学校選択問題、英語はもうちょっと難しくてもよかった

 埼玉県公立高校入試学力検査の平均点について続報。

 初めに、全日制受験者が4万6543人で、そのうち「学選択問題」を受けた生徒が、9977人いたことを頭に入れておこう。受験者全体の21.4%である。
 やや乱暴な言い方になるが、上位2割の受験生が、難しい方の「学校選択問題」を受けたということだ。

 当初の方針通り、数学の一般問題(学力検査問題)は、昨年までより易しくなった(県の言い方では取り組みやすい問題が増えた)。
 しかし、平均点は昨年の51.1点より6.7点下がってしまった。
 易しくなっていないのではないか?

 いや、そうとは言えない。
 昨年の51.1点は、上位2割の受験生も含んだ平均点だが、今年は、平均点を上に引っ張る上位2割は含んでいない。それでも44.4点に収まったのだから、取り組みやすい問題を増やすという目標は実現されたと言っていい。
 欲を言えば、50点を少し上回って欲しかった。

 一方、応用的な問題も含む、難しい方の「学校選択問題」は、予想されたことだが、43.2点と非常に低かった。
 浦和・大宮あたりでも平均点は60点台にとどまったとみられるので、20校の中でも難易度が下がる和光国際・熊谷西・越ヶ谷・所沢・川越南あたりは、20点台だったかもしれない。これらの学校では、他の教科の出来具合によっては、数学10点台での合格者も出現しただろう。

 上位2割が受けて平均点が40点台ということをどう見るか。
 改革初年度としては、ちょっと難し過ぎたという思いは消えないが、上位2割が受けた難しい方が40点台、それ以外が受けた易しい方も40点台という点に着目すれば、難易度にはっきり差がついたわけで、当初の目標は達成されたと言える。

 英語はどうか。
 易しい方の一般問題は、52.0点。昨年の57.4点より下がっているが、前述したとおり、上位2割が抜けての結果であるから、妥当な線と言えるだろう。

 「学校選択問題」の71.9点はどうだろう。
 昨年までの問題であれば、80点は難なくクリアできたであろう上位2割の生徒が受けた結果であるから、確かに難しくなったと言えるが、数学を基準に考えると、あまり難易度は上がっていないと考えられる。平均点が50点台後半から60点台に収まる問題でも良かったのではないか。
 28点と高い配点のリスニング問題が、難しい方も易しい方も共通だったので、ここを変えるだけでも、だいぶ違った結果になったのではないか。

 以上、午前中より少し詳しい分析だ。

学校選択問題、数学は平均43.2点

 埼玉県教育局は4月27日、平成29年度公立入試学力検査の平均点を発表した。

 各教科の平均点は次のとおり。(カッコ内は28年度)
 国語53.3点(57.9点)
 社会60.6点(63.7点)
 数学44.4点(51.1点)
 理科48.5点(39.2点)
 英語52.0点(57.4点)

 20校が導入した学校選択問題の平均点は次のとおり。
 数学43.2点
 英語71.9点

 数学の平均点が50点を下回りそうだというのは、入試後に多くの人が予想したとおり。それに比べ、英語は易しかったという意見が多く聞かれたが、やはり71.9点と、非常に高かった。平均点が70点を超えことは過去に例がない。

 詳しい分析は後日。
 とりあえず速報版。

公立受験状況は、私立入学状況へどう影響したか

 今回は、塾や中学校の先生向け記事。

 公立の受験状況は、私立の入学状況にも影響する。
 私立の併願による入学者数は、公立各校がどれくらいの不合格者を出したかに影響されるということだ。公立が不合格者を出せば出すほど、私立の併願による入学者が増えるという理屈だ。

 とりあえず調べたのは、「学校選択問題」を採用した20校である。

 28年度入試の不合格者数合計(20校) 3178人(実受験者数−入学許可候補者数)
 29年度入試の不合格者数合計(20校) 2751人(同)
 前年と比べて、427人減っている。

 427人の減少をもう少し詳しく調べてみる。

 20校を、難易度によりA、B、Cの3つのグループに分けてみる。
 Aグループ(7校)浦和・浦和一女・大宮・春日部・川越・川越女子・市立浦和
 Bグループ(6校)浦和西・熊谷・越谷北・所沢北・不動岡・蕨
 Cグループ(7校)川口北・川越南・熊谷女子・越ヶ谷・熊谷西・所沢・和光国際

 グループ分けの細かい部分では異論もあろうが、とりあえず先に進める。
 Aグループ 236人減
 Bグループ 34人増
 Cグループ 225人減
 20校のうち、上の方と下の方では不合格者数が減っているが、真ん中へんはあまり変化がない。

 次に地域別に見てみる。
 東部(4校) 春日部・越ヶ谷・越谷北・不動岡 →39人減
 西部(6校) 川越・川越女子・川越南・所沢・所沢北・和光国際 →89人減
 南部(7校) 浦和・浦和一女・浦和西・大宮・川口北・蕨・市立浦和 →221人減
 北部(3校) 熊谷・熊谷女子・熊谷西 →78人減

 学校数(総定員数)を考慮しなければいけないが、南部が突出している。東部はあまり変化がなく、西部も思ったほど減少していない。

 最後に、学校別を調べてみる。
 和光国際 -106人
 川口北  -76人
 大宮   -74人
 市立浦和 -66人
 熊谷女子 -41人
 川越   -39人
 川越女子 -31人
 熊谷   -28人
 越谷北  -28人
 春日部  -26人
 越ヶ谷  -22人
 川越南  -13人
 浦和一女 -12人
 浦和西  -10人
 熊谷西  -9人
 蕨    +5人
 浦和   +12人
 不動岡  +37人
 所沢   +42人
 所沢北  +58人

 私立高校サイドから見ると、和光国際、川口北、大宮、市立浦和などからの、いわゆる「併願の戻り」は前年より少なく、所沢北、所沢、不動岡あたりからの「併願の戻り」は前年より多いということになる。

 以上、取り急ぎの調査結果であった。

「学校選択問題」実施校は広げ過ぎだ

 29年度入試で初めて導入された「学校選択問題」の行方が気になるところである。

 制度が毎年のように変わると受験生が可哀そうなので、少なくとも2~3年は継続するべきだろう。ただし、実際に行ってみて課題も見えてきただろうから、そこは修正を加える必要がある。

 「学校選択問題」のレベル(難易度)は、現在の枠組み全体を見通すと、やや難し過ぎた。特に数学。英語は逆に易し過ぎた。
 問題作成に当たっては、都立自校作成問題(日比谷・西など)などが参考にされたと思われる。もしかしたら、私立難関校も意識したかもしれないが、これはもう少し詳しく見て行かないと何とも言えない。

 今回の「学校選択問題」(特に数学)は、「浦和や大宮などの受験生には、少なくともこれくらいの問題をクリアしてほしい」というメッセージなのかもしれない。
 それはいい。県公立トップを目指す受験生が、目をつぶってもできるような問題で満点を取って、それで数学が得意だと錯覚されても困る。

 「都立復権」、「公立復権」などが取り沙汰される中で、埼玉県公立校が取り残されることは避けたい。
 公立関係者ならそう思うのは当然だから、入試問題をそれ相応の難易度に引き上げようとするのは間違ってはいない。

 だが、もしそうだとするなら、「学校選択問題」の実施校を、広げ過ぎたのではないか。浦和や大宮と、川越南あたりだと、平均点の差が5科で100点以上あると思われる。同じ問題で入試を実施するには、開きが大き過ぎる。

 都立自校作成の場合、その実施校は、日比谷など7校の「進学指導重点校」と、新宿など3校の「進学重視型単位制高校」、それに両国など5校の「併設型高校(中高一貫教育校)」の15校である。中高一貫を除くと10校である。
 埼玉には埼玉のやり方があるから、何も東京と同じにする必要はないが、「学校選択問題」実施校が20校というのは多過ぎたかもしれない。

 浦和・大宮・浦和一女・川越・川越女子・春日部・市立浦和。このあたりまではいいだろう。不動岡・蕨・熊谷・越谷北あたりが微妙なラインで、所沢北・浦和西・熊谷女子・川口北あたりは考えどころだ。和光国際・熊谷西・越ヶ谷・所沢・川越南あたりは、はずれたほうがいいかもしれない。

 ただ、ここで悩ましいのは、はずれた学校の戻る先がないということだ。「学校選択問題」以外の一般の問題は、今までの問題よりずっと易しくなっているからだ。ここへ戻れるだろうか。

 こうした点を踏まえて、30年度入試をどのように実施して行くのか、各高校がどのように対応して行くのかを注視して行こうと思うが、今のところ、私のもとには何の情報もない。

浦高12人、大宮13人のプラス合格者

 3月10日午後8時。県教育局から「入学許可候補者数」のデータが発表された。
 普通科では、予定者数28,908人のところ、許可候補者数(=合格者数)29,238人となっていた。
 その差は330人。ただし、定員割れ校もあるので、これを除外すると489人が、当初の予定者数を上回る合格者ということになる。
 
 普通科の主な学校の数字を挙げておこう。
 数字は左から順に、「予定者数」、「(実際の)合格者数」、「予定を超えた合格者数」である。
 
 浦和   358人 370人 12人
 浦和一女 397人 405人 8人
 浦和西  397人 403人 6人
 大宮   357人 370人 13人
 春日部  397人 398人 1人
 川口北  397人 398人 1人
 川越   358人 367人 9人
 川越女子 358人 368人 10人
 熊谷   318人 322人 4人
 熊谷女子 318人 326人 8人
 熊谷西  278人 282人 4人
 越ヶ谷  318人 326人 8人
 越谷北  357人 359人 2人
 所沢北  318人 326人 8人
 不動岡  318人 326人 8人
 和光国際 238人 245人 7人
 蕨    318人 326人 8人
 市立浦和 240人 246人 6人

 はっきりした基準は分からないが、元々の倍率が高い学校(だいたい1.30倍以上)は、クラス数×1人(8クラスなら8人、9クラスなら9人)をめどに、予定以上の合格者を出しているようである。
 春日部、川口北、越谷北が少ないのは、これらの学校の元々の倍率が、あまり高くなかったためだろう。例外は熊谷女子で、川口北と越谷北の1.22倍を下回る1.21倍であるにもかかわらず、8人の「予定を上回る合格者」を出している。

 以上。今さらではあるが、来年のこともあるので、一応調べてみた。
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梅野弘之

Author:梅野弘之
受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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