大谷翔平選手。13日の対ツインズ戦で6回3安打11奪三振の好投。
移籍後最多の103球を投げた。
試合後のインタビューで。
記者「日本では1試合に最高何球投げたのか?」
大谷選手「携帯で調べればすぐに出ることなので、ぜひ調べていただきたい」(笑)
記者「本人目の前にいるのだから、直接教えてくれてもいいだろう」
大谷選手「正確には分からない。嘘は教えたくないので…」
大谷選手の勝ち。
質問した「フォーブス」誌のバリー・ブルーム記者と大谷選手に代わり、調べてあげた。
2014年8月17日 対西武戦 7回149球
2015年9月19日 対西武戦 9回139球
2016年5月1日 対ロッテ戦 9回138球
以上多い順に3試合。なるほど調べりゃ分かるものだ。
大谷選手、何の悪気もなく、計算もなく、正直に思ったことを口にしたのだと思うが、マスコミや記者に対する痛烈な皮肉というか批判になっている。
大谷選手はプロの習性として、どの試合のどんな場面で、どんなバッターにどんな投球をしたかは、詳細に記憶していることだろう。だが、日付までは覚えていない。その試合で全部で何球投げたかなど関心の外であろう。そんなことを覚えていたって何の役にも立たない。
つまり。
調べりゃわかること質問すんなよ。
または、つまんない質問すんなよ。
そういうことだ。
私も人にインタビュー(取材)する立場だから、このことは肝に銘じなければならない。
取材する者の心得として、というか礼儀として、一応ホームページなどはしっかり読み込んで臨むわけだが、それでも調べりゃ簡単に分かることを質問してしまうことがある。また、さして重要ではないことを質問してしまうこともある。相手はさぞ不愉快な思いをしているだろう。注意しよう。
最近のわが国のマスコミは、自分で調べりゃ分かることをわざわざ質問するが、これは、調べる手間を省いているというより、「覚えていない」とか「記憶にない」という言質をとったり、発言と事実との矛盾を突いたりしようという魂胆が見える。下劣だ。
イチローは引退したのか、していないのか。
どうもはっきりしないわけだが、スポーツ選手の引退の形や定義は競技ごとに異なっているし、一般社会におけるそれも、形はさまざまである。
イチローはちょっと変人(並みの人間じゃないという意味で)なので、永遠に引退という形を取らない新しいスタイルを模索しているのかもしれない。
野球選手が引退する際に、「ユニフォームを脱ぐ」とか「バットを置く」、「マウンドを去る」といった表現が用いられる。
サッカーの場合なら、「ピッチを去る」、「スパイクを脱ぐ」。
ユニフォームを着用する競技では、このように「脱ぐ」が一般的だが、相撲の場合は、「まわしをはずす」とみっともないので、「土俵を去る」または「まげをおとす(切る)」である。水泳選手が「水から上がる」のはいいが、「水着を脱ぐ」のは危険だ。
先生の場合は、通常定年制が敷かれているので、本人の意志に関わらず自動的に「教壇を去る」ことになるが、近年は再雇用(再任用)の制度が確立してきたので、65歳、ことによったら70歳過ぎても現役を続けられそうだ。
もうこれ以上働きたくないとか、別の仕事をしたいという人は、それぞれの道を歩めばよろしい。
一方、引退せず生涯現役を貫こうと考える方もいるだろう。人生100年時代と言われているから、引退しない生き方があってもいい。
そう考えると、「今年はもう試合に出ません。でも、来年は分かりません。試合に出なくても選手なので練習は続けます」というイチローのやり方は、今までの常識では理解できないけれど、何か新しい時代の生き方を暗示しているようでもある。
マスコミやファンは、イチローが記者会見を開いて「本日をもって現役を引退します」とか、「日本球界に復帰します」みたいなイメージしか持っていなかったと思う。私もだ。
それをものの見事に裏切ってくれたイチローは、やはり常人ではない。これからも大いに楽しませてもらおう。
プロ野球にほとんど関心がなくなった私だが、さすがに巨人の13連敗は気になる。
高橋由伸監督のシーズン途中での解任はあるのだろうか。
サッカーだったらとっくに解任という声もある。
たしかにサッカーは、負けが込むとすぐに監督が解任される。
が、それにしても、なぜサッカーの監督はいとも簡単に解任されるのだろうかと、いろいろ考えてみた結果、私なりの答えにたどりついた。
試合数の違いである。
サッカーJ1の年間試合数は34試合。対して、プロ野球(NPB)の年間試合数は143試合。プロ野球の試合数は、サッカーの4.2倍だ。
つまり、サッカーの1試合は、プロ野球の4~5試合に相当するから、仮に10試合目ぐらいで解任されたとしても、極端に早いということにはならないのである。
今シーズン、大宮アルディージャの監督が開幕から13戦(2勝1分け10敗)で解任された。13戦と言えば、全日程の38%を消化した時点ということになる。
巨人は昨日現在56戦で、全日程の39%を消化している。
うーん、サッカー的に考えると解任もありかな。
で、以上はどうでもいい話であって、今日の本題は、このような泥沼の連敗からの脱出法である。
やることなすことうまく行かないという場面は、それほど頻繁に訪れるわけではないが、時々はやって来る。
いろいろ考えてみるが、結果はすべて裏目に出る。もがけばもがくほど深く沈んで行く。
さあ、困った。何か名案はないか。
誰かのアドバイスを聞く?
うん、それもありだが、こういう時には、かえって混乱に拍車をかけることになる。
私が編み出した方法。
などと言うと、なんか偉そうだが、これでスランプから抜け出せたという方法は、「時と場所を変えて考えてみる」というものだ。
いつもと同じ時間に、いつもと同じ場所で考えると、どんなに考えても、同じような答えしか出てこない。
そこで、たとえば、深夜に考えることは止め、朝早起きして考えてみたりする。家や会社ではなく、それ以外の場所で考えてみる。別に遠くに行かなくたっていい。
そうやっていつもと異なる環境の中で考えてみると、結構頭の中が整理される。どこに誤りがあったのかに気づくことができる。すると、「じゃあ、こうすればいいじゃないか」と名案も浮かんでくる。
まあ、いつでもこの方法で成功しているというわけではないが、困ったときにはこのやり方を試みるようにしている。
最近あまり興味を持ってプロ野球を見ていないのだが、セパ交流戦というのが行なわれていて、どうやらパ・リーグの方が圧倒的に強いようだ。
ここ10年の日本シリーズではパ・リーグが7勝3敗と勝ち越しているし、現在、米メジャーリーグで活躍しているのもイチロー(オリックス)、ダルビッシュ(日ハム)、田中(楽天)などパ・リーグ出身者が多いところを見ると、やはりパ・リーグのほうが実力的に上なのかもしれない。
パ・リーグではDH制という、ピッチャーは打席に立たない制度が採用されている。ピッチャーは投げる専門で、その代わりに打つ専門の選手が入る。
セ・リーグの場合は、この制度がないので、セ・リーグのピッチャーは、事実上8人のバッターを相手にすればいいということになる。ピッチャーはどうせ打てないし、打つ気もないからだ。
ところが、パ・リーグのピッチャーは、きっちり9人のバッターを相手にしなければならない。一番打てないピッチャー(日ハム大谷のような例外もいるが)に代わって、打つだけならまかせとけみたいな選手が入ってくるから、気を抜けないわけである。
このようにDH制という、ピッチャーにとって厳しい環境で投げているから、パ・リーグの方が優秀なピッチャーが育ちやすく、それがチーム力の向上につながっている。というような説もあるが、専門家ではない私にはよく分からない。
私が野球というものに興味を持ち始めた今から50年以上前、セ・パ両リーグの構成は次のようなものだった。
●セ・リーグ
巨人・阪神・中日・広島・大洋・国鉄
●パ・リーグ
西鉄・南海・近鉄・阪急・東映・大毎
セ・リーグのほうは、現在も4球団がそのまま残っているが、パ・リーグにはそのまま残っている球団がない。
パ・リーグの西鉄・南海・近鉄・阪急は、いずれも親会社が鉄道会社。東映は映画会社で、大毎も大映という映画会社。
その後、変遷があったが、これを今の球団にあてはめると、
西鉄ライオンズ → 埼玉西武ライオンズ
南海ホークス → 福岡ソフトバンクホークス
近鉄バファローズ・阪急ブレーブス → オリックスバファローズ
東映フライヤーズ → 日本ハムファイターズ
大毎オリオンズ → 千葉ロッテマリーンズ
(新規参入 東北楽天イーグルス)
ということで、私の注目点は、親会社の移り変わりだ。
パ・リーグのほうが、その時代、その時代で、時流に乗った会社、勢いのある会社が親会社についている。
一方のセ・リーグは、大洋ホエールズは横浜DeNAベイスターズとなり、国鉄スワローズはヤクルトスワローズとなったが、巨人(読売新聞)、中日(中日新聞)、阪神(阪神電鉄)、広島東洋カープと代わり映えがしない。
プロ野球という業界は、経営に多額な資金を要することもあり、なかなか新規参入ができない。しかし、経緯はともかく、結果としてパ・リーグのほうが新陳代謝が進んでいる。パ・リーグの実力アップや人気上昇は、こうした点と無関係ではないように思う。
追伸:今日、知り合いの先生から「最近は政治ネタが多いですね」と言われた。たしかに、そうだ。ただ、私は元高校の政治経済の先生だったから、どうしてもそうなる。指摘してくれた先生は、野球にも造詣の深い方でもあるので、今日は野球ネタでせまってみた。
●浦和学院の初優勝
浦和学院が選抜大会で全国優勝を果たした。まずは目出度い。
夏の大会で優勝がないのは、関東では埼玉県だけなので、浦和学院には春夏連覇の期待がかかる。が、いばらの道だ。選抜出場校の花咲徳栄を中心に県内各校は「打倒浦学」の包囲網を形成する。
浦和学院は、県内予選はもとより、全国でも、勝って当たり前のプレッシャーと戦わなければならない。出るだけの浦和学院では皆満足しない。大変なことになった。
●ダルビッシュ、完全試合逃す
ダルビッシュ投手が惜しくも完全試合を逃した。でも、これでいいんじゃないかな。日本で完全試合を成し遂げた投手を見ると、超一流選手は少ない。400勝の金田正一さんぐらいだろう。あとは槇原(巨人)とか外木場(広島)ぐらいしか思い浮かばない。大リーグのことは詳しくないが、ランディ・ジョンソンが40歳で達成したのが記憶に残るぐらいで、こちらも超一流は意外に達成していないのではないか。ダルビッシュ投手自身も「(完全試合だからといって)3勝や5勝になるわけじゃないし」と言っているし、「惜しい!」ぐらいがちょうどいい。
●長嶋茂雄元監督に国民栄誉賞
長嶋茂雄元巨人軍監督と松井秀喜元選手に国民栄誉賞が贈られるそうだ。私は選手・長嶋茂雄のファンだった。引退試合も後楽園球場(当時)に観に行った。なので、長嶋茂雄元監督への授賞に文句はないのだが、それにしても、なぜ、今このタイミングなの? と思わざるを得ない。
亡くなった元横綱・大鵬にあげっちゃったからね。そうなると、じゃあ長嶋はどうなのよ、ってなるよね。亡くなるのを待つっていうのも変だから、何か理由がないかなと思って探したら、松井秀喜の引退だ。ダブル授賞っていうけど、松井は長嶋茂雄元監督に授賞するための理由づけに使われたわけね。松井お気の毒。
そんな大選手じゃないことは松井自身が一番分かってるでしょう。でも、尊敬する長嶋茂雄元監督のためなんだから、「僕はいりません」って言えないよね。
大鵬も長嶋茂雄も、われらの時代のヒーローだ。当時はなかったけど、もしあったら、当然国民栄誉賞だよねって、それでいいのに。
さかのぼるんだったら、「東洋の魔女」はどうなんだ。「なでしこ」の比じゃないぞ。美空ひばりはもらったが、石原裕次郎はもらってないぞ。高橋尚子にはあげたのに、なんで野口みずきにはあげなかったんだ。吉田沙保里にあげるなら北島康介だろう。なんて、きりがない。
要するに、この賞は、贈る側(政府)の都合で決まるんだ。今までも言われてきたが、今回の一件で、さらに明白になったということだ。