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「いじめを許さない」。それ誰に言ってるんだ

 数日前、子どもがいじめに遭っているという保護者から相談を受けた。
 中3女子。体調を崩し、入院を余儀なくされるほど精神的にダメージを受けているようだ。

 いじめの問題の専門家でもない私への相談は、それによって学校を休むと入試で不利になるかというものだったが、これは全く心配ない。公立だって私立だって、そんな理由で落とすわけがない。大丈夫だ。

 私は元高校教員なのだが、いじめ問題で悩まされたことはなかったな。まあ、高校生だし、勉強のできる学校だったせいもある。  不登校(当時はたしか登校拒否と言っていた)はいくらかいたが、担任したクラスの生徒は、なぜか遅刻もせず毎日学校にやってくる連中ばかりだった。「休んだらただじゃおかねえ」と日々嚇していたからかもしれない。

 いじめをなくすには、大人社会から変えなきゃダメだというのは、ここで何度も言ってきたが、世の中変えるには時間がかかる。その間にも、多くの小中高生が犠牲になり、最悪の場合、自殺までしてしまうわけだから、悠長なことを言っている場合ではない。ここはやはり、学校の先生に頑張ってもらうほかはない。

 いま私が教員だとして、いじめに直面したら、いじめられた子を守るより、いじめた側をボコボコにしてるだろうな。年を取って体力が低下しているから、ちょっと自信がないが、「ぶっ殺してやる」ぐらい言うだろう。で、暴言と体罰で懲戒免職だ。その上、民事で損害賠償請求されるか、下手したら刑事罰を科せられるだろう。もちろん、世間からも叩かれるぞ。テレビのコメンテーターがしたり顔で、「こういう体質がいじめを助長するんですよね」とか言うんだ。

 バカ言え。今すぐ止めさせないと、いじめられた子は死んじゃうかもしれないんだぞ。

 カウンセラーいくら雇ったって、結局、いじめられた後のケアだからな。守りだけじゃ後手に回るんだよ。
 ポスターにも書いてあるじゃないか、「いじめは絶対に許さない」って。それって、いじめてる側に向かって言ってるんじゃないの。
 別に暴力を肯定してるわけじゃない。ただ、「いいかおまえら、弱いものいじめは絶対に許さんぞ。もし見かけたらただじゃおかねえ。ぶっ殺してやる」。と、言葉に出してはいけないが、そういう態度をとることぐらい許容したっていいんじゃないか。

 先生方はいじめに限らず、さまざまな問題に真剣に取り組んでいるんだが、今の教育界は、その解決に挑もうとすると、後ろから弾が飛んでくるような状態だからな。お気の毒だ。
 せめて私は、先生を応援するぞと思っているが、あまりにも力がない。

 いじめは絶対に許しません

夏休み明けは、ちょっとした試練

 夏休み明け、クラス全員が以前と変わらぬ表情で顔をそろえたときの安堵感。
 私は担任として幾度となくこの感覚を味わったが、同様の経験を持つ先生は多いだろう。
 児童・生徒にとって、夏休み明けというのは、ちょっとした試練なのである。

 その夏休み明けの2学期。またしても不幸な事件が起こった。
 青森県における中学2年生の鉄道自殺と思われる事件。
 同県では、1週間前にも中1首吊り自殺事件があったばかりだ。

 ところで、この中2の事件。
 台風10号のニュースに押されて報道が少なく、詳しい内容が分からないのだが、これは、いわゆる「いじめ自殺事件」なのか。そう断定していいのか。

 ネットのニュースをいろいろ当たってみたが、調べた限りでは、警察からも、教育委員会からも、学校からも何も発表されておらず、家族が公表したというラインに残された遺書だけが取り上げられ、それで「青森中2いじめ自殺事件」となっているようだが、いかんせん情報が少ない。

 遺書だと言われている文章を読んだとき、私は一瞬、大人が代筆した中学生風の文章かと思ったが、いろんな文章を書く中学生がいるから、これはまあ考え過ぎだろう。
 それにしても、調査がまったく進まないうちに、家族が遺書をマスコミに公開し(マスコミがそれを強く迫ったにかもしれないが)、それによって、「いじめ自殺事件」という形が出来上がってしまうことには、やや違和感を覚える。遺書があったとしても、実は別の原因があったという可能性も、今の段階では否定できないからだ。
 もしかしたら、いじめはなかったという立場を取りたがる学校側への牽制の意味合いがあるのだろうか。それだったら分かる気もする。

 すでに始まっている学校もあるが、明後日から2学期という学校が多いだろう。不幸な事件がこれ以上起きないことを祈るのみである。

中2自殺、ストーリーの完成が早すぎる

 岩手で起きた中2生自殺問題である。

 まず、7月6日。地元紙である岩手日報(WEB版)はこのように伝えた。
「5日午後7時40分ごろ、矢巾町又兵エ新田のJR東北線矢幅駅で、男子中学生がホームから転落し、到着した盛岡発一ノ関行きの上り普通列車(4両編成)にはねられた。中学生は約40分後に列車の下から運び出されたが死亡が確認された。紫波署は中学生の身元の確認を急ぐとともに原因を調べている」

 この時点では、事件なのか事故なのか、まだ分からない。身元も未確認。ということで、全国的なニュースにはなっていない。

 次に翌7月7日。少し長いが同じく岩手日報記事を引用する。
「矢巾町又兵エ新田のJR東北線矢幅駅で5日夜、ホームから転落し列車にはねられて死亡したのは同町内の中学2年の男子生徒だったことが6日、学校などへの取材で分かった。男子生徒と担任教諭がやりとりする「生活記録ノート」には5月以降、他の生徒から悪口を言われたり暴力を受けたことや「死にたい」などの文言が記されていた。学校側は7日から全校生徒への聞き取り調査を進める。
 学校は6日午後に全校集会を開き、事故の概要や男子生徒の家族が自殺とみていることなどを生徒に説明した。7日夜には同校で保護者説明会を開く。
 男子生徒の父親(40)は6日、岩手日報社などに生活記録ノートを示した。ノートには他の生徒から悪口や暴力を受けたことが記述され「そろそろ休みたい。氏(死)にたい」などの内容もあった」

 ここで朝日や読売など全国紙やTVなども一斉に取り上げることとなり、「中2いじめを苦に自殺」というストーリーが出来上がり、あとは担任が悪い、学校が悪いの大合唱だ。

 「いじめを苦に自殺」の根拠になったのは、父親がマスコミに提供した生活記録ノートだ。これがなければ、これほど急速に「いじめを苦に自殺」は広まらなかっただろう。

 今時、普通の中学生が自殺すれば、いじめはなかったのかと疑ってかかるのは当然で、新聞記者も、何かそれをうかがわせるものはなかったかと尋ね、その結果出てきたのが生活記録ノートということだろう。まさか、父親が聞かれもしないのに自らノートを持ち出すとは思えない。

 しかし、それにしてもストーリーの完成が早過ぎる。
 ここはあえて言うが、家庭内の問題もあったかもしれないではないか。
 たしかに担任や学校の対応に不適切な点はあったのだろう。だが、最終的に子どもの命を守ってやるのは親である。世界中を敵に回したって子どもの命は守る。それが親というものだ。

 親によるこの段階での生活記録ノート開示は、どういう経緯かは分からないが、結果としてはすべての責任は担任や学校にありという世論形成に手を貸している。

 この先、担任や学校は袋叩きにあうのだろう。いや、すでにそうなっている。
 だが、学校で起きたことは全部学校の責任、生徒の起こした事件は全部学校が悪いと言われても困るのだ。学校や先生はそこまで万能な存在じゃない。
 というようなことは、現役の先生たちには発言しにくいだろうから、経験者の一人として言っておく。
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梅野弘之

Author:梅野弘之
受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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