中学生に伝えることの難しさ

 今日は戸田市立戸田中学校での講演。
 30分という短いような長いような微妙な時間枠の中で、夏休みの学習から学校選択問題さらには最新情報まで話してほしいというオーダーなので、私としては非常に難易度の高い講演だった。

 この中で、公立入試に関する情報(県からの公式情報)は、すべて出そろっているという話をした。
 1 入試日程(28年5月発表済み)
 2 学力検査の出題方針
 3 学校選択問題実施校
 4 入試募集人員
 5 選抜実施要領・要項
 6 各校の選抜基準
 7 29年度学力検査の分析
 昨年までだと募集人員が10月にならないと発表されなかったが、今年はこれも発表済みだから、あとは2回実施される志望校調査の結果を注意するぐらいだろう。
 公立入試は意外とシンプルなのだ。

 むしろ分かりにくいのは私立の方だ。
 試験日程のことや、コースごとの成績基準の違いのことや、単願・併願の仕組みの違いのことなど、各校異なるので情報収集と理解に苦労する。
 だから受験生や保護者がよく分からないと言っているのは、どちらかと言うと私立入試の方だろう。公立は一度理解すれば、あとはどこでも同じだ。

 受験生や保護者は、分かりづらいことは嫌いだ。私も嫌いだ。
 私立が受験生や保護者に細かく配慮して、いろいろな制度を工夫していることはよく知っている。しかし、もしかしたら、その親切が仇になって志望者を減らしているかもしれない。
 テレビで「細かすぎて伝わらない~」という番組があったが、私立募集担当の先生方は、そのあたりをもう一度、考えられたらいいと思う。

 それと、中学生にものを伝えるのは、何といっても中学校の先生や塾の先生がその道のプロだ。そういう方々に正確に理解してもらうことが、結果として中学生の正しい理解につながるのだろう。

 今日も、中学生にものを伝えることの難しさを痛感した一日だった。

夏休みは「引き分け狙い」で十分という話

 白岡中学校で保護者対象の進路講演会。
 その内容を一部紹介。

 すでにいろいろなところで書いたり話しているが、私は「夏休みはピンチ」であると考えている。もちろん、やり方次第でチャンスにもなるが、負の側面も知っておいたほうがいい。

 第一に暑さ。
 勉強に最適なシーズンであるはずがなく、むしろ最悪なシーズンである。
 
 第二に学校(授業)がないこと。
 学校(授業)は強制的に勉強させる装置であるが、夏休みはその装置が稼働しない。
自主的に勉強できるタイプの子にはいいかもしれないが、それができない子は、かえって勉強時間を減らすことになる。

 毎日学校で4時間勉強しているとすれば、その分を家庭学習で代替しなければならない。それができて初めて、学校がある時と同じになる。そのことを私は「引き分け」と言っている。どうしても勝ちに行きたい人は、それに2~3時間を加える必要があるが、夏休みは「引き分け」狙いでいいのではないか。そんな話をした。

 過去問をやる意味は3つある
 1 力を試す
 2 自分の弱点を知る
 3 問題の傾向を知る

 1と2は似たようなことだが、模試を受ければ分かることだ。だが3は模試では分からない。
 過去問を研究すれば、何が出題されるかが予想できるから、そこを重点的に学習すればいい。

 できないと自信をなくすから、早くからやらない方がいいという意見もある。
 だが私は、だったら教科書を見たり、解答解説を見てもいいではないかと考える。ものごと何でもそうだが、最初に正しいやり方を覚えたほうがいいのである。お稽古事だって師匠を真似るのがスタートだ。自己流なんてものは、もっと後になってからだ。
 だから、答えを見ながらでもいいから、今日から過去問の研究を始めよう。

 というような話を約2時間。
 昨日のブログに書いた、資料の説明会にならないよう心がけたが、どうだったか。

講演会ではなく資料説明会だ

 お取引先との関係で講演会を聞きに行った。
 経営セミナーみたいなものだ。
 私は、今週、来週と公立中学校での講演を控えており、普段は話をする側なのだが、たまには聞く側に回るのもいいだろう。

 つまんない。
 だが、これは私の知識レベルが低く過ぎた可能性がある。聞いても分からないことはつまらない。

 下手。
 周りに居眠りこいているやつが大勢いた。
 しかし、こういう時、私はすぐに目標を切り替える。年をとってから身につけた技だ。若いころだったら、途中で帰ろうと思っただろう。
 どこが下手なのか。どうすればいいのか。そこを観察し考える。

 話し手はスライドにこだわり過ぎている。スライドの説明になっている。目線は終始自分の手元とスライドに向かっているから、聞き手と目が合わない。
 聞き手の方も、スライドの内容がプリントされた配布資料を見るから下ばかりを見て、話し手を見ない。
 お互い目線が合わないから、心が通じない。
 それで話の内容が企業のコミュニケーションなのだから、ちょっとしたジョークだ。

 わざわざ、話し手と聞き手が同じ空間、同じ時間を共有しているのだから、目線を合わせ、息を合わせないとね。そうじゃないならネットで十分だ。

 さて、会社に戻ってきた私は、明日の講演スライドをバシバシ削った。多過ぎるスライド、細かすぎるスライドは、講演会ではなく、資料説明会になってしまう。

 今日は勉強になった。行って良かった。

今日行われた入試フォーラムでの10分間ミニ講演

 NPO法人埼玉教育ネットが主催する「入試フォーラム」に出席。
 今日は、岩佐教育研究所の岩佐桂一氏と、元城西川越高校で現在は日本私学教育研究所の相田暢正先生のお話を聞いた。

 私は、主催者から「時間が余ったらお願いね」と言われていたので、10分程度の内容を用意して臨んだ。
 話の要点を簡単にまとめると次のとおり。

1 教育の無償化
 時間をかけながらも、教育は無償化の方向に進んで行くだろう。増税の口実にしたり、憲法改正の突破口にしようという狙いも透けて見えるが、経済合理性の観点からも無償化は是とするべきだろう。つまり、税金の使い方として、どちらが納税者にとって利益が大きいかということである。
 公立学校を作り公務員を雇って教育するか、私立学校に何らかの形で税金を投入して教育するか。私は、経済合理性の観点から後者を支持する。

2 私立の公立化を懸念
 補助金漬けになった業界は必ず衰退する。私立に税金が投入され経営は楽になるかもしれないが、学費格差がなくなり私立の公立化が進むと、私立の衰退を招くかもしれない。競争原理の担保が必要である。

3 社会インフラとしての民間教育の活用
 「中学校VS塾」の発想は時代遅れである。塾や予備校など民間教育が産業として成熟してきた今日、むしろ社会インフラの一つとして積極的に活用すべきだろう。部活は民間委託、受験指導や進学補習も民間委託。
 塾や予備校の活用は、中学校の先生の過剰労働解消にもつながる。塾や予備校の先生方には今後ますます社会的責任を自覚していただきたい。

4 新市場の開拓が迫られる私立中学校
 定員割れ校が続出している現状を憂慮している。既存のパイの奪い合いから新市場の拡大へ。これは喫緊の課題である。主たる原因は、経済状況(景気)ではなくPR不足にある。存在を知ってもらうことが先決。そのためのメディア戦略等で微力ながらお手伝いしたいと考えている。
 
 だいたい、こんなところ。
 聞いている方々がプロなので、少し堅めの話であった。

私がタダで講演をしない理由

 今日の午前中は講演会、と言うより勉強会かな。そこで、1時間ほど話をした。
 集まったのは、主に個人塾の塾長先生。

 冒頭、「私はタダの講演はやらない」という話をした。
 こうやって文字にすると、ずいぶん不遜な言い方だな。テメエ、何を思い上がってるんだ。
 しかし、これは私なりの責任の取り方だ。

 たとえば、知り合いから食事に招かれた。その時、出された料理がまずかった。さてそのとき、「こんなもん、まずくて食えるか」と言えるか。
 一方、レストランに食事に行った。まずかった。すると、そのときは、正々堂々、「こんなもんに金が払えるか」と言っていい。

 なぜそうなるかと言うと、知り合いはプロではなく、金をとって料理を提供しているわけではないが、レストランはプロとして金をとって料理を提供しているという違いがあるからだ。

 不肖私はプロである。プロであるから金をとって話をする。金をとっている以上、聞き手が満足するような話をしなければならない。
 聞き手のほうも、金を払っている以上、それに見合う話を聞く権利がある。つまらなければ、つまらないと言ってもいいし、面と向かって言えなければ、二度と聞きに来ないという選択をしてもいい。

 私は、そういう緊張感を好む。
 別に1回や2回、無料で話をしたっていい。そんなに有名人でもないわけだし。
 そうしたほうが、タダで話をしてくれる「いい人」と思ってもらえるかもしれない。つまらん話をしても、聞き手は大目にみてくれるかもしれない。

 ただ私は、そういう考え方はズルいと考えるのである。卑怯とさえ思う。金をとらないということで、聞き手の不満を封じ込めているからである。

 というわけで、金額自体はそれほど問題ではないが、これから先も「タダじゃあ、やらんぞ」を貫こうと思っている。

 そういうやつは気に入らんというなら、呼ばなければいいし、聞きに来なければいい。しかし、そんな人々が増えると、私の商売が成り立たなくなるから、そうならないように努力する。すると、そこに自身の成長というものが生まれてくる。
 まあ、この年齢で成長というのもおかしなものだが。