外国選手の力を借りて日本人の強化を図る

 テレビを見ると、いや正確にはテレビの番組表を見ると、朝昼のワイドショーでは相撲協会の騒動ばかりやっている。見る人が多いからだろう。

 渦中の貴乃花親方は、かつて人気と実力を兼ね備えた大横綱であったが、2003年に引退しているから、今の若い人は現役時代の雄姿を知るまい。兄の若乃花と共に相撲人気を大いに盛り上げた功労者である。
 だがそれ以降、今年稀勢の里が横綱になるまで、武蔵丸・朝青龍・白鵬・日馬富士・鶴竜と外国出身横綱に土俵を席巻され、日本人力士は優勝すらできなかった。

 相撲界の失敗は、外国人力士の活躍に依存し、その間、日本人力士のスカウトと育成強化を怠ってきたことにある。外国人を自らスカウトしてきて、その人気と実力をあてにしてきたのは相撲界自身なのであるから、モンゴル人を悪役に仕立てるのはお門違いと言うべきだ。「オマエラ、それに乗っかって、いい思いしてきただろう」という話だ。

 今やどのスポーツ分野でも、外国人の指導者や選手を呼んで来て強化を図るのは当たり前になってきた。日本国内で、日本人同士、勝った負けたとやる時代は、とうの昔に終わっているのである。
 しかし、外国人の力で強化が成功し、人気が高まっている間に、日本人の指導者・選手の育成強化を図らないといけない。

 1990年前後だったと思うが、駅伝の山梨学院大学が外国人留学生の活躍で旋風を巻き起こした。高校では仙台育英が留学生の活躍で一躍強豪校となった。
 以後、高校・大学・実業団の各チームはケニアなどアフリカ勢の力を借りるのが普通のことになり、最近では、走る人数や走る区間を制限しているような状態だ。かれらが、あまりにも強すぎるからだ。それにしても、遠い異国から呼んでおいて「走っちゃダメ」みたいなのは、どうなんだろう。

 偶然かどうか、留学生ランナーが活躍し始めた1990年以降、日本のマラソン界は衰退の一途を辿っている。オリンピックのメダルは、2000年シドニーの高橋尚子、2004年のアテネの野口みずきの金メダル以来遠ざかっている。男子はもっとひどく、1992年バルセロナにおける森下広一の銀メダルが最後だ。
 留学生を呼ぶことが、日本人選手の強化につながってない。

 私は、たとえば箱根駅伝で留学生だけの混成チームが出て、そこがぶっちぎりで優勝したって「そんなんじゃ、つまらない」、とは思わない。世界で戦うには、それに勝たなきゃダメなんだから、日本人頑張れよと思うだけだ。

 せっかく外国から強い人や優秀な指導者を呼んだんだから、かれらの力を借りて、日本人の育成強化を図ろうよ。
 相撲界も、いい加減そこに気づけよ。

相撲界は旧いが、それがまたいいところなのだ

 日馬富士、暴力事件の責任をとって現役引退。
 日ごろ暴力を仕事にしている人たちなのにね。

 張り手も頭突きもけたぐりも土俵上だけで許されるもので、土俵外でそれをやってはいけないのは当たり前のことで、「とにかく、どんな理由があろうが暴力はいけない」などと、クソみたいなコメントを出している連中を見ると、張り手の一発も見舞ってやりたくなる。

 相撲界はどう考えても特殊な世界である。
 スポーツではあるが、伝統芸能みたいなところもある。古くからのしきたりがたくさんあって、現代社会の常識から見たら不思議なことがいっぱいある。

 もしも大相撲がサッカーや野球やゴルフみたいになったら、どうなるか。

 まず場所名に冠スポンサーをつけよう。「トヨタカップ名古屋場所」、「博多明太子ふくや九州場所」みたいに。
 会場にも企業名を入れよう。「永谷園両国国技館」ってところか。
 あと、部屋の名前にスポンサー企業名が入ってもいいかもしれない。「三菱UFJ高砂部屋」とか。

 化粧まわしには、今でも寄付者の名前が入っているようだが、取り組みのまわしにもスポンサーのステッカーをベタベタ貼っていいことにしよう。
 本当は、土俵上でサポーターなどをつけるのはいけないとされているが、これを認めて「バンテリン」とか「ボルタレン」とか「サロンパス」を堂々と貼っていいことにしよう。「今場所の稀勢の里はサポーターを『バンテリン』から『サロンパス』に変えて調子がいいみたいですね」なんて解説が入ったりする。

 このように今やどの競技でも当たり前になったシステムが導入されていないが、これが良くも悪くも相撲界なのである。

 相撲界を批判する人が、よく「諸外国では」とか「一般企業(一般社会)」というフレーズを用いるが、それと比較しちゃダメでしょう。土俵に塩を撒くのを「食べ物を粗末にしている」なんて言われてもね。

 相撲をオリンピック種目にでもしようというなら別だが、私は日本にしかない競技でいいと思っているから、無理やり世間の常識を当てはめることには反対だ。もちろん、法を犯してはいけない。しかし、そうでないならば、古くからのしきたりも含めて大相撲なのであるから、そこはむしろしっかり守ってほしい。

横綱になれるか埼玉栄出身・豪栄道

 埼玉栄高校出身の大関・豪栄道が九月場所で優勝した。まずは目出度い。
 横綱・白鵬不在の場所とはいえ、巡って来たチャンスをものにした根性は立派。同年齢の稀勢の里は何度も優勝のチャンスを逃しているんだから、それに比べれば大したものだ。

 豪栄道は関脇を14場所も務めて、ようやく大関に昇進した。関脇時代の平均勝ち星は9勝。大関昇進後、先場所まで12場所の平均勝ち星が四捨五入でようやく8勝。どうもあまり強そうな気がしない。今場所もカド番で、負け越せば関脇に陥落するところだった。

 来場所も優勝すると2場所連続優勝という横綱昇進条件を満たすのだが、どうだろう。もしかしたら最初で最後のチャンスかもしれない。
 というのは、豪栄道はすでに30歳で、これから横綱になるというより、横綱を引退する年齢なのだ。
 現在の横綱大関陣は、ほぼ同世代で、中学生にたとえていうと、中3に横綱・白鵬と日馬富士、中2に横綱・鶴竜、中1に大関・稀勢の里と豪栄道という関係なのだ。

 横綱と大関の違いは、大関は負け越せば関脇陥落で済むが、横綱が負け越したら即引退に追い込まれることだ。
 豪栄道にはここまで来たら横綱になってもらいたいが、なるのは大変、なってからはもっと大変だ。


 さすが地元紙・埼玉新聞。埼玉栄高校出身ということで1面トップでの扱い。(平成28年9月25日付) 
 豪栄道優勝

横綱とはいえ、まだ31歳だからな

 大相撲春場所千秋楽、結びの一番の取り口をめぐって、さまざまな意見が飛び交っている。
 横綱白鵬を非難する声も多い。

 たしかに、興行(見せ物)であるから、ただ結果が出ればいいというものではない。勝ち方も負け方も大事なことなのだ。
 互いに1本もシュートを打たない、守り合いだけのサッカーなんて見たくもない。勝負どころで敬遠のフォアボールばかりの野球も興ざめだ。やはり、鍛え上げられた力と力の勝負、磨かれた技術と技術の攻防を見たいのがファンである。

 そう考えれば、肩透かしを食わされたのは、日馬富士だけでないだろう。

 昨日の一番だけでなく、白鵬には荒っぽい相撲も目立つ。毎度張り手を繰り出し、肘打ち食らわし、さらには、土俵際で負けを認めて力を抜いた相手をぶん投げるなどは、横綱の所業とは思えない。

 と、いろいろあるのだが、考えてみれば、白鵬はまだ31歳だ。
 まあ、われわれから見ると、子どもみたいなものだ。
 その未熟な若者が、伝統ある大相撲の屋台骨を一人で支えているんだ。
 私は白鵬ファンではないが、そこは認めようと思う。

 大横綱大鵬も、北の湖も、千代の富士も、みんな若くして頂点に立ち、責任を負い続けてきた。
 そういう世界である。
 白鵬にも、もうひと踏ん張りしてもらおう。
 それと、稀勢の里、琴奨菊、豪栄道な。
 キミらがもっとしっかりしてくれないから、こういうことになるんだよ。

豊真将の引退相撲を見てきた

 元小結・豊真将(ほうましょう)。
 と言っても、相撲ファンじゃないと分からんだろうね。

 昨年の1月場所に引退し、今日は断髪式と年寄・立田川襲名披露が両国国技館で行われた。
 
 つい先日も書いたばかりだが、私はこれで結構相撲には詳しいのだ。
 豊真将は、大関・豪栄道や幕内の妙義龍、常幸龍らと並んで、埼玉栄高校相撲部の出身だ。
 生まれは山口県だが、埼玉の高校出身者ということで好きな力士の一人だった。
 何よりも土俵上の所作が美しい。
 若手の研修の場である相撲教習所では、豊真将の所作をお手本にしているという。

 怪我が多く、最高位は小結だったが、ファンが多く、今日も国技館は満員だった。
 年寄・立田川として相撲界に残り、後進の指導に当たることになるが、昔に比べると、横綱・白鵬を筆頭に、土俵上でのマナーが低下しているように思えるので、角界随一と称された礼儀と美しさ、それに強さを兼ね備えた豊真将二世を早く育ててもらいたいものだ。

 豊真将引退相撲001
 豊真将引退相撲002
 豊真将引退相撲003

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梅野弘之

Author:梅野弘之
受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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