「入試終わった」は、全国で埼玉・神奈川・千葉の受験生だけだから

 試験は終わった。後は発表を待つばかり。
 というのは埼玉県の受験生(中学3年生)の話であって、実は、全国的に見ると、今週から来週にかけてが、公立受験ウィークのピークなのである。

 3月6日 茨城県
 3月7日 栃木県(一般)
 3月8日 群馬県(後期)
 北関東の公立は遅いなと思うのは、神奈川が2月14日、埼玉と千葉(後期)が早すぎるのであって、全国ではこれが普通だ。

 北海道・東北では、埼玉より早い日程の道県はなく、山形県の一般などは3月10日試験だ(ここでは、推薦や前期ではなく一般や後期の話をしている)。
 東海・北陸、近畿、中四国、九州・沖縄と、見て行っても、だいたい3月6日~8日で、大阪府は3月12日。

 入試制度は各都道府県で異なっており、どの入試日程がメインなのかは詳細に見て行く必要はあるが、とにかく首都圏3県(神奈川・埼玉・千葉)の公立入試が突出して早いということは分かっていただけるだろう。

 東京及び首都圏3県(神奈川・埼玉・千葉)の場合、数も多く人気も高い私立高校との競合があるため、公立の都合だけでは入試日程が決め難いという特殊事情がある。高校進学を希望する中学生全員を受け入れるためには、半分かそれ以上は私立に頼る必要があり、協調関係も必要だ。

 そんなわけで、首都圏3県(神奈川・埼玉・千葉)の公立入試日程は、全国的には異例の早さで終了してしまうわけだが、入試が終わった後の授業や学校生活は、どうしても「消化試合的なもの」になりがちなので、中学3年3学期の量(実質的な長さ)と質を高めていくためには、あともう少し後ろにずらすことが必要だ。

 また、「前期・後期」や「推薦・一般」の二本立て入試から一本化入試への変更も検討されなくてはならない(埼玉ではすでに実行済みだが)。
 二本立て入試のメリットは、選抜方法の多様化を確保しやすいことだが、入試期間が1か月以上に及ぶため、3学期は受験一色に塗りつぶされてしまう。

 一本化して後ろにずらす。その中で、選抜の多様性をどう担保するかが今後の課題だ。埼玉の場合も、一本化は成ったが、選抜の多様性はまだまだ研究の余地がある。

全力で戦ってくれれば、応援する方も悔いなしだ

 埼玉県公立高校入試・学力検査まで、あと2日。
 とうとう本番がやって来たね。

 試験当日、私は朝からテレビ埼玉にいるよ。今回の生放送(「入試解答速報」午後6時~8時)では出番はないけど、翌日の新聞用に原稿を書かなくてはいけないから、受験生と同じように一日中問題を解いているよ。

 受験というのは個人の戦いだけど、周りに応援してくれた人が大勢いるよね。先生とか家族とか、友達とか先輩とか。
 別にその人たちのために頑張れとは思わないけど、力は出し切ってほしいね。そうしないと失礼だよ。
 
 オリンピックが終わったばかりだけど、ああいう場面で、「最初から勝負は二の次だと思ってました」とか、「今回は、この舞台を楽しめればいいと思っていました」なんてほざくやつがいたら腹立つよな。
 こっちはハラハラドキドキしながら応援してるのにふざけんじゃねえよ。テメエなんか二度と応援するもんかと思う。
 まあ、オリンピックに出るような一流アスリートが、そんなことを言うはずもないが。

 受験生のみんなの周りにいる人たちは、そりゃ、いい結果を望んでるに決まってるさ。でも、それ以上に、全力で戦ってほしい、力を出し尽くしてほしい、そう願っている。そこのところ間違えないように。期待に応えるというのは、そういうことだ。

 今ごろになって、もう少し前から頑張ってれば良かったなんて言い出す人がいるが、おいおい何言ってんだ、戦う前に反省会やってどうする。今持ってる武器で戦うしかないんだよ。武器がなければ素手で戦えよ。

 受験生がこのブログを読んでいるとは思えないが、塾の先生経由で伝わるかもしれないので、最後の激励の言葉を述べておいた。
 当日の天気は今のところ「雨後晴」となっている。気温は高そうだ。

首都圏の問題眺めていたら、東京(社会)の大サービス問題を発見

 首都圏ではすでに千葉県(前期)、神奈川県、東京都(一次・分割前期)で公立入試が実施されている。

 今日は土曜日で特に仕事も入っていないので、サラッとどんな問題が出ているか見ておくことにしよう。って、結局、仕事じゃないか。

 全部は時間がないから、とりあえず一番手間のかからない漢字の読み書きを見てみるか。
 同じ漢字が同じ年に別々の都県で出されることがしばしばあるからね。

 東京都・漢字の読み
1 洋服のほころびを繕う
2 日本の伝統的な舞踊を鑑賞する。
3 午後の列車には若干の空席がある。
4 善戦するも一点差で惜敗し、優勝を逃す。
5 忙しさに紛れて、弟に頼まれた用事を忘れる。
 うんうん、いかにもっていう漢字が並んでるね。ちなみに、「繕う」と「舞踊」はすでに埼玉県で出題実績がある。

 東京都・漢字の書き
1 浜辺で美しい貝殻をヒロう。
2 母のキョウリから、みかんが届く。
3 今年の春から、姉は図書館にキンムする。
4 幼い妹たちの言い争いをチュウサイする。
5 帰宅すると、愛犬がイキオいよく駆け寄ってきた。
 埼玉県では出題実績のない漢字ばかりだ。
 
 次。
 数学の証明はどんなのが出てるのかな?
 東京都 三角形の合同の証明
 千葉県 二等辺三角形であることの証明
 神奈川県 三角形の相似の証明

 結局、証明っていうとこれしかないのかな。
 東京都の場合、「二辺とその間の角が等しい」ことを導くのだが、円がからんでくるか
ら「円周角」についての知識が必要だ。神奈川県もよく似た問題で「円周角が等しい」を使う必要がある。千葉県は、途中経過で三角形の合同の説明が必要になってくる。というかそれを証明すれば、自動的に二等辺三角形であることが証明されてしまう。
 埼玉県(学力検査問題)は伝統的に、長方形の折り返しを用いた問題が主だったのだが、そろそろ円とからめた問題もやっておいたほうがいいかもしれない。

 東京都の社会で、面白い問題を見つけたぞ。
 何が面白いって、問題文の中に堂々正解が出ちゃってるからだ。

 東京都・大問5【問1】
 我が国では日本国憲法において、平等権が保障されているとあるが、平等権を保障する日本国憲法の条文は、次のア~エのうちではどれか。
 ア 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
 イ 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
 ウ すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
 エ すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。(太字は筆者による)

 誰がどうやったって、「エ」しか選びようがないでしょ。「法の下に平等であって」って書いてあるんだから。
 東京都、サービス良すぎるぞ。

今の県内私立は「滑り止め」専門じゃないから

 埼玉県公立高校入試は、今日(22日)と明日の2日間が志願先変更期間である。
 ここで志願先を変更するということは、発表された倍率を見ての行動だろう。

 私は、「倍率は気にするな」の立場なので、こうした志願先変更を積極的に勧めることはしないが、各家庭・各人のさまざまな事情もあるので、絶対にダメだとまでは言わない。それに、制度としてあるのだから、必要と思う人は活用すればいいだろう。
 という話は、毎年この時期に書いている。

 同じく、毎年この時期に書いているのは、「何のための『滑り止め』なの?」という話だ。
 あえて昔ながらの「滑り止め」という言葉を使っているが、今の言い方をすれば私立の併願校である。

 「滑り止め校」の意味合いは、昔とはだいぶ違ってきているように感じる。
 どこが違ってきているか。
 今の「滑り止め校」は、最初から第一希望で行ってもいい学校でもあるという点が昔とは違う。
 昔の「滑り止め校」は、ほとんどそれ専門で、入学者の大半が「公立落っこち組」という学校がいくらでもあった。

 しかし今は、栄東にしても開智にしても、あるいは大宮開成・春日部共栄にしても、埼玉栄も昌平も、って、挙げたら切りがないが、別に公立がダメだったから仕方なく行く学校じゃないでしょう。

 そのうち、埼玉県内の上位と目される私立高校は、今よりもっとレベルが上がって、公立不合格者用の滑り止め枠は、ほとんど消滅してしまうのではないかと思っているが、今のところはまだ大丈夫だ。
 仮に、公立がダメだったとしても、胸を張って行けるのが今の県内私立高校だと思う。先々の大学進学を考えたら、むしろ公立落ちて私立の方がいいんじゃないかと言う人もいるくらいだ。

 だから、ね、思い切って公立チャレンジしようよ。
 というのが、毎年のように繰り返している私のアドバイス兼応援メッセージなのだ。

倍率トップの新・川口市立を今さらだが考えてみる

 引き続き、昨日発表された埼玉県公立高校入試の志願者数の話題。

 普通科の倍率トップは、新規開校の川口市立(普通科文理スポーツコース=定員120人)、専門学科の倍率トップは、同じく川口市立(理数科=定員40人)。
 ということで、今のところ2冠達成。普通科の方も1.61倍と高倍率。

 今さらだが、新・川口市立高校開校の経緯を簡単に振り返ってみよう。
〇市立高校同士の統合は初のケース
もっとも、市立高校を持つのは、さいたま市、川口市、川越市という県下3大都市だけなので、過去にこのようなケースがあるわけがない。
〇3校の統合も初のケース
 2校の統合(統廃合)というケースは、これまでにも多くあったが、3校まとめては例がない。
〇人気校同士の統合も初のケース
 人気校には「?」がつくかもしれないが、旧・市立川口にしても川口総合にしても、地元では一定の人気を保ってきた学校だ。これまで埼玉県で行われてきた統合は、定員割れ校同士とか、定員割れ校とそれより少しはましな学校との統合がほとんどだったが、募集困難校ではない学校同士の統合は初のケースである。
〇募集停止を経ない統合も初のケース
 これまでの統合は、どちらか一方の募集を停止し、停止したほうの学校の生徒が全員卒業してからの統合だった。だから、早い話、一緒になるのではなく、一方を廃校にして、一方を残したのである。ところが今回は、旧3校の現1・2年生は、そのまま新校の2・3年生になる。即部活強くなりそう。

 そもそもなぜ統合するの?
 という話だが、これは川口市の現在及び将来の財政を考えてのことだ。3校をこのまま維持するより、1校にまとめた方が経費(特に人件費)の節減になる。
 総工費約200億円と言われる「公立高校離れした豪華新校舎」には驚くが、一度作れば40年50年は持つわけで、一時は大きな負担となるが、長い目でみれば、ちゃんと帳尻は合うということだ。

 話を志願者数に戻す。

 募集困難校ではなく、旧3校それぞれが一定数の受験生を集める力を持っていたのだから、はなから定員割れなどとは無縁なのである。そこに持ってきて、「公立高校離れした豪華新校舎」である。人気が出るわけだ。
 さらに、理数科の設置、入学後の選抜による「特進コース」設置など話題が盛りだくさん。また、理数科を設置したからには、スーパーサイエンスハイスクール指定校を目指すと思われる。

 というわけで人気沸騰となったわけだが、普通科文理スポーツコースの方は、「部活ねらい」の生徒の受け皿ということになるだろう。1次選抜こそ60:40でやや学力検査重視となるが、2次選抜では学力45:調査書45:面接10となり、学力検査の比重が下がる。また、調査書の中でも部活実績の得点比率が高いので、全国に出たとか、県大で入賞したとか、腕に覚えのある受験生は、高倍率にめげず、このままGOでいいだろう。

 一方、理数科や特進含む普通科は、学力重視で一貫しているので、調査書よりも当日の学力検査の勝負だ。

 ここで簡単な数字のまとめをしておこう。
 昨年の旧3校の合計受験者(最終志願者)は810人だった。
 内訳は、市立川口364人、県陽190人、川口総合256人。
 今回の新・川口市立の志願者合計は890人である。
 内訳は、理数科94人、普通科515人、普通科文理スポーツコース281人。

 合計人数で見ると、昨年の旧3校の合計810人よりも80人多い890人が今のところ志願しているわけである。
 問題は、この1割増し(80人)が、どこから回って来たかである。旧3校よりも下位層からなのか、上位層からなのか。
 ふたを開けてみなければ何とも言えないが、下位層がいきなり理数科あるいは特進狙いというのは考えにくいので、ここには、昨年までなら蕨や川口北、場合によっては浦和西あたりを狙っていた生徒がある程度回ってきていると考えるのが自然だ。
 旧3校の中では、旧・市立川口の難易度が一番高かったわけだが、このまま行けば、新・川口市立の合格ラインは、その時と比べ、かなり上昇するだろう。

プロフィール

梅野弘之

Author:梅野弘之
受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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