UPテスト(最終回)、本日終了

 今年度最終回となる第5回UPテストが本日終了。
 風邪流行などで欠席者が増えることを心配したが、思ったほどではなかった。

 今年度は、学校選択問題に合わせた模擬試験ということにこだわってみたのだが、まだ実際には一度も行われたことのない試験であり、参考になるのは県教委が示したサンプル問題しかないので、問題づくりには苦労した。

 ただ制度変更のねらいから考えて、英語・数学の「学校選択問題」が、これまでの学力検査問題に比べて難しくなるのは確かなので、問題のレベル(難易度)が下がらないように注意しながら出題してきた。

 第5回になって初めて受けた人は、数学の最初の方の問題からペースを崩されてしまったかもしれない。落ち着いて解けば何でもない問題なのだが、ふだんのテストだと最初の方は、ほとんど暗算で答えが出るのに、UPテストでは筆算が求められる。その結果、いつもより多くの時間を使ってしまい、その後のペース配分が狂ってしまうのだ。

 県教委が「学校選択問題」のサンプル問題を公表したのは、去年の3月であるから、その気になれば1年前から準備できたはずだが、そういう情報にはあまり関心がない人がいる。それで、最近になって、ようやく前より難しい問題らしいなどと言い始めている。

 でも、最終回のたった1回でもUPテストを受けた人は、今までの問題とはどう違うのかが、ある程度イメージできたのではないか。
 今日の経験をこれからの勉強に生かしてほしい。

過去問はどう使ったらいいのか(11月号)

UPテスト 理事長からのメッセージ(平成28年11月号)
過去問はどう使ったらいいのか。

 過去問の使い方については、すでにいろいろなところに書きましたが、改めて書いておこうと思います。

■過去問を「力試し」に使うのはもったいない

 塾の先生方の中には、あまり早い時期に過去問をやるべきではないと言っている方がいます。冬休みからと言っている方もいます。
 しかし私は、過去問をやるのは、早ければ早いほどいいという考えです。
 なぜ、このように正反対の意見になるのでしょう?
 おそらく、過去問を「何のためにやるか」という点において、考え方が異なるためではないかと思います。
 私は、過去問をやる目的は、「出題の傾向を知り、対策を立てるため」だと考えています。「対策を立てる」ためなので、早い方がいいわけです。
 早くからやるべきではないという塾の先生は、ある程度勉強が進んでから、「どのくらいできるか、力を試すため」に過去問を使おうという考えのようです。
 私の考えは、「力をつけるため」と言いかえることもできます。それに対し、一部の塾の先生は「力を試すため」と考えているわけですね。
 〇私の考え。
 教科書・問題集 → 力をつける
 模擬試験    → 力を試す
 〇一部の塾の先生の考え
 教科書     → 力をつける
 問題集・模擬試験→ 力を試す
 皆さんはどう考えますか?

■嬉しいことに、過去問から今度出る問題が予想できる
 
 突然ですが、来年皆さんが受ける29年度公立入試の社会の大問1・問1の答えは「太平洋」です。
 この予想は、非常に高い確率で当たります。
 予想の根拠を言います。
 次にあげるのは、社会の大問1・問1のここ8年間の答えです。
 21年度 太平洋
 22年度 南アメリカ大陸
 23年度 インド洋
 24年度 ユーラシア大陸
 25年度 大西洋
 26年度 オーストラリア大陸
 27年度 インド洋
 28年度 北アメリカ大陸
 29年度 ?
 以上のように、大陸と海洋を順番に出していて、今度は海洋の番です。海洋は三大洋を順繰りに出しているので、今度出るのは太平洋と予想できます。
 こういうの結構面白くないですか?
 「力試し」というのは、ちょっとおいといて、過去問を「予想問題集」として使ってみると、こういう発見がいくつもあるわけです。

■どの教科にも「定食」みたいな問題が必ずある。
 
 過去問を何も見ないで時間を計ってやるというテストのようなやり方では、なかなか上に書いたような発見はできません。
 たとえば、社会の大問2、あるいは理科の大問2をやると決めたら、それだけを6年分一気にやる。そういうやり方をすると、「あれ? これって前にも似たようなのが出たな」といった発見があるわけです。私はこのことを「過去問はタテにやらずにヨコにやれ」と言っています。
 国語と理科・社会については、29年度も傾向は変わらないと断言できます。英語と数学は、新たに「学校選択問題」が導入されるので、少し変わるかもしれませんが、他の3教科は、今までと同じ傾向になります。
 国語の小説文の読解(大問1)では、必ず主人公の「心情」が問われますね。古文(大問4)では、必ず「現代仮名遣いに直せ」の問題が出ますね。こういう定食みたいな問題があるわけです(定食じゃなく定番の方がいいかな)。
 こうした必ず出る問題やほとんど毎年出る問題をあらかじめ知って、それをできるようにするのが受験対策です。
 どうですか。今日から過去問のやり方を変えてみませんか。

公立入試はどう変わるのか(10月号)

UPテスト 理事長からのメッセージ(平成28年10月号)
公立入試はどう変わるのか

 いろいろなところに情報があふれていますが、ここでもう一度、29年度公立入試がどう変わるかについて確認しておきましょう。

■理科・社会は時間が延長されるだけなので心配無用
 
 理科・社会は、試験時間が40分から50分に延長されるだけで、出題内容やレベルについては今までと変わりません。
 時間延長の理由について、埼玉県教育委員会は、「学習指導要領に示された思考力、判断力、表現力等の能力をみる問題に対して、受検生がしっかり考えて解答できる時間を確保するため」と説明しています。
 「思考力・判断力・表現力等の能力をみる問題」とは、いわゆる記述・論述問題を指しています。過去問を通じて、「理由を説明しないさい」などの、文章で答える問題に強くなるようにしましょう。
 なお、28年度(昨年度)は、社会の平均点が63.7点と過去最高だったのに対し、理科の平均点は39.2点と過去最低でした。したがって29年度は、社会はやや下げる方向で、逆に理科はやや上げる方向での修正が図られるものと予想されます。

■数学と英語は易しくなるというのが正しい解釈
 
 29年度公立入試では、数学と英語は今までより易しくなる。これが正しい解釈です。
 埼玉県教育員会の説明を見てみましょう。
 「(数学と英語については)正答率が極端に低い問題があるなど難易度の設定等に課題がありました。そのため、数学及び英語の学力検査問題について、受検生一人一人が最後までしっかりと取り組み、力が発揮できるよう内容を改善します」。
 「正答率が極端に低い問題があるなど難易度の設定等に課題がありました」というのは、平たく言うと、難しすぎる問題があったということです。ですから、それを改善するということは、易しくするということになるのです。
 さてそうなると、「なんだ易しくなるのか。ならば安心」と考える人も出てきそうですが、そうは行きません。全体に易しくなったほうが、今までより得点差がつきやすくなります。易しければ易しいほど、そこで失点した人が不利になるのです。

■ただし一部の学校では数学と英語は逆に難しくなる
 
 さて、ここからが重要です。
 前述したように、今度の入試の改善は、分かりやすく言うと、数学と英語を今までよりも易しくするというものですが、それでは困るという学校がいくつか出てきました。浦和・大宮をはじめとする、いわゆる難関校です。
 これらの学校は、今までの問題でも易しいと考えていました。易しくて皆が出来てしまい差がつきにくかったのです。それを今まで以上に易しくしたら、100点満点が続出して入試にならないではないかというのです。
 そこで埼玉県教育委員会は、これらの学校の要望に応えるための対策を講じました。これが「学校選択問題」と言われるものです。
 埼玉県教育委員会の説明を見てみましょう。
 「例外的に問題の一部に応用的な問題を含む学力検査(学校選択問題)を実施することができます。また、「学校選択問題」は県教育委員会が作成します」。
 希望する学校は別の問題で入試をやっていい。ただし、問題は学校ごとに作るのではなく、県教委がまとめて作る。ということです。
 今年に入って県教委が希望をとったところ、20校が「学校選択問題」で入試を実施したいと名乗りをあげました。東部地区では春日部、不動岡、越谷北、越ヶ谷の4校、西部地区では川越・川越女子・所沢北・所沢・和光国際・川越南の6校、南部地区では浦和・浦和一女・大宮・市立浦和・蕨・浦和西・川口北の7校、北部地区では熊谷・熊谷女子・熊谷の3校です。

■レベルを示すサンプル問題が公開されているので必ず見ておく
 
 では、実際のところ、「学校選択問題」はどのようなレベルの問題になるのか。それを示すために埼玉県教育委員会は、ホームページ上に「サンプル問題」を提示しています。前述した学校を希望している受験生は、必ず見ておいてください。「埼玉県公立入試サンプル」で検索すれば、該当のページが見つかります。これを見れば、明らかに今までの問題(過去問)よりレベルが上がっていることを確認できるでしょう。

■UPテストは「学校選択問題」レベル。難しいから受ける意味がある。
 
 以上のような変更を受けて、今年度のUPテストは、数学・英語について、出題の内容・レベルを「学校選択問題」に合わせることにしました。示されたサンプル問題を研究し、それに沿った出題をするようにしています。
 少し難し過ぎるという声も聞かれますが、模擬試験は、本番の試験よりやや難しいぐらいがちょうどいいと思います。皆さんも、本番の試験のとき、「今まで受けた試験より難しかった」と悔しがるより、「今まで受けた試験より易しかった」と自信を持って言えたほうがいいのではないですか。
 ですから、これからも、ちょっと難しい問題を出し続けます。前述した20校以外の学校を受ける人も、UPテストに合わせて勉強して行けば、本番の入試は楽に突破できるでしょう。
 最後までくじけず、あきらめず、一緒に頑張って行きましょう。

正答率・通過率にも注目(9月号)

UPテスト入試情報(平成28年9月号)
正答率・通過率にも注目。

 模擬試験を受けたあと、気になるのは平均点・順位・偏差値・合否判定などだと思いますが、もう一つ注目してもらいたいものがあります。それは、問題ごとの正答率・通過率です。
 UPテストでも、個人成績表の裏面に、小問ごとの正答率を載せていますので、答案返却後は必ずチェックする習慣にしてください。

■正答率と通過率の違い

 通過率という考え方が分かりにくいと思われるので、そのことを説明します。
 正答率は、単純に、正答した人の割合と考えてください。10人中7人がその問題を正解すれば正答率は70%です。記号選択問題のように、正答だった人と誤答だった人のどちらかしかない問題ならこれで済みます。
 ただ、問題の中には記述式問題のように「部分点を与える」ものがあります。仮に5点満点の問題だとすると、5点の人から0点の人までいることになります。その場合、5点の人は正答、0点の人は誤答でいいとして、4点、3点、2点、1点の人をどう扱うかですが、そこで登場するのが通過率という考え方です。

 (例)配点(満点)が5点。6人の受験者がいて、5点から0点まで、1人ずつだった場合。
 5点 1人
 4点 1人
 3点 1人
 2点 1人
 1点 1人
 0点 1人
 まず、6人全員の総得点を出します。
 5×1+4×1+3×1+2×1+1×1+0×1=15
 これを(配点×受験者数)、つまり全員が満点であった場合の点数で割ります。
 15÷(5×6)=0.5
 これで、通過率は50%と出ます。

 以上の計算式から分かるように、5点や4点の人が多ければ通過率は高くなりますし、1点や2点の人が多ければ通過率は低くなるわけです。

■正答率・通過率の高い問題を間違っていないか

 正答率や通過率が、受験生全体の出来具合を表していることが分かりました。
 そこで皆さんが確認しなければならないのが、正答率・通過率の高い問題を間違ってい
かったかということです。
 これらは、みんなが良く出来た、比較的易しい問題だったということです。あるいは、きわめて基本的な問題だったとも言えます。
 1点、2点を争う入試において、他の受験生がみんな出来た問題を自分だけ間違った状況というのを考えてみてください。これは明らかに不利でしょう。
 
 こうした考えに立てば、正答率・通過率がきわめて低かった問題を間違った場合は、それほど大きなショックを受ける必要はないということになります。
 もちろん、難易度の高い学校を受ける場合は、そうも言っていられませんが、その場合でも、「入試本番までに出来るようにしておけばいいではないか」と、少し余裕を持って考えることもできるわけです。

■模試はすべて取っておく
 
 皆さんは、これから多くの模試や実力テストを受けると思いますが、成績表だけでなく、問題用紙や解答用紙をすべて保存しておくことを強く勧めます。

 模試や実力テストは、一種の予想問題ですから、入試直前にもう一度見直して、出来ない問題はないかどうか確認してほしいのです。
 本番のとき、以前にやったことがある問題が出て、それが出来なかったら悔しいでしょう。初めて出会う問題だったら、まだあきらめもつくかもしれませんが、以前にやったことがあって、それをまた間違ってしまったらガッカリです。

 きれいにファイルに保存できればベストですが、それができない場合は、専用の引き出しやボックスを設けるとか、さもなければ、大きな袋を用意して、とりあえず全部そこに「突っ込んでおく」という方法でもいいです。とりあえず、あっちこっち探さなくてもいいという状態にしておくことです。

 模試で出た問題がそっくりそのまま本番で出るというのは、めったにないことですが、似たような問題が出ることはしばしばあるので、ぜひ実行してください。

UPテスト入試情報(平成28年8月号)
「量より質」ではなく、「質より量」である。

 よく勉強は「量より質だ」という言葉を聞きます。ただ時間だけやっても、中身が伴わなければダメだという意味だと思います。
その通りでしょう。
ただし、それを認めた上で、やはり「量も大事である」という話をしておこうと思います。

■質の高い勉強は時間がかかる

 前号で過去問の話を取り上げましたが、過去問は、問題を解いて答え合わせをして、それで終わりではありません。それだけでも一定の効果はありますが、さらに効果を上げるには、教科書の確認という作業を付け加える必要があります。
 これは、問題が解けなかったり間違ったりしたときだけでなく、解けた場合でも同じです。とにかく一度教科書を確認する。
 この作業は結構面倒だし、時間もかかります。でも、結果として何度も何度も教科書を読み返すことになりますから、そのうちに教科書の内容が完ぺきに頭の中に入ってきます。本番のときは、教科書をそばに置いているのと同じ状態で試験を受けることができます。
 さて、このような勉強は、質の低い勉強ということになるでしょうか。
 逆ですね。
 ですから、質の高い勉強をすれば時間が短縮できるというのは、必ずしも正しくなくて、質の高い勉強をめざすと、かえって時間がかかるということもあるわけです。

◆教科書以外からの出題はあり得ない
 
 上で述べたことと関連しますが、公立入試の出題内容は、すべて教科書からと決まっています。
 ときどき、社会では時事問題が出されるから新聞を読むようにというアドバイスが聞かれますが、時事問題は出ません。なぜなら、つい最近のニュースは、どんなに重要であっても教科書にはまだ出ていないからです。
 このように、とにかく教科書重視という立場から問題は作られていますから、教科書を何度も読み返し、暗記してしまうぐらいやるのが合格に近づく勉強法なのです。
 問題集をやるときは、必ず教科書を手元に置いてやるという習慣をつけてもらいたいと思います。