全国学力テスト、入試によく出る宮下奈都作品が題材に

 昨日(4月18日)、全国学力・学習状況調査が行われた。対象は小6児童と中3生徒。

 よく「全国学力テスト」などと略され、「教科に関する調査」に注目が集まるが、併せて「質問紙調査」も行われているので、その結果も見ておきたい。

 たとえば、塾の先生方が興味を持たれると思われるこんな質問がある。
 質問(17)学習塾(家庭教師の先生に教わっている場合も含みます)で勉強していますか
 回答 ①学習塾に通っていない
     ②学校の勉強より進んだ内容や、難しい内容を勉強している
     ③学校の勉強でよく分からなかった内容を勉強している
     ④上記②③の両方の内容を勉強している
    ⑤上記②③の内容のどちらとも言えない。
 参考までに、28年度の調査では、①と回答した割合は32.5%、27年度では32.6%(都道府県別埼玉県のデータ)であった。
  調査結果の発表は年度によるが8月から9月になると思われる。


 中学生国語のB問題(活用)の中に、宮下奈都「スコーレNo.4」を題材とするものがあった。
 宮下奈都は2015年に「羊と鋼の森」で直木賞候補となり、翌2016年同作品で本屋大賞を受賞した人気作家である。
 高校入試でよく出る作家であり、「終わらない夏」、「よろこびの歌」なども過去に入試の題材として取り上げられている。平成23年度(2010年度)の東京都立入試では、「スコーレNo.4」が使われていた。
 国語の長文問題は事前に読んでおけば有利というものではないが、生徒から「何を読めばいいか」と尋ねられたとき、推薦していい作家の一人ではないか。

全国学力テスト(28年度)の結果が発表された

 平成28年度の全国学力調査(正確には「全国学力・学習状況調査」の結果が発表された。

 埼玉県の結果を見てみよう。(数値は平均正答率)
 ◆小学6年
  国語A 71.6%  全国 72.9%
  国語B 56.7%  全国 57.8%
  算数A 75.9%  全国 77.6%
  算数B 46.3%  全国 47.2%
 ◆中学3年
  国語A 74.9%  全国 75.6%
  国語B 65.6%  全国 66.5%
  数学A 60.3%  全国 62.2%
  数学B 43.2%  全国 44.1%
 以上のとおり、小学校・中学校ともに全教科で全国平均を下回った。2年連続である。特に、算数A・数学Bにおいて全国平均との開きが大きかった。

 さまざまな批判がある全国学力テストである。指摘されている欠点については賛同できる点も少なくない。
 しかしその上で、文教政策立案の根拠として、こうした調査は必要であると考える。

 およそあらゆるテストには出題傾向というものがある。
 ましてこのようなテストでは、経年変化を見るために、毎年、レベルや内容をそろえなえればならない。
 とすれば、対策をとることは、そんなに難しいことではない。
 また、テストというものはもともと準備をして臨むものであるから、先生方が、ある程度対策を取ろうとするのは止められないのではないか。

 よく耳にする言葉に「過度な競争」というのがあるが、これは「競争」それ自体を否定しているのではなく、「過度な」ものになってはならないということだ。
 どこまでが「適度」で、どこからが「過度」なのか。その線引きは難しいが、隣の学校に負けないようにとか、隣の市町村に負けないようにと努力するのは、それほど悪いことではない。

 まだ十分時間が取れなくて、学習状況調査の結果までは見ていないが、私としては毎年、こちらの方が参考になる。いずれ報告しようと思う。

 参考までに都道府県別結果である。
 教科ごとの順位をから、平均順位を求め、高い順に並べたものだ。
 (画像が荒くて見にくいと思うが、だいたいでいいだろう)
 平成28年度全国学力テスト・中学生・都道府県別順位

全国学力テスト、都道府県順位(中学生)を作成

 昨日の続きである。
 平成27年度全国学力・学習状況調査の都道府県別順位を(中学生)を作成してみた。

 例年どおり福井・秋田・石川などが上位に並んでいる。
 学力テストの結果を高校入試の内申資料に用いることになった大阪府の順位が上がっている。

平成27年度全国学力テスト都道府県順位

大阪の学力向上、まずは知事から

 大阪府の松井一郎知事は語彙力がないね。表現力以前に知識の欠如かな。
 「僕らは(国の)ペットじゃない」発言のことだ。

 大阪府教委は全国学力テストの結果を高校入試の内申点評価に利用する方針を決めているが、この方針に対し、下村博文文部科学大臣は記者会見で「テスト本来の趣旨を逸脱する恐れがある」と述べた。

 松井知事の発言はこれを受けてのものだ。
 「(文科省の方針に)従う義務はない。今まで『国と地方が対等』『中央集権から地方分権』と言ってきたことに逆行する」とも言っているから、ここに本来の主張があるらしい。

 で、何でここにペットが出てくるのか?
 飼い主はペットに金かけてるぞ。みんな家族同様とか言って愛情注いでるぞ。ペット結構じゃないか。
 私は最初、パペットの間違えじゃないかと思ったよ。でも、どの新聞にもペットと書いてあるから、そう言ったんだろうね。ちなみに、中学生のために教えておくけど、パペットは操り人形のことだ。

 「俺たちは国の操り人形じゃない」。
 これだと、前後の発言と辻褄が合うね。もしかしたら、側近から「パペットじゃない」と言えとアドバイスされたけど、その単語知らないからペットと思い込んじゃったのかもしれないね。
 だとすると、大阪府の学力向上は、まず知事から始めてもらったほうがいいかもしれない。

 大阪府が全国学力テストの結果を内申点評価に利用する件については、4月22日付けの本ブログに書いている。
 4月22日のブログへ

大阪府は入試を利用して全国学力テストの成績を上げようとしている

 大阪府が全国学力テストの結果を高校入試の内申点に反映させるということだ。

 まずこれは、中学校での成績評価(要するに通信簿のつけ方)が相対評価から絶対評価に変わるということから考え始めなければならない。

 本ブログ読者は教育関係者が多いと思われるので、今さらの説明となるが、相対評価は「5」は何人(%)、「4」は何人(%)と、その評定をつける割合を定める方式である。絶対評価にその定めはなく、目標に達していると判断すれば「5」を何人につけてもかまわない。極端に言えば、クラス全員が「5」でもいいわけである。

 自身の経験も踏まえて言えば、先生は生徒に対して、できるだけ良い成績をつけてあげたいものである。(高校は昔から絶対評価である)
 それは決して成績を甘くつけて「生徒受け」を狙っているというのではなく、良い成績をつけてあげたほうが、それを励みに、さらに勉強するようになる生徒が多いことを知っているからである。

 このように絶対評価には利点もあるのだが、欠点もある。特に、これが入試に利用されるということになると、その欠点が増幅される。

 いわゆる内申点が、入試において一定の重みを持つとすれば、生徒の合格を後押しするために中学校の先生は、今までよりも良い成績をつけることになるだろう。簡単に言えば、甘くなるのである。
 埼玉県においても、10年前から中学校の評価が相対評価から絶対評価に変わったのだが、以後、高校側から、成績のつけ方が甘い、中学校ごとにつけ方にばらつきがあり、これを同列に扱うと適正な合否判断ができないといった声が聞かれるようになった。
こ うした事情もあって、埼玉県では、次第に内申点より学力検査の重きを置いた選考方法に移行するのである。

 絶対評価は、単に生徒の成績をつけるというだけなら、特に問題のない方法なのだが、これが入試に用いられることになると、中学校間の格差や、つけ方のばらつきを、どう調整し、公平化を図るかという問題に直面する。

 そこで、大阪府が考えたのが、全国学力テストの結果を利用して、中学校間の格差や、つけ方のばらつきを補正しようという方法だ。

 結論から言えば、好ましくない。全国学力テストの活用の仕方として間違っていると思う。

 どうしても内申点の補正にこだわるなら、5教科の全府統一試験のようなものを実施したらいい。
 相対評価のままでもいい。
 学力検査中心で、調査書(内申書)は、部活や生徒会活動など生徒の特徴を把握するための資料としてのみ扱うという方法もある。

 どうも大阪府は、全国学力テストの成績を上げるということに、こだわり過ぎているように思える。
 たしかに、毎年、最下位付近をうろついているわけだから、気持ちは分からないでもない。東京と並んで「都」になろうと言っているのに、この成績はなんだという話である。

 新聞・テレビでは、全国学力テストを入試に利用するといった形で報道されているが、それは逆で、入試を利用して全国学力テストの成績を上げようとしているというのが本当のところだろう。
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梅野弘之

Author:梅野弘之
受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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