FC2ブログ

埼玉県公立入試、進学塾が予想平均点

 本日(3月6日)付け埼玉新聞に埼玉県公立入試の平均点予想記事が掲載された。

 県公立高入試、3進学塾が分析(埼玉新聞)

 「合格発表までにプロの立場からの平均点予想を記事にしたら受験生の参考になるんじゃないか」と埼玉新聞社に提案したら、実現した。
 今さら余計なことするんじゃないよというご意見もあるだろう。読者の反響をみながら来年以降どうするかを決めるのは新聞社の判断だ。

 新聞社がどのような形でアンケートを実施したか具体的には知らないが、私の当初のアンケート案は次のとおり。
 1 かなり下がる       前年比マイナス5点以上
 2 やや下がる        前年比マイナス3~4点程度
 3 前年並み         前年比プラスマイナス1~2点程度
 4 やや上がる        前年比プラス3~4点程度
 5 かなり上がる       前年比プラス5点以上
 学力検査5教科と学校選択2教科、計7教科について、1~5で答えてもらうというもの。
 大手塾・個人塾など100塾くらいにアンケートを取ってほしいと要望したが、初の試みであり、時間的な余裕もないことから大手3塾への依頼となった模様。

 論述問題が増え、部分点の与え方が学校ごとに異なるので、以前に比べ予想は難しくなったと思うが、独自の予想をされている塾の先生方は、本ブログのコメント欄に見解をお寄せいただきたい。
 なお、県教育局からの発表は、昨年の場合、4月27日であった。

中学生ならレポートの一本や二本書いたことあるだろう

 埼玉県公立入試・国語の条件作文に関して、塾の先生方とあることが話題になった。

 問題は、「文字で伝える際、重視すること」について、あなたの考えを書きなさいというもの。
 資料として円グラフが2つ示されている。資料Aは、「手紙やメールを書く場合」に重視する項目の割合を示し、資料Bは、「報告書やレポートを書く場合」に重視する項目の割合を示している。

 30年度国語作文02

  「この資料から読み取ったこと」をもとに考えを述べる(これをはずすと16点満点中、8点減点されてしまう)という問題なので、まず、2つのグラフを比較し、共通点・相違点を探す。
 1 「情報をわかりやすく伝えること」は、両方で重視されている
 2 「報告書やレポートを書く場合」は、「情報を正確に伝えること」がもっとも重視され、その割合は50.5%であり、「手紙やメール  を書く場合」の23.6%の2倍以上となっている。
 3 「手紙やメールを書く場合」は「読み手の気持ちに配慮して伝えること」と、「自分の気持ちをはっきり伝えること」が重視される が、「報告書やレポートを書く場合」は、これらはあまり重視されない。
 目のつけどころは、この3つだろう。

 目のつけどころは自由だ。何を重視するのが正しいかを問うているのではないので、どれを選んで書いても採点には影響しない。

 さて。
 冒頭書いた、話題になったあることというのは、この作文では「自分の体験を踏まえて書くこと」という非常に重要な条件(満たさないとマイナス8点)があるわけだが、中学生はメールを書いた経験はあるとしても、報告書やレポートを書いた経験があるだろうか、ということである。

 私は実際に中学生を教えていないのでよく分からないが、私立中学校に行くと、体験学習や講演や見学やらのレポートが教室や廊下に掲示されているのを頻繁に見かけるので、中学生が報告書やレポートを書いた経験が無いとは思えない。
 だいいち、経験を書くことが必須である作文のテーマに、中学生が経験しないようなことが選ばれるはずがない。 「会社選びで重視すること」とか、「残業を減らすには」、「老後の生き方」とかでは、書きようがないではないか。

 この作文問題の前提には、中学校3年間の中で、論文とまでは行かなくても「報告書やレポートは書いたことがあるよね」があるわけだから、「情報を正確に伝えること」を意識した文章練習はしておいたほうがいい。論述問題対策にもなる。


英作文は「感想文の世界」から「論文の世界」へ

 これは英語を超えた英語の問題である。
 私はそう思ったんだが、塾の先生方、埼玉県公立高校入試・英語「学校選択問題」の英作文を見て、どう思いました?

 【問題】
 次のAI(人工知能)についての英文を読んで、あなたの考えを(条件)と(記入上の注意)に従って、40語以上50語程度の英語で書きなさい。
 Today AI is used for a lot of different purposes, such as computers and machines. Some people say that AI should be used more. What do you think about this idea?
 (条件)賛成か反対か自分の立場を明らかにして、その理由が伝わるように書きなさい。
 (記入上の注意)省略

 この問題のすごいところは、英文で「AIは、コンピュータとか機械とか、いろんな目的で幅広く使われています」と言っているのみで、そもそもAI(Artificial Intelligence)とは何かという点については一切説明していないことだ。つまり、「それは当然知ってるでしょう」というわけだ。

 その上で。
 「Some people say that AI should be used more. What do you think about this idea?」
(もっと使われるべきだという人もいるが、あなたは、その考えについてどう思う?)と意見を求めてくる。
 「これだけ話題になっているんだから、『未来社会とAI』とか『AIと人間の関わり』とか『AI社会の課題』とか、そういうことは一度や二度、考えたことはあるでしょう」というわけである。

 ここまで英語力ほとんど関係なし。

 ふだん学校で、社会や理科や国語や技術家庭やその他の時間で、このような問題について考えたことがあるか。意見を発表し議論したことはあるか。レポートは書いたことがあるか。そういう前提がある生徒ならば、後はそれを英語で述べるだけで、さほど難しい問題ではない。
 だが、一度もそういうことを経験していない生徒は、突然の問いかけに困惑したであろう。

 学力検査問題(標準的な問題)の英作文が「感想文の世界」であるとすれば、学校選択問題の英作文は「論文の世界」である。
 単に英単語や英文法を知っているというだけでなく、社会(世の中)に目を向け、さまざまなテーマについて自分なりに考え、意見や主張を持つということをしておかないと、こうした「英語を超えた英語の問題」には対応できない。

採点基準の話のついでに問題にもツッコミを入れる

 埼玉県公立入試は2日目に実技や面接を実施する学校がある。
 昨日の学力検査の結果を自己採点している受験生も多いことだろう。それが普通だ。「終わったことは関係ねえ」と言ってる子は先が思いやられる。

 県教委は即日、問題と正答及び採点の手引きを公開している。
 採点の手引きは、先生たち用の手引き(ガイドライン)であり、私が教員だった昔は、マル秘か取扱注意であった。
 先生たちは、手引きを参考にしつつ、さらに学校としてのより詳細な採点基準を定めた後、採点作業に入る。

 受験生が自己採点する場合は、公開されている採点の手引きを参考に、「減点法」により採点して行く方法を勧める。
 採点の手引きに「内容に応じて部分点を認める」と書いてある問題以外は、基本的に〇か×のどちらか、すなわち3点の問題だったら3点と0点のどちらかしかなく、中間の1点や2点はないということだ。

 減点法の典型例が国語の大問5条件作文だ。採点の手引きにも「16点からの減点法で行う」と書いてある。
 ここまで書いてあるからプラス何点とか、これが書けているからプラス何点とかいう「加点法」ではなく、この条件を満たしていないからマイナス何点、ここが違っているからマイナス何点という、満点から引き算して行く方法である。

 減点法で行うと明記されていなくても、「内容に応じて部分点を認める」問題の採点は、基本として「減点法」の考え方に立って行われるので、自己採点もその方法に沿ったほうがいい。

 たとえば、社会大問1問4に「資料1と資料2から読みとれる冷帯(亜寒帯)と寒帯の樹木の生育の違いを、気温と関連づけて書きなさい」という問題がある。
 配点は5点。正答例は「冷帯では、夏には気温が上がるため樹木が育つが、寒帯では、夏でも気温が上がらないため樹木は育たない」となっている。

 この問題のねらいを考えてみよう。
 教科書には、このように書いてある。
1 世界には「森林の育つ気候」と「森林の育たない気候」がある。
1 それは「気温や降水量」に違いによる。
2 乾燥帯に森林が育たないのは一年中降水量が少ないからであり、寒帯に森林が育たないのは、一年中気温が低いからである。
 
 では、以上を踏まえ、昔を思い出して採点基準を考えてみる。
 まず、「冷帯=樹木育つ、寒帯=樹木育たない」という内容が書かれていないものは、問いにまったく答えていないのでマイナス5点。冷帯と寒帯を取り違えているものも同様。
 樹木の生育については正しく答えているが、問題文に「気温と関連づけて」と条件をつけているので、気温に触れていないものはマイナス3点(以上)。
 「寒帯では一年中気温が低いので樹木が育たない」など、どちらか一方にしか触れていないものは、「違いを書きなさい」という問題の主旨に正しく向き合っていないのでマイナス2点。
 降水量について書いたものは、その内容が正しくても「気温と関連づけて」という条件に合わないのでマイナス1点。
 「夏には気温が上がるため(夏でも気温が上がらないため)」は、「夏の気温が高いため(夏の気温が低いため)」でも可。寒帯については「夏でも10℃以下」、「一年を通じて気温が低い」なども可。
 だいたい、こんな感じで採点基準が作られるんじゃないか。

 話のついでだが、この問題の資料2、すなわち「寒帯にみられる景観」の写真はいかがなものか。トナカイ?のような動物(家畜)が写っているではないか。草食動物がいるということは、草は生えるということだ。写真を見た瞬間、ステップ気候かと錯覚してしまったくらいだ。これを見た受験生が「寒帯では樹木は育たないが草は育つ」と答えてもバツにはしにくい。学校でも、「夏の間にわずかにコケが生える程度」と習っているはずである。よって寒帯の景観を見せる写真としては不適切であると指摘しておこう。ツンドラ気候(ET)がよく分かる湿地帯にコケが生えている写真はなかったのか。


埼玉県公立高校入試、学力検査の速報

 今日の天気どうだった?
 朝から晩までテレビ局内にいて、晴れなのか曇りなのか全然分からない。

 埼玉県公立高校入試の学力検査。
 試験が始まって30分ほどすると、新聞・テレビなど報道向けに、問題が県教委から発表される。テレビ埼玉は解答解説番組を生放送(夜6時から)するので、局の担当者が県庁記者クラブまで発表された問題を受け取りに行く。出演する塾の先生方はすぐに問題をチェックし、放送内容を決め、台本を準備する。一日中、この繰り返し。

 私は、今日の出演予定はないので、主に新聞記事用の原稿書きだ。すでに午後8時前には埼玉新聞ラインニュースに出ている。

 問題をとりあえず解いてみた結果。

 数学と理科は平均点が上がりそうだ。
 英語は下がりそう。国語と社会は前年並みだが、どちらと言えば下がる要素のほうが多そうなので、5科全体としては前年より下がる。まあ、私の場合、日々実際に中学生に教えているわけではないので、中学校や塾の先生と違っていたら、そちらの方が当たっていると思う。

 注目の学校選択問題・数学は、去年よりは易しかった。去年は初っ端大問1から度肝を抜かれたが、それはなかったし、空間図形がらみの証明もなかったし、極端な数学嫌いじゃない限りそれなりの得点は取れただろう。
 学力検査問題の証明は、円(円周角)がらみだった。東京、神奈川もそうだったし、そろそろ埼玉でも、 と数日前のブログに書いたが、そのとおりになった。

 国語は大きな変化なし。大問1の小説の読解は、このところ主人公は中高生、舞台は部活みたいな設定が多かったが、やや上の世代が主人公。これはちょっと意外だったが、問題そのものは、そんなに難しくはない。論説文の読解は、去年の文章よりも読みやすかったのではないか。
 「役不足」という漢字を書かせる問題が出た。書き取りではなく、簡単な会話文を読ませ、その中から「役不足」という言葉を想起させ、3文字の漢字で書かせる問題。知っている中学生がどれだけいたか。半分もいなさそう。

 英語は、会話文の読解に新趣向。これまでの会話文読解に比べ、時間を要したと思われる。英語の平均点が下がりそうの根拠の一つだ。

 理科は、地学で「天体」、物理で「電流」が狙われると読んでいたが、その通りとなった。論述が去年より少なくなり、易しくなったのが、理科の平均点が上がりそうの根拠。

 社会は、問題数、出題形式など例年通り。いわゆる知識問題については、きわめて基本的な用語が問われていたので、点数は取りやすそうだ。論述問題は決して難しいことを聞かれているわけではないが、表現力の差が出そうだ。

 以上、解答速報。

プロフィール

梅野弘之

Author:梅野弘之
受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
当ブログを訪問された方
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード