動特集」の取材で大宮南高校へ行く。
 今回は女子ハンドボール部の取材だ。

 県内女子ハンドボール界では、浦和実業・埼玉栄の私立2校が常に優勝争いを演じており、公立は3番手争いというのが実情だ。
 同部は6年前、野口美和監督(念のため男の先生です)が赴任して以来、急速に力を付け、ここ3年はコンスタントにベスト4からベスト8に進出するまでになった。そして今春、県3位となり関東大会に初出場した。

 驚いたのは、関東メンバーの主力である3年生10人のうち9人は高校に入ってハンドボールを始めた、いわゆる「素人(しろうと)」だということだ。もちろん、中学時代にバスケットなど他競技の経験はあるが、球技であるというだけが共通点で、求められる技術も戦術もまったく異なる。
 こんな「素人集団」を公立ナンバーワンにまで育てあげた野口先生の手腕には感服するばかりだ。

 どうやら野口先生は生徒のやる気や自主性を最大限に、いや極限まで引き出す独特の指導術を持っているようだ。

 ここに詳しく書けないのが残念だが、大学まで順調に競技生活を続けた野口先生が、教員として本格的に部活指導に携われるようになったのは、大学を卒業してから実に20数年を経てからだという。つまり、6年前この学校にやって来てからということだ。

 最初に赴任した学校も、2番目の学校も、部活動に全力投球できる環境ではなかった。
 先生自身には勤める学校を選ぶ権利はないのだから、これは止むを得ないことだが、中にはこれで意欲を失くしてしまう教員も少なくない。そんな中、野口先生は与えられた環境の中で、与えられた役割を懸命に果たした。それも嫌々とか仕方なくというのではなく、どこまでも前向きに、喜びを持ってその役職を全うした。
 独特の指導術を編み出した背景には、このような前史がある。

 団体競技の結果は、スカウティング(要するに選手集め)に左右されるというのは、誰もが知る事実だ。だが、寄せ集めの「素人集団」でもここまで結果が残せるということを実証した功績はすでにして大きい。が、それにしてもいつの日か、私立の厚い壁を打ち破り頂点に昇りつめて欲しいものである。

 大宮南女子ハンドボール01


関東大会出場校のまとめ

 運動部の関東大会埼玉県予選の結果がほぼ出そろったのでまとめておこう。
 テニスや卓球のように個人戦と団体戦がある競技は、団体戦の結果のみである。
 陸上競技は、種目も人数も多いので今回は省いた。

 2017関東大会出場校01

 図が小さく読みにくいと思うが、ピンクのアミカケが私立高校で、ブルーが公立高校である。

 ●埼玉栄は12競技、追う昌平・正智深谷
 埼玉栄はバスケット女子・バドミントン男子・卓球男子・柔道男女・体操男子で優勝、ハンドボール女子・剣道男子で準優勝と圧倒的な力を見せ、12競技が関東出場。
 それに続くのが昌平と正智深谷。サッカーは優勝が昌平で、2位が正智深谷、バスケット男子は優勝が正智深谷で2位が昌平と、両校しのぎを削っている。
 昌平は他に、バスケット女子・バレーボール男子・テニス男子・ラグビーも関東出場。正智深谷は優勝した卓球女子の他、バスケット女子・バレーボール男女も関東出場。
 ●ビッグ3に迫る川越東
 埼玉栄・昌平・正智深谷がビッグ3とすれば、それに迫ろうとしているのが男子校の川越東だ。今大会は優勝こそなかったが、バレーボール・バドミントン・テニス・卓球・ラグビー・剣道・ソフトボールの7競技が関東出場。
 ●浦和学院は野球・テニス、本庄第一は剣道、星野はソフトボール
 浦和学院はすでに終了した関東大会で2年ぶり6回目の優勝、テニス男女も常連。本庄第一は優勝した剣道男子の他、剣道女子・バレーボール男子・ソフトボール女子が出場。星野は優勝したソフトボールの他、ソフトテニス・卓球女子が出場。
 ●細田学園はバレー女子、淑徳与野は剣道、浦和麗明はテニス女子で初優勝 
 バレー女子で頂点に立った細田学園は全国常連。剣道優勝の淑徳与野、ハンドボール優勝の浦和実業、バスケット女子・テニス女子の山村学園なども狙いは全国出場で、関東は出て当然と言ったところか。
 急速に力をつけてきた浦和麗明のテニス女子が初優勝、同系列の叡明もバドミントン女子で優勝。 
 ●弓道男女は公立が独占
  公立が頂点に立ったのは、ソフトテニス男子団体・弓道の男女団体・ラグビー・体操女子団体のみである。
  弓道男女の上位4校はすべて公立である。公立優勢と言える唯一の競技だ。
 ●公立の雄・大宮東は6競技、川口総合は5競技
 体育科のある大宮東は、優勝種目はないものの、バレーボール男女・バドミントン男女・柔道女子・体操男子の6競技が関東出場。来年から「新・川口市立」として統合される川口総合は、ソフトテニス男子で優勝した他、ソフトテニス女子・卓球女子・柔道男女が関東出場。
 ●浦和・春日部など進学校も健闘
 浦和は全国出場経験のあるラグビーと弓道、春日部は卓球と剣道が関東出場。出場校が少ない競技であるが、アーチェリーでは栄東・大宮開成が頂点に立ち、関東出場を決めている。

 以上。
 カヌー・ボート・レスリング・ボクシング・空手・相撲・ウェイトリフティング・フェンシング・自転車など、取り上げられなかった競技もある。関係者の方、申し訳ない。

 

関東大会、ここなら何とかなりそうだ

 電車に乗っているとジャージ姿の高校生を大勢見かける。
 今、体育系部活は関東大会埼玉県予選の真っ最中だ。

 野球を除く高校部活のメジャーな大会と言えば、まずインターハイ(全国高等学校総合体育大会)だ。夏休み中に行われる。
 開催地は、各県の持ち回りで、以前は基本一県単独開催だったが、開催県の負担が大きいということで、現在は近隣の複数県による共同開催になっている。29年度は南東北インターハイとして山形県・宮城県・福島県で開催される。

 開催地や時期はまちまちだが、秋から冬にかけて行われる全国選手権大会もメジャーな大会だ。
 師走京都で行われる高校駅伝、年末年始花園で行われるラグビー、首都圏で行われるサッカー、かつては春高バレーと呼ばれていたバレーボールの全国選手権も現在は正月早々に行われている。
 これらの大会には3年生も出場できる。
 こんな時期まで部活をやっていて大学受験は大丈夫なのかと心配になるが、全国に出るような選手は推薦入学(スポーツ推薦など)で決まっているから問題ないのだ。

 これら全国レベルの大会に出られるのは、団体競技の場合、各競技とも原則1校だけ(インターハイではいくつかの競技で2代表)。個人競技の場合も数人。出場は至難の業なのだ。

 その点、関東大会は、競技にもよるが県予選ベスト4くらいまでが出場できる。選手の集めにくい公立高校でも、ここなら何とかなりそうだ。
 目指せ関東大会。