高校生の飲酒・喫煙、野球部だと面倒な話になる

 高校生が飲酒、喫煙をしたら…
 そりゃあ当然、指導対象だな。自宅謹慎ぐらいかな。停学は処分にあたり調査書などにも記載されるので、将来を考えてなるべく避ける。退学させると、周りに注意する大人がいなくなる可能性が高いから、これもやりたくない。

 高校生の飲酒・喫煙はむろんいけないことに決まってる。だが、反省文書かされて、親も呼び出されて校長先生から説教食らう程度のことだ。

 ところが、この生徒が野球部の部員だと話は面倒だ。
 普通、指導対象になるのは本人だけで、その生徒のクラスメイトや、その生徒が属している部活にまで及ぶことはない。

 野球部はどうか。
 一人の飲酒・喫煙が、部全体に及ぶことがある。
 まあ例えばの話、部の合宿や遠征で、みんなで酒盛りしちゃって、ついでにタバコを吸い回しちゃいました、というような状況なら別だが、野球とは別のところでやらかしても「〇〇高校野球部員が喫煙」となり、高野連とか学生野球協会から、対外試合の禁止といった処分を受ける。
 連帯責任というやつだ。

 連帯責任の是非については、いろんな意見があると思うので、それはいったん措いておいて、そもそも生徒の非行を正すのは学校の仕事であり先生の役割である。そこへ、高野連だか学生野球協会だかが、ずかずか入り込んできて勝手に処分を決める。オマエら何様じゃ。と、私はいつも怒っている。「うちの生徒に何するんだよ」。

 高校の野球部の顧問や監督の先生方は、こういうのがおかしいと思わないんだろうか。

 実は、今日は市立川越の話を書こうと思っていた。
 同校は、中学生を練習に参加させていたのが理由で、選抜大会21世紀枠の推薦を辞退した。
 それが何だ。
 と、思ったが、高校野球的には重大な規則違反らしい。
 私にはよく分からん。

なぜ野球の練習時間は長いのか

 高校野球秋季大会は、決勝で花咲徳栄が市立川越を破り4年ぶりの優勝。
 夏は1か月近く甲子園に滞在し、帰校後も多くのイベントに引っ張りまわされて、新チームのスタートが遅れたにもかかわらずこの結果。しばらくは花咲徳栄時代が続きそうだ。

 先日、県立浦和の文化祭(浦高祭)に行った折、野球部の1年生から声をかけられた。テレビの入試番組などで私の顔を知っていたようだ。
 かれは、地区予選を勝ち抜き県大会に出るのだと嬉しそうだった。県大会では62年ぶりに2勝し、ベスト16に進出した。よくやった。
 ところで。
 毎日どれくらい練習しているかと尋ねると、9時ぐらいまでという答え。
 おいおい勉強大丈夫か。予習復習は必須の学校だろう。

 ということで、前置きが長くなったが、なぜ野球の練習は長いのかが今日のテーマである。

 精神論の部分はひとまずおいておこう。
 短い練習時間で強くなれれば、それが理想だし、目指して欲しいが、私は、野球の練習時間の長さは、競技の特質によるものだと考えた。

 野球には、攻め(オフェンス)と守り(ディフェンス)という二つの要素がある。
 が、これは他の球技や格闘技なども同様である。
 しかし、他の球技などでは、攻めと守りに共通する技術がある。分かり易いのは球技におけるパス。これは攻めにも守りにも使える技術だ。テニス型の球技だと、レシーブは守りの技術であるが、攻めの第一歩でもある。

 バレーボールにおけるブロックは守りの技術であるが、それで得点することもできるので攻めの技術と見ることもできる。テニスではリターンエースというのもある。

 このように、多くの競技において、攻めと守りは混然一体となって行われるため、練習においても攻めの練習は守りの練習であり、守りの練習は攻めの練習となる。
 つまり、極論すれば、攻めも守りもほぼ同時に練習することが可能だ。

 ところが、野球においては、攻めと守りは、はっきりと分けられている。攻めの技術と、守りの技術に共通点がない。バッティングの技術は、ゴロを捕ることには応用できず、フライを捕る技術はバッティングには応用できない。

 早い話、技術的に共通点のない2つの競技をやっているようなものなのだ。
 だから、攻めに2時間、守りに2時間、両方やると4時間ということになる。こりゃ、放課後から始めりゃ、8時9時になるよな。

 1 相手が邪魔しない競技で、かつ個人で争う競技(陸上など)は、比較的短い練習で済む。
 2 攻めと守りが必要な競技は、両方の練習が必要なので、その分練習時間は長くなる。
 3 チームで争う競技は、コンビネーション(連携)の練習が必要なので、その分、練習時間が長くなる。
 4 道具を使う競技は、身体能力を高めるほか、道具を扱うスキルを高めなくてはならず、その分練習時間が長くなる。

 以上は、一般論だが、これに加えて、野球は前述したように、攻めと守りは別の競技と言っていいほど違うので、どうしたって練習時間が長くなるというのが、とりあえずの私の結論だ。

「うちは打たれるのに慣れているから」の一言で勝利の予感

 野球ネタが続いて恐縮だが、今日の話は必ずしも野球オンリーというわけではない。

 花咲徳栄の岩井隆監督が、決勝戦の前日、「うちは打たれるのに慣れているから~」という内容の発言をしていた。
 私はこの発言を聞いて、気持ちがうんと楽になった。オマエが楽になってどうするという話だが、第三者の私がそうなのだから、当の選手たちにはずいぶんとリラックスできたのではないか。

 そうだよな。俺たちよく打たれてる。でも、それ以上に打てばいいんだ。そうやって勝って来たんだから、明日もそれで行こうぜ。
 と、選手たちが思ったかどうか分からないが、オマエら明日打たれるぞが、かえってプレッシャーから解放する言葉になった。

 花咲徳栄は昨年秋の新チーム以来、県内では浦和学院に2度、関東では慶応(神奈川)と早実に負けている。
 秋季県大会 浦和学院4-3花咲徳栄
 秋季関東大会 慶応9-1花咲徳栄
 春季県大会 浦和学院7-6花咲徳栄
 春季関東大会 早実10-9花咲徳栄(タイブレーク)
 「うちは打たれるのに慣れているから~」は、決して気休めではなく、強がりでもなく事実なのだ。なにせ、この夏の県大会でも相手を0点で抑えた試合はなかったほどだ。

 私が指導者だったら、圧倒的に力の差がある弱小チームに1点でも取られようものなら烈火のごとく怒るであろう。てめえらつまんねミスしやがって。
 あるいは、1点差負けの多いかれらに対し、余計な失点するから勝てねえんだと激しく責め立てるだろう。
 はたして岩井監督はどうなんだろう。今度お会いする機会があったらぜひそのあたりを聞いてみたいものだ。

 およそあらゆる競技でミスが出たほうが圧倒的に不利なのであるから、指導者としてミスをとがめるのは当然のことである。しかし一方、ほとんどの競技は、相手より1ポイントでも多く点を取れば勝ちなのである。すなわち、ミスは挽回できる。

 ミスを防ぐことは大事だが、ミスはただちに負けではない。これは勉強にも仕事にも通じる話だ。
 ミスをして平気な顔をしているようでは困るし、そこから何も学ばないのは愚かだが、「ミス? そんなもん後で取り返してやるぞ」の気持ちを育てるのも大切なことだ。

 岩井隆監督の何気ない一言から、そんなことを考えた私である。

めでたい。花咲徳栄日本一

 花咲徳栄高校、おめでとう。
 いや~、よく打ったね。

 花咲徳栄14-4 広陵(広島)
 花咲徳栄9-6東海大菅生(東京)
 花咲徳栄10-1盛岡大付属(岩手)
 花咲徳栄10-4前橋育英(群馬)
 花咲徳栄9-3日本航空石川(石川)
 花咲徳栄9-0開星(島根)

 6試合も戦ったのだから、中には2点、3点で勝つ試合があってよさそうなものだが、最低が9点というのだから恐れ入る。
 準決勝を除けば常に先制して相手に圧力をかけ、守っては先発の綱脇君がきっちり試合を作り清水君につなぐ必勝パターン。終わってみれば堂々の王者の戦いといったところだ。

 試合前、キャプテンの千丸君が「歴史を塗り替えることに興味はない。このチームで日本一になり、監督を日本一の男にしたい」(埼玉新聞記事より)と言っていた。
 質問した記者は、「埼玉県勢として初優勝になるが…」みたいなことを聞いたのだろうが、愚問だったな。たしかに千丸君の言うとおりだ。かれらは歴史や記録のために野球をやっているわけではない。

 でも、歴史は塗り替わってしまったのだよ。
 長いこと埼玉県民やっていて、これほど嬉しいことはない。
 さあ、駅に行って号外をもらってくるか。

とうとう決勝まで来たか、花咲徳栄

 埼玉県予選からずっとテレビ観戦していて、今年の花咲徳栄は甲子園でも簡単には負けないだろうと思っていたが、決勝まで駒を進めるとは立派なものだ。

 埼玉勢の決勝進出は平成5年の春日部共栄以来、24年ぶりとなるが、準決勝(ベスト4)進出の時点ですでに価値ある記録であることは、過去のデータが物語っている。

 春の選抜大会では浦和学院の優勝などがあるが、夏の全国選手権の方は、平成に入ってからベスト8以上は3回しかない。
 平成5年 春日部共栄、準優勝
 平成15年 聖望学園、ベスト8
 平成27年 花咲徳栄、ベスト8
 昭和30年代までさかのぼってみても、ベスト4となると昭和61年の浦和学院ベスト4、昭和63年の浦和市立ベスト4など5回しかない。

 昨年のチームは、ドラフトで広島に入った高橋昴也投手を中心とした守りのチームという印象だったが、今年はよく打ち、よく走る。守りの方も投手の綱脇、清水の2枚看板がうまく機能しており隙がない。

 決勝戦は打撃戦かな。
 死ぬまでに一度は埼玉県勢の優勝を見てみたいものだが、それ以上に、球史に残るような熱戦を展開してもらいたいという気持ちが強い。

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梅野弘之

Author:梅野弘之
受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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