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浦和一女は、「女子校アピールが不足しています」

 20180717浦和一女

 高校野球ネタが続いている。
 本業も怠っていないことをアピールするため本日2本目。

 新聞取材の打ち合わせあり浦和一女へ。暑い中、事務所から徒歩10分の近さは有難い。
 髙田直芳校長先生とお会いする。

 ほぼ雑談だが、生徒募集について感想を述べてきた。

 「女子校アピールが不足しています」
 伝統校であって、進学校であって、女子校である。巷間女子校離れが言われているが、この学校は女子校であることから離れられないので、女子校の意義や魅力や強みを前面に出して戦うしかないのだが、ホームページを見ても、パンフレットを見ても、女子校アピールが足りませんよ、という話。

 私は、女子校であることが弱みだとは思わないが、仮にそうだとしても弱みを強みに変える(マーケティング)戦略があるはずで、そこを追求するべきではないか。

 数日前のブログにも書いたが、公立女子校の非卒業率は非常に低い。入学したらほぼ全員が卒業する。途中でやめない。
これは学業不適応(勉強について行けない)とか、いじめなど様々な理由による不登校とか、そういうネガティブ要因がないということだ。面倒見の良さというポジティブ要因もある。いずれにしても私から見れば大きなアピールポイントだ。
 でも、言わない。

 先輩は優しい。
 いい意味でプライドが高い。自分に自信を持っている。精神的に大人。仲間とつるんで弱い者いじめをすることを潔しとしない。そういう子の集まりなんだから、下級生に威張り散らしたりするわけないだろう。
 髙田校長から聞いた面白い話。
 説明会で先輩は怖いですかという保護者の質問に、「お宅のお嬢さんみたいなお子さんが40人集まった姿を想像してみてください」と答えた。はい、座布団3枚あげてください。

 「進学校アピールも不足しています」 
 東大4人(現役3人)、国公立113人(現役78人)、医学部医学科7人。
 かなりすごいよ。
 これが私立だったら、HPでもパンフでもでかでかとトップに持ってくるでしょ。ことによったら校舎に垂れ幕。
 でも、そういうのは言わない、やらない。データをよく見るとやっと分かる。
 昔はそれでよかったかもしれないが、現代には通じない戦略、というか発想だね。

 教育と募集は別だから、募集に教育の発想を持ち込まないほうがいいですよ、私立はそこをよく分かってるんです、教育は教育でしっかり考えているのは公立と一緒、もう学費で絶対的なアドバンテージを持てる時代じゃなくなったんだから、少なくとも募集に関しては私立を見習ったほうがいいかもしれませんよ、というのが私からのアドバイス。

「学校選択問題」実施の春日部女子に行ってきた

 春日部女子高校に行ってきた。

 同校は、現在の中学3年生が受ける平成31年度入試から、数学・英語の2教科で「学校選択問題」を導入する。
 これにより実施校は21校となる。

 25日発表された「学力検査の出題の基本方針並びに学力検査の実施教科及び出題範囲」の中に、「3.その他 数学及び英語については、校長から届け出のあった21校において、学校選択問題(一部に応用的な内容を含む学力検査問題)を出題する」とあるように、「学校選択問題」を導入するかどうかは各学校の判断による。

 同校の受験者レベルから考えて、「学力検査問題」では選考が困難という状況にはないと考えられる。すなわち、外国語科の英語は別としても、普通科の数学・英語や外国語科の数学において高得点者が続出し、差がつかないという状況ではない。
 したがって、「学校選択問題」の実施により、数学においては20点台、30点台の低得点者が続出し、逆の意味で差がつかず、かえって選考が困難になる危険性もはらんでいる。また、数学が苦手な生徒に敬遠され、ただでさえ高くない倍率が、さらに低下する可能性もある。

 今年4月着任した鈴木徹也校長は、上記の点は十分に承知しているとした上で、「理系をめざす女子(いわゆるリケジョ)を育てたい。また、国公立大学をめざす者が増えている現状からも数学力の強化を図りたい。こうした学校方針を明確に伝える意味で、導入に踏み切った」と述べている。
 
 入試選抜における技術上の問題点克服ではなく、これを突破口にして、大学進学に対する地域の期待に応えうる学校に転換しようという思いが強く表れているのが今回の決定である。

 同校の今春の大学合格件数は次のとおり。
 国公立 24人(埼大4 県立大6など)
 早慶上理 4人(早0 慶0 上0 理4)
 MARCH 17人(明2 青0 立9 中0 法6)

 世間から進学校と見てもらうためには、国公立は最低でも30人、できれば50人をクリアする必要はある。早慶上智の合格がゼロの進学校もあり得ない。
 表面的な数だけにこだわる必要もないが、「学校選択問題」実施校の一員に加わった以上、一定のノルマ(責任)は果たしてもらおうではないか。

 20180525春日部女子


専門学科シリーズ③「ここは会社か、大宮商業の授業」

 大宮商業高校を取材した。
 (詳細は中学生向け受験情報誌「よみうり進学メディア6月号埼玉版]に掲載)

 齋藤俊樹校長は30年以上前からの知り合いである。つまり今はやりの「お友達」というやつだ。
 「お友達」が校長だから取材したのかと言われれば、そのとおりだ。何か問題あるか。

 しかし、それとは別に、ずっと以前から気になっていたことがある。
 女子生徒のスカート丈と自転車のマナーだ。
 私はこの学校の前を車でよく通るのだが、生徒の自転車マナーがよく、スカート丈が今どきの女子高生にしては異常に長いのである。本当は異常ではなく正常なのだが、短いのを見続けていると長く見える。
 だから、どこかのタイミングで一度取材に行ってみようと思っていた。それが今日実現した。

 3年生の専門科目「総合実践」を見学した。
 案内の先生が、始まりのチャイムが鳴る前に、つまり休み時間中に当該の教室に行ってくれと言う。
 はい、分かりました。

 生徒が実習室に次々にやってくる。いや、出勤してくる。
 会社経営を実践的に学ぶこの授業では、生徒は社員なのだ。だから出勤。そういえば入口にタイムレコーダーがあった。

 なるほど。早めに行って出勤風景から見てくれということだったんだね。
 生徒はパソコンを立ち上げて、書類(ノートや資料のことだけど)を開いて、先生が4人ぐらい入ってきて、その状態で始まりのチャイムを聞く。

 全部が全部そういう授業ではないと思うが、専門科目の授業には、いわば「世の中が入り込んでる」わけだ。要所要所に社会の常識や会社の常識が入り込んできている。そのあたりが、学校の常識と若者の常識だけで動いている普通科との違いなんじゃなか。
 
 この授業で板書はなく、生徒、じゃなかった社員はメモを取っていた。世の中では当たり前のことだ。授業中イコール仕事中だから私語を交わすなんてこともない。

 私は生徒のマナーの良さを、厳しい生活指導の結果ではないかと想像していたが、どうやらそうではなく、日々の学びの中で身に付けたものであるようだ。やっぱり学校というのは行ってみないと分からないものだ。

 そもそも礼の仕方からして普通の高校生とは違う 
 20180517大宮商業01

 黒板見えませ~ん、なんて言わない  
 20180517大宮商業02

 授業のレポートは「営業日誌」、授業の内容は「業務内容」となる
 20180517大宮商業03

専門学科シリーズ②「久喜工業高校にはオンリーワン学科が2つ」

 今日の訪問校は、久喜工業高校。
 
 学校レポートの前に、頭の中を整理するために表を作ってみた。
 2018工業系学科設置校

 以上のように、埼玉県(公立)には「工業に関する学科」を設置する学校が14校ある。
 設置されている学科は全部で49学科である。
 もっとも多いのが「機械科」で10校、以下、「電気科」9校、「電子機械科」と「情報技術科」が6校、「建築科」4校の順となっている。
 
 オンリーワン、すなわち県内にこの学校だけという学科が10学科ある。
 浦和工業「設備システム科」
 川口工業「情報通信科」
 川越工業「化学科」
 久喜工業「工業化学科」
 久喜工業「環境科学科」
 熊谷工業「土木科」
 進修館「ものつくり科」
 進修館「情報メディア科」
 秩父農工科学「機械システム科」
 三郷工業技術「情報電子科」

 以上、整理し終わったところで久喜工業だ。
 5学科構成で、うち3つは「機械」「電気」「情報技術」と、他校にも多い学科。残りの2つが「工業化学」「環境科学」と、県内ではここにしかないオンリーワン学科となっている。

 一つしかない学科というのは説明が難しい。いや、説明が難しいのは私の知識が乏しいからだ。
 そこで、とりあえず写真で見せてしまおう。
 「環境科学科」の授業風景だ。
 20180510環境科学科 (3)

 ここは工場か作業場か、というのが工業系学科の一般的なイメージだと思うが、それに対し、工業化学科と環境科学科は研究所の雰囲気だ。
 生徒が作業着ではなく、白衣を着用しているせいかもしれないが、化学実験が必須だから当然だろう。検査・測定し分析などを黙々と行っている。旋盤など大きな機械を扱うことがないからか女子生徒の姿も目立つ。工業高校に学ぶ「リケジョ」だ。
 20180510工業化学科 (5)

 5学科の授業(実習)をすべて見て回ったが、素人の私でも旋盤や溶接ならすぐに学科は判明するが、回路の制作やプログラミングになると、情報技術なのか電気なのか、はたまた機械なのか、聞いてみないと分からない。
 これは繰り返すが、主に私の知識不足に起因するものだが、学科ごとの垣根はある面でものすごく低くなっているのも事実であるようだ。
 まあ、車がガソリンではなく電気で走り、すべてコンピュータで制御される時代だから、当然だろう。

 大出明校長先生が、今日の取材のためにわざわざ見学順路を考えてくれて、ずっとそばについて説明してくれたのだが、あまり気の利いた質問が出来なかった。勉強不足を痛感した。
 
 

専門学科シリーズ①「介護のプロ育てる誠和福祉高校」

 毎年5月恒例の専門学科を訪ねるシリーズ。
 (詳細は「よみうり進学メディア6月号]に掲載予定)

 昨日の訪問校は誠和福祉高校(羽生市)。県内唯一の福祉科を擁する学校だ。
 →誠和福祉高校のサイトへ
 30年度募集では、福祉科が80人定員に対し受験者61人、総合学科が120人定員に対し受験者105人と、苦戦を強いられている。

 今回、この学校を訪問することになったのには、あるきっかけがあった。
 昨年11月のことだ。大宮ソニックで産業教育フェアという専門学科を紹介するイベントが開かれ、私はそれを見に行った(その模様は本ブログでも紹介した)。
 →産業教育フェアを見に行った(2017年11月12日付)
 その際、何気なく展示を見ていた私に、「ご説明しましょうか」と声をかけてきた女子生徒がいた。
 「有難いけど、こんな爺さんでいいのかな、中学生とかに声をかけたほうがいいかもしれないよ」と内心思ったが、せっかくだから説明を受けることにした。
 実に見事だった。こんな言い方をしては申し訳ないが、その説明ぶりは、そこらの先生方より数段上であった。学校愛にあふれていた。福祉という仕事に対する誇りと情熱が感じられた。
 私はいつかこの情熱に応えなければならないと思ったのだが、その機会は意外に早くやってきた。それが今回の訪問だった。

 前置きが長くなった。
 
 介護福祉士は国家資格である。
 同校福祉科は2年次から、資格取得をめざす「介護福祉コース」と、福祉系への進学をめざす「福祉進学コース」に分かれる。
 今年は「介護福祉コース」を卒業した37人全員が国家試験に合格した。これで2年連続の全員合格だ。同試験の全国平均合格率は70.8%というから立派なことだ。
 ただし、そのための専門科目履修や実習があるため、週2日は7限まで授業がある。ただただ楽しい高校生ライフを満喫するというわけには行かないので、相応の覚悟は必要だ。

 施設を見学した。
 知識がないので、どれくらい最新で高性能な施設設備なのか分からないが、実習用の介護浴槽一つとっても数百万から1000万円くらいするという話を聞いたことがあるから、学校全体ではかなりの額の投資がなされているのだろう。公立だから可能な教育環境だ。
 20180508誠和福祉01

 専門科目の授業を見た。
 指導は実践的である。細かく具体的である。
 全体としては和やかな雰囲気と言えるが、弛みはない。生徒は先生の一言一言を聞き逃すまいと耳をそばだてる。一挙手一投足を見逃すまいと目をこらす。独特の緊張感が教室を覆う。
 かれらは、高校を出るや否や要介護者と向き合わなければならない。それが分かっているから授業は常に真剣勝負の場となる。
 2018誠和福祉02

 一人でも多くの中学生が、この道を志してくれると嬉しい。
 行きは同校北門から入り、帰りは南門から出たが、どうやらこちらは加須市のようだ。校内に川が流れていたので、そこが羽生市と加須市の境界らしい。
 2018誠和福祉05


 
 
 

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梅野弘之

Author:梅野弘之
受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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