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定員割れの学校にアドバイスしてきたこと

 定員割れしている学校の先生に言っておきます。
 「選ばれなかった理由をあれこれ詮索するより、選ばれた理由を探ったほうが早いです

 本日は某公立学校を訪問。
 2019年度入試では若干の定員割れ。
 さて、どうしたものかと尋ねられ、それに対する答えが冒頭の「選ばれなかった…」の一文。

 なぜ定員割れしたのだろう、なぜ選ばれなかったのだろう。
 原因を考えるのは態度として間違っているわけではない。今後改善すべき課題がそこにあるのだから。

 たとえば、駅から遠い。
 鉄道会社に頼んで新駅を作ってもらうか、レールを曲げてルート変更してもらうか。または、学校自体が駅前に移転するか。どっちにしても50年はかかりそうだ。
 これは極論としても、選ばれなかった理由の中には、このように時間とお金をかけないと解決できない問題が多く含まれている。
 学校の歴史に起因するもの。地域性に起因するものなど、いろいろある。構造的問題と言ってもよいかもしれない。

 選ばれた理由
 これは入学した生徒や保護者に聞けば分かる。
 この人たちは、「学校の現在」を評価してくれた
 「偏差値がちょうど良かったから」、「家から近かったから」、そんな話も出るだろうが、仔細に聞いて行けば、何を、どのように評価して、この学校を選んだかが見えて来る。

 選ばれた理由が見えてきたら、後は、それをもっと多くの人に伝える方法を考えればいい。まだ伝えきれていないのだ
 広報活動とは、そういうものなのだ。

 どこの学校も、さまざまな教育課題を抱えている。課題のない学校など存在しない。古い課題が解決しても、また新たな課題が生まれる。
 が、このことと広報活動上の課題を混同してはならない。
 
 定員割れと言ったって、100人が選んでくれたけど、あと10人、20人が足りなかったという話でしょう。だったらこれは、教育課題を解決するより、広報課題の解決を考えたほうが早いですよ。

学校説明会情報の更新状況を調べてみた

 埼玉県高校入試情報。

 今年の入試説明会(学校説明会)の予定を各校ホームページで確認してみよう。
 新年度に入って2週間、学校が始まって1週間、今年度の新情報に更新されているはずだ。

 調べるのは私立(県内)だが、念のため公立を見てみるか。どうせ去年のデータに決まってるけど…
 まず県立浦和。おっ、早くも新情報が出ているではないか。たった2回の説明会だけど。次に浦和一女。おう、ここも新情報。
 意外!と言っては失礼だが、公立のくせに仕事早いな

 じゃあ、私立を見てみるか。
 7割は行ってて欲しいが、新情報に更新されているのは5割程度と予想。

●調査結果(今年度の説明会情報が掲載されている学校:五十音順)
 大妻嵐山・開智・開智未来・埼玉栄・栄東・秀明・昌平・城北埼玉・聖望学園・独協埼玉・東邦音大東邦・花咲徳栄・武蔵野音大付・立教新座・早大本庄(以上15校)

 少ないな。
 去年のままの学校が31校ある。ちょっとガッカリ。
 まだ決まってない?
 それはないでしょう。年間行事予定は、前年度のうちに決まっているはずだ。あとはホームページを更新するだけ。ついでに「平成」は「令和」に書き換えましょう。

 年度末・年度初めが忙しいのは分かるけど、見る人(お客様)はそんなふうには思いませんよ。
 「何だよ、古いデータじゃないか」
 こういう積み重ねが学校イメージを落として行くんですよ。
 本ブログをお読みになった学校関係者の皆さん。大至急更新してください。お願いします。

「うちは進学実績ないから」なんて言ってる募集担当は即刻クビだ

 「うちは進学実績が出ていないから生徒が集まらない」。
 なんてことを言っている募集担当者は即刻クビだ。

 もし校長先生がこのブログをお読みだとしたら、悪いことは言わない。早いとこ部署からはずしたほうがいい。公立ならともかく、私立の、しかも募集担当に、こうした腐った脳の持ち主を置いておくと、学校が危なくなる。

 うちは進学実績が出ていない。
 なるほど、進路部や担任や教科がダメだって言ってるわけだな。
 本当にそうか。
 お前が、素質のある生徒を集めてやらなかったからじゃないの?
 少なくとも向こうはそう思ってるぞ。

 商品さえ良ければ売れるっていうなら営業マンは要らない。
 それと同じで、進学実績があれば自動的に生徒が集まるっていうなら、募集担当は要らないんだよ。自分の発言が自分の存在を否定してるってことに、いい加減気づけよ。

 「うちは立地が悪い、アクセスが悪い」
 これも同じだ。
 お前は不動産屋か。

 ずいぶん前に、このブログに書いた。
 「優秀な営業マンは、端っこのかけた茶碗でも、柄のとれた鍋でも売って来るぞ」
 「売れない理由を商品のせいにするんじゃない」

 どんな手を使ってでも、やる気があって、伸びそうな生徒を集めて来い。進学実績がどうのこうの言うなら、そこまでやってからだ。

 今は実績を売りにしている学校だって、最初はゼロから始まってるわけだろう。
 「うちは進学実績が出ていないから…」と言ってる人は、そういう他校の事例をどう説明するんだろうね。一度聞いてみたいものだ。

 進学実績の出ていない学校が、どうやって、やる気があって、伸びそうな生徒を集めたらいいか。
 決まってるでしょう。
 あなたの「やる気」を示すことですよ。
 自分の「やる気」を伝えられなけりゃ、「やる気」のある生徒は寄って来ませんよ。

私立入試の問題を何とかしなければならない問題

 埼玉県内私立高校入試の問題は、「記号選択式+マークシート方式」が主流である。
 一部の学校、コースでは記述・論述も取り入れているが、その数は少ない。

 センター試験に代わる新しい大学入試制度では、従来のオール・マークシート式をやめ、記述を取り入れた問題も出題されることになっているが、「その対策は万全」と言っている私立高校が、当の入試では相変わらずのマークシート一辺倒というのは、どうも矛盾しているように思えてならないが、ここにはさまざまな経緯や事情があり、簡単には変えられない。

 埼玉県内私立高校は、公立比べ、1校あたりの募集人員が多い。県下最大の浦和学院は800人募集である。他にも500人を超える学校が8校ほどある。
 現行の入試システムだと、47校しかない私立に、県内の中学生のほとんどが出願する(単願受験者+公立を第一希望とする併願受験者)。よって、1校当たりの受験者数が多くなる。入試日を複数日設けていることも総受験者数増大の一因だ。

 この大量の受験者に対して試験を実施し、かつ2~3日という短期間で結果(合否)を出さなくてはならないとしたら、採点に時間のかかる記述・論述を出題している余裕はない。機械で採点できるマークシートが採用されるのもやむを得ないところだ。

 もう一つ。
 埼玉の私立入試では、事実上の合否が、本番試験前に決まっていることが多い。
 世に言う「確約」であるが、実際にそのような言葉が使われているわけではない。ただし、事前の個別相談において、高校側は合格の可能性がないと思われる受験生に対しては、受験を勧めていないのが現実である。
 よって、単願であれ併願であれ、出願し受験してきた生徒は原則全員合格させるというのが学校側の基本的な姿勢だ(例外もあるが、話がどんどん複雑化するので、ここでは深く立ち入ることはしない)。

 このような入試のあり方を、私は「入試という名のセレモニー」と呼んできた。
 原則全員合格、ないしはそれに限りなく近い試験に、採点コスト(時間と費用)のかかる記述・論述はふさわしくない。できるだけ簡便な方式が好ましい。

 では、事実上の合否は、いつ、どのような方法で決められているかというと、言うまでもなく民間テスト会社が実施する模試の結果(偏差値)である。

 つまり、今のところ、私立高校側には、記述・論述を導入すべき積極的な理由がないということである。

 だが、事態は少しずつ変わりつつある。

 私は、現行の入試システムを「昭和・平成モデル」と呼んでいるのだが、これは、多くの受験生(とりわけ学力上位層)が、公立を第一希望とし、私立を「押さえ=滑り止め」と考えていた時代のものである。
 私立の大学進学実績が急上昇し、部活動でも実績を残し、さらに学費格差が急激に縮まった今、私立を第一希望とする受験生は確実に増えている。今後も増え続けるだろう。

 そうなった時、民間模試に事実上「丸投げ状態」だったシステムが正常に機能するかどうかである。
 今すぐにではないが、近い将来、私立側も「本気で選ぶ入試」を実施せざるを得なくなるのではないか。
 それに、誰が作ったか分からない問題による試験結果(偏差値)で事実上の合否を決めるような「ゆるーい入試」を行っていたのでは、学校のステイタスやブランド力も高まらない。
 私立高校にはぜひ、新時代モデルへの移行をお考えいただきたいのである。

「公立も頑張っています」という声にお答えして

 公立高校だって、やることはやってるんだけどね。

 1月12日付「公立希望者70%割れ~」に、読者様からいくつかコメントが入っていて、その中に、「公立も昔に比べれば、進路指導も学習指導も手厚くなっており、本人さえやる気があれば難関大学に行ける。ただ公立はアピールが上手くない」という内容のコメントがあった。
 ほぼ同感ですね。

 私は、昔の公立高校教員だったわけだが、大学や予備校の先生を招いての講演会も、大学訪問(見学)も、学習合宿も、進学模試も、進路オリエンテーションも、もちろん進学補講も、みんなやってましたよ。
 むしろ、当時(30年前)は県内私立の方が、そういうことをやっていなかった。

 で、当時に比べて現在の公立の指導は、たしかに進化している。
 それは間違いないところだが、私立の方が、その上を行っているということでしょう。

 「公立は個人的、私立は組織的」 
 先生一人ひとりの能力や経験において公私間に差があるわけではないが、組織的な取り組みという点では、私立の方が上を行っている。
 というのが、私の見立てだ。

 たとえば、進学補講ひとつをとってみても、私立だったら、学校全体、学年全体、教科全体で計画的に取り組むところを、公立だと「やってくれる先生は手を挙げて」みたいな形になっていることが多い。これは私の時代からそうだった。
 だから、公立にだって「受験の匠」「受験の神様」みたいな先生はいるわけだが、その先生が他校に異動したら終わりだ。数学科はやる気十分だが英語科がいま一つといった教科間の温度差などもある。
 組織的な取り組みができるかどうかが公立の課題だろう。

 公立はアピールが上手くない。

 ご指摘の通りなのだが、手法の巧拙よりも、生徒募集や入試というものをどう位置付けるかという点が大いに関係しているのではないか。
 私立では、募集広報を担当する独立した部署があるのが普通で、スタッフも揃っているし、トップ(校長)と直結した重要ポジションだ。
 公立にも、募集(広報)委員会といった組織はあるにはあるが、順番にやっているだけなので、エキスパートが育たない。つまり素人集団であるから、アピールが上手いはずがないのである。
 私は、公立も生徒募集にはもっと力を入れるべきだという考えで、その点については、音声動画も公開しているので、まだの方はぜひご視聴いただきたい。

 音声動画「公立こそ定員割れが許されない」
 
 現在の私は、私立との関りの方が圧倒的に強いのだが、私を育ててくれた公立への恩義と愛着というものがある。また、公私を問わず、学校と先生を応援しようというのが今の立場である。
プロフィール

梅野弘之

Author:梅野弘之
受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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