FC2ブログ

「置き勉」問題は、文科省に口出しされる前に解決すべきだ

 「置き勉」は「置き勉強道具」の略。
 この度、文部科学省が全国に「置き勉」を認めるよう通知を出すことになった模様。

 教科書が大判化し、カラーが増えたため厚手の加工紙を使うようになり、教える内容の増加に伴いページ数が増えたため、児童生徒が毎日持ち運ぶ教科書等の総重量は、昔にくらべ格段に重くなった。これが「置き勉」が問題化した大きな要因だ。

 しかし、なんで文部科学省はこういう細々したことまで口出しするのかね。そもそも「置き勉」是か非かなんてことが問題になるような状況に至ったのは自分らの施策の結果なんだから、そこを考えてよ。こんなんで子供たちのためにいいことやりましたなんてフリするのはやめて欲しい。

 教科書、資料集、辞書、ノートなどを1台のタブレットに入れてしまえば一挙解決なのだが、それには予算が必要となり実現には時間がかかる。
 となれば、家での勉強に必要な物以外は、学校に置いて行っていいことにしましょう、というのは合理的な考え方だ。

 これは文部科学省でもなく、教育委員会でもなく、各学校が実情に応じて決めりゃいい話でしょう。法律や規則があるわけじゃないんだから。

 で、とりあえず「昔はぁ~」とか「自分が小中学生の頃はぁ~」というのは止めましょうね。条件違い過ぎるから。
 それと大きな予算を伴う案も当面は無し。少子化時代とはいえ、全国の小中学生は1000万人以上いるわけだから、タブレット持たせろとか学校に鍵付きロッカー用意しろと言ったって急には無理でしょう。

 まず、登下校の安全性を考えたら、荷物は少なく軽いほうがいい。甘やかし過ぎだとか、ますます子供の体力が低下するなんていう人もいるが、登下校は体力を鍛える場じゃないから。
 体力のことは、体育の授業や部活や行事、あるいは家庭でそれぞれ考えるべき問題。

 家で勉強しなくなるという意見もあるが、道具を全部持って帰ったって、やらない子はやらない(と想像する)。
 こういうデータがある。
  平成30年度全国学力・学習状況調査
 「学校の授業時間以外に、普段(月~金)、1日あたり、どれくらい勉強しますか(学習塾、家庭教師含む)」
 
 20180903家庭での勉強時間
 「置き勉」を禁止しており、その理由が家庭で勉強しなくなるというものだとしたら、一定期間「置き勉」を認めて、どういう変化があるか検証してみたらいい。

 前述したように、家での予習復習や宿題に必要なもの以外は「置き勉」を認めるというのは割と現実的な案である。
 が、ここで問題になるのは、学校側の管理上の問題だ。
 公立の小中学校で個人用の鍵付きロッカーが用意されている例は稀だろう。専用の「置き勉部屋」を設けるか、机の中や教室の決めたスペースに保管するか。いずれにしても先生には子供の私物の管理という新たな仕事が加わる。教科書を隠されたとかいたずら書きされたとかは必ず起きると考えたほうがいいからだ。
 「置き勉」を求める保護者には、現状では学校側の管理に一定の限界があることを理解してもらおう。

 一番言いたいこと。
 文部科学省の役人が机の前で考えたことより、先生方が子供を目の前に考えたことのほうが、はるかに現実的名案なはずだから、こんなクソ通知を出される前に各学校がどんどん進めてください。

夏季休業、予定通りでいいんじゃないか

 文部科学省が都道府県教育委員会等に、夏休みの延長を検討するよう通知を出した。
 8月7日、林芳正文部科学大臣が明らかにしたものだが、記録的な猛暑や、愛知県豊田市で小1男児が学校行事中に死亡した事例などを受けたものであろう。

 公立学校の先生にとっては常識なのだが、ここで簡単に学校の休業日についてまとめておこう。
 学校教育法施行規則第29条 
 「公立の学校(大学を除く。)の学期及び夏季、冬季、学年末、農繁期等における休業日は、市町村又は都道府県の設置する学校にあつては当該市町村又は都道府県の教育委員会が、公立大学法人の設置する高等専門学校にあつては当該公立大学法人の理事長が定める。」
 つまり、市町村立小中学校で言えば、休業日を決めるのは各市町村教育委員会であるということ。

 そりゃそうでしょう。南北に長い日本列島は、北は亜寒帯から南は亜熱帯まで、さまざまな気候区分に属しているわけだから、それぞれの地域が実情に応じて決めるのが合理的。文部科学省が一律に決められるはずがない。

 各市町村は、名称は多少異なるが「小中学校管理規則」を制定し、この中で休業日について定めている。
 たとえば、札幌市だったら、「夏季休業日 7月10日から8月31日までの間において25日」とか、青森県八戸市だったら「夏季休業日 7月22日から8月21日まで」という感じで、予想通り北海道や東北は夏休みが短く、その分冬休みが長い。

 念のためだが、休業日というのは、「授業を行わない日」という意味だから、学校が業務全体をストップするわけではない。先生にとっては「勤務を要する日」だ。休みたい人は有給休暇を取りなさい。

 さて、夏休みの延長の件だが、さっそく延長を決めた自治体もあるようだが、これってどうなんだろう?
 どこかでその分の授業を代替しなければならないから、土曜授業とか、冬休みや春休みの短縮でやり繰りするんだろうが、この先、「極寒とか豪雪に見舞われたらどうするの?」 「インフルエンザの大流行があったらどうするの?」という心配もあるわけで、結構リスキーな選択だ。

 それと、「今年はそれで(延長で)いいとして来年以降どうするの?」という問題もある。
 今年は世論の後押しがあるから、「猛暑だから」というほわッとした理由で構わない。それで延長を支持する声も上がるかもしれない。でも来年、世の中のムードがどうなっているか分からない。その時どうする。
 これから先、夏休みに入る前、あるいは夏休みに入ってから、延長すべきかどうかを毎度毎度検討するつもりか。

 というわけで、各自治体は文部科学省に忖度することなく、十分な配慮をした上で、予定通り2学期を迎えられるのがよろしかろう。
 文部科学省もアリバイ作りみたいな通知出してないで、エアコン設置の補助金が、必要な自治体に行き渡るよう財務省と戦って予算取ってくれ。

先生の第一の仕事は授業だが、その前に…

 文部科学省が2018年度予算の概算要求で、公立小中学校の教職員定数の3800人増を折りこむことを決めた。
 深刻さを増す長時間労働の改善、次期学習指導要領への対応などが主な理由ということだ。

 数字だけを見ると多そうだが、全国には約2万の小学校と約1万の中学校がある。それに対し3800人増ということだ。
 教職員定数には算定基準というものがあって、各都道府県がその基準に基づいて条例で定める。定数は児童生徒数の増減に比例して変わってくるということだが、少子化が続く今、増はほとんど考えられず、実際来年度の自然減は3000人ほどが見込まれる。 したがって、3800人増が通ったとしても、実質は800人増の要求をしていることになる。

 小中学校においては教職員の若返りが進み、その分人件費は低くなっているので増員したとしても当面の影響は少ないと思われる。しかし、いずれその人たちが高齢化し人件費を高騰させる要因になるので、財務省は長期的な視点から消極的かもしれない。

 とにかく小中学校の先生は忙しそうなので、僅かであっても定員増は好ましいことだ。
 小中は高校と比べると事務職員の数が少なく、高校であれば事務職員が担当している仕事を先生がやっていることも多いので、事務職員増の要求は妥当である。

 次期指導要領では小学校で英語が教科化されるので、それらを専門に教える「専科教員」を増やしたいという要求も当然である。

 いじめや不登校、貧困や学力不足など学校がかかえる諸問題を定員増だけで解決できるとは思わないが、先生たちが少しでも時間的、精神的な余裕を持てる状態を作ってあげることが大切ではないか。

 先生の第一の仕事は授業。
 多くの人がそう思っているだろうし、その認識は間違ってはいない。しかし、45分とか50分とかの授業そのものより大変なのは、授業の準備である。学校社会ではこれを「教材研究」などと言う。

 良い授業ができるかどうかは、すべて「教材研究」と呼ばれる準備にかかっている。これは外から見えない部分なのだが、先生たちはいつどこでそれをやっているのか。
 私の場合は、夜、家でやっていた。だいたい毎晩2時間から3時間。結構きつかった。
 
 学校でやればいいじゃないかと思われるかもしれないが、授業の空き時間は会議や事務作業でつぶれるから「教材研究」には限界がある。放課後は部活だ。土日も部活だ。結局、毎日、家でやる。

 先生という職業を選んだのだから、授業が嫌な人はいないわけで、少しでも良い授業をと考えている。良い授業をすることは使命であり、同時に喜びでもある。だから、そのための準備に時間をかけることは厭わない。
 一番辛いのは、その準備のための時間が十分に取れないことだ。

 先生の働き方改革を言うときには、授業そのものよりもっと重要な「教材研究」という仕事を視野に入れながら考えなくてはいけない。

文科省出身者の教育長就任で公立入試に変化があるか

 高校入試制度は全国一律ではないという話は最近もしたばかりだ。
 地方ごと実情に応じてやればいい。

 埼玉県の公立高校入試は、試験機会が1回で、評価の仕方も学力重視に傾いているという点に特徴がある。
 しかし、文部科学省の基本的な考え方は、入試機会を複数化することであったり、入試方法に多様性を持たせることだったりするわけだから、その方針とは相いれない部分が多い。

 今度新しく教育長に就任することが決まっている小松弥生氏は、ご承知の通り、元は文部科学省のキャリアである。
 教育長一人の考えで、入試制度が変えられるわけではないが、文科省の方向性とは正反対とも考えられる現行制度にメスが入るのかどうか、私はここに注目している。

 埼玉県の教育長はかつて、教員出身者と、県庁の役人が交互に就任するという時期があったが、その後県庁の他部署の人、つまり教育畑以外の人が就任する時期があり、ここ2代は教員出身者が連続して就任してきた。過去に文科省高級官僚が落下傘で舞い降りたことはなかったと記憶している。

 別に文科省出身だから、それだけでダメというわけではないが、以前に労働省出身の竹内克好教育長が、偏差値追放、業者テスト追放を強行し、埼玉の公立高校入試を混乱に陥れたことをどうしても思い出してしまう。

 だいぶ時期がずれたが、間もなく新教育長の下で新たな教育行政が本格稼働することになる。
 入試制度にはこれがベストとか、これで完璧とかいうものはないので、絶えず改善、改良を繰り返すしかないのであるが、中央官庁のお役人の論理・発想だけで考えられても困るので、その点だけは強く要望しておこう。


文科省の政策が空想的な理由が分かった

 世の先生方は、以下のような事実はとうの昔から知ってるね。

 「子どもの貧困と女性の貧困はつながっている」
 「子どもをかかえて水商売をしている(女性がいる)。生活保護は受けていないが生活は苦しい。就学援助で何とか子どもを学校に行かせている」
 「高校を中退して、それ以来ちゃんとした仕事に就いていない(女性がいる)」
 「通信制高校に行っているが、通信制高校の実態が非常にいい加減なものだ」
 「(出会い系バーで働いている女性は)多くの人が親の離婚を経験している」
 「(出会い系バーで働いている女性は)中学・高校の段階で不登校を経験している」
 「(これらによって)文部科学行政の課題を見いだせたので意義があった」

 途中まで読んでお気づきと思うが、これは前川喜平・前文部科学次官の記者会見(5月25日)における発言。出会い系バーへの出入りについて問われ、その意図と意義について答えたものだ。

 言い訳だと思うが、もしこれが本当なら、全国の先生方がみんな知っているこの程度の常識さえ持たない人がトップに立っていたということになる。
 なるほど。それなら、文科省の政策がいつも空想的なのも理解できる。
 世の中や学校や子どもや親のことなんかまったく知らず、現場の声にはまったく耳を貸さず、役所の中で頭の中だけで政策を立てていたんだな。

 よし分かった。
 ならば今日から文科省の役人は、フーゾクだ。出会い系サイトだ。それが仕事だ。教育政策の課題を体を張って見つけて来い。
 「でも、そんなんことしたら・・・」
 大丈夫、マスコミが味方してくれる(読売、産経あたりは分からんが)。あと、民進党もな。

プロフィール

梅野弘之

Author:梅野弘之
受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
当ブログを訪問された方
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード