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学校のどこがブラックなのよ

 学校は全然ブラックじゃないよ。

 ブラック企業とかブラック職場という場合のブラックには明確な定義があるわけではないので、誰でも簡単に使える。
 学校の先生(特に公立の場合)は、身分がしっかり保証されていますよ。今の時代、これほどしっかりと終身雇用が維持されている職業は少ないですよ。つぶれる心配はほぼ無いし。
 給料だって悪くないですよ。国や地方が民間企業(中小零細の除く)の平均値で決めてますから。能力給じゃなくて年齢給だから、年齢が同じなら、基本的に給料は同じ。
 有給休暇も最初から年間20日。1時間とか2時間とか時間単位で取れますよ。産休、育休も民間より長いですよ。

 これのどこがブラックなのよ。
 
 もしかしたら、世間の目を民間のブラック企業(大企業も含めて)から逸らすための陰謀ではないかと思ってしまう。

 ただし、改善すべき問題点はある。
 学校や先生が、昔に比べ、いろいろなことを引き受け過ぎているのではないか。そこは一度考え直してみなければならない。

 よく、働き方議論の中で、「地域」という言葉が登場する。学校や先生が担っている業務の一部を「地域」が肩代わりする。
 まあ、一つの解決策ではあるが、「地域」って、そんなに万能か。そもそも「地域社会」や「家族」といった、広い意味での教育の担い手が崩壊したから、学校が肩代わりせざるを得なくなったという面があるわけだから、そう簡単に「地域」に戻すことはできないのではないか。
 
 つまり。
 社会(世の中)の諸々の問題が、学校という場所において、分かりやすい形で出てきてしまっているわけだね。学校や先生の怠慢や能力不足で起きた問題じゃない
 今は、残業(長時間勤務)や部活が焦点になっているが、これが本質じゃないということを、先生方は分かってますね。

 私が現役の教員だったら、ブラックだとか何だとか騒ぐ連中に、「うるせえ、外野は黙ってろ」と言うだろうね。いや、言うとまずいから思うだけかな。
 まあ、そういう私も今や外野の一人なのだが、安易な学校批判、先生批判は、おのれの人生を半分否定することになるから、それはやらないよ。

教員の残業代訴訟、意見陳述文読みイスからずり落ちそうになった

 先生応援ブログを名乗っている以上、学校であれ、塾であれ、先生と名の付く職業に就いている人は、とことん応援するが、こりゃあダメだ。

 「教員の時間外労働に残業代が支払われていないのは違法だとして、埼玉県内の市立小学校の男性教員(59)が、県に約242万円の未払い賃金の支払いを求めた訴訟の第1回口頭弁論が12月14日、さいたま地裁で開かれた」
 このニュースのこと。

 男性教員の意見陳述文
 その冒頭部分はこうだ。
 「12月14日、今日は何の日かご存知ですか。忠臣蔵、赤穂浪士の討ち入りの日です。討ち入りの日と重なった。そう思いました
 しかし、今は、民主主義の時代です。正しいことをしっかりと主張し、証明していけば、真実が認められる時代なのです。大勢の人たちが見守ってくれる中で、自由に討論ができるのです。素晴らしい時代になりました。
 私は、この裁判で、公立学校の教員の無賃残業を無くしたいです
 今、全国で過労死が問題になっています。教員の中にも苦しんでいる方がたくさんいます。なぜ解決しないのでしょうか。民間企業では、社長が責任を持って問題解決に向けた取り組みを始めています。しかし、教員の世界は今も残業代が出ません。無賃労働状態です。社長が問題を解決しようとする覚悟がないのかもしれません」

 ※全文をお読みになりたい人は、今のところ、ここで読めます。
  男性教員の意見陳述文全文

 私は、読み始めて、思わず椅子からずり落ちそうになったよ。
 高校生の作文か。
 いや、そんなことを言っては高校生に失礼か。

 「今日は何の日かご存知ですか
 先生にありがちな入り方だ。言っとくけど、ここは教室じゃないから。相手は児童じゃないから。

 「討ち入りの日と重なった。そう、思いました
 だから何だよ。大石内蔵助になった気分ってことか。

 「しかし、今は、民主主義の時代です
 元禄の世と比べてどうする。

 「無賃残業を無くしたいです
 国語の先生なら、こういう場面では「したいのです」、「したいと考えます」と言いなさいと教えるよ。

 というような具合で、この後、自分がいかに大変な仕事をしてきたかを延々語るのだが、とても読んじゃいられない(ガマンして読んだけど)。

 間もなく定年退職する先生の老後の趣味にお付き合いしても仕方ない。以後、無視する、でいいだろう。

 ただし、私の中では学校や塾の先生方の働き方は、引き続き大きなテーマである。

 
 今日の動画「お金持ちになる方法を聞かれたら」

先生の残業、学校だけの問題ではない

 月45時間以内、年間360時間以内。
 公立教員の残業時間ガイドラインとして検討されているのがこの数字。

 実現不可能。非現実的。
 そう思われた先生も多いと思う。私も経験者の一人としてそう思った。
 しかし、最初から無理と言ってしまうと思考停止に陥るので、「できたら、いいよね」と前向きにとらえることにした。
 残業がゼロで、有給が全部消化できて、給料も減らなければ、そりゃいいに決まっている。

 残業時間の問題は残業代とセットで考えなければならないが、そのあたりの踏み込みが甘い。
 公立教員の場合、「教職員給与等特別措置法(給特法)」に基づき、給与月額の4%相当の「教職調整額」が支払われる。時間外手当(残業代)の代わりである。残業をしなくても、死ぬほど残業しても、この率は変わらない。
 4%とは、給与月額30万円なら1万2000円、50万円なら2万円だ。時給1000円のコンビニバイトなら12時間分から20時間分だ。これで月80時間とか100時間とか残業する教員がいるとは驚きだが、実際、大勢いるのだ。
 私もそうだった。
 
 時間外手当(残業代)を支払うとなれば、誰が考えても巨額の財源が必要なのは明らかだ。そこで、残業をしない、あるいは少なくする方法で解決しようというのだが、先生の日々の業務量を考えたら、月45時間だって危うい。

 そこで出てきたのが変形労働時間制という考え方だ。
 忙しい時の勤務時間を延ばし、夏休みなどに学校閉庁日を設け、年単位で勤務時間を調整しようというものだ。

 はて、先生やってて忙しい時があったのは覚えているが、暇な時ってあったっけ?

 教員を増量すれば解決するでしょう。
 でもそのためには巨額の人件費を確保する必要がある。

 業務を外注すれば解決するでしょう。
 でも、これにも莫大な費用がかかる。

 だから先生の意識、学校の考え方を変えてください。そういうこと。
 まあ、先生方は真面目だから、文科省や教育委員会の方針が正式に決まれば、何とか実現しようと頑張るだろうね。
 が、先生方の努力だけでは限界がある。

 私たち民間人、というか、学校外にいる人間に必要なのは、「先生しっかりやれ」「学校ちゃんとやれ」と押し付けるのではなく、納税者として何ができるか、選挙民として何ができるか、住民として何ができるか、専門家として何ができるか、保護者として何ができるか、と、わが身に引き寄せて一緒に考えることである。

 梅野弘之の先生応援ブログ・動画版(2018年12月8日)

学校への要求が減れば、先生の働き方は変わる

 先生の働き方改革。
 つまり、先生の過重労働を減らすということだが、これを進めるには、基本的に2つの方法しかない。
 一つ。
 教員及びスタッフを増やすこと。
 一つ。
 業務を減らすこと。

 業務量を今と同じとすれば、一つ目の「教員及びスタッフ」を増やすことで解決できる。「教員及びスタッフ」が増えたのだから、もっとたくさんの業務をこなせでは同じことなので、業務量不変が条件。
 ただし、「教員及びスタッフ」を増やせば人件費が高騰するので、公立の場合なら、今以上に税金を投入することを世間が認めるかどうかだ。私立の場合なら、授業料の値上げを人々が仕方ないと諦めるかどうかだ。

 「教員及びスタッフ」が現状のままとすれば、学校や先生が担うべき業務を減らすしかない。
 学校や先生の業務が増えたのは、自らがそうしたのではなく、保護者や世間の要望に応え続けた結果である。従来、家庭や地域が担ってきた役割を学校や先生に求めた結果である。際限ない要求に応え続ければ、業務量が増大するのは必然である。

 学校や先生が業務量を減らすということは、一部の要求に応えられないことになる。はたして保護者や世間がそれを許容するかどうか。

 以上二つをまとめれば、先生の働き方改革を進めるには、保護者や世間がもっと金を出すか、もっと要求を減らすかしかないという結論に至る。

 もちろん文部科学省や教育委委員会、学校、当事者である先生方の自助努力は当然であるが、それだけでは限界がある。保護者や世間の理解と積極的な協力がなければ解決できない問題である。
 なのに、金もそのままだ、スタッフもそのままだ、要求もそのままだ、そのなかで働き方改革を進めよという難しいテーマが与えられ、その改善策を講じることが新たな業務となった。

 先生の過労死。
 直接的に働かせたのは、教育委員会や学校なのかもしれなが、死ぬほど過酷な業務の元は、保護者や世間の先生に対する過度な期待と要求にある。

 というようなことを先生方が言ったら、大炎上必至だが、民間人の私が言うのはいいだろう。

前から思ってるんだが、問題は部活じゃないんじゃないの

 またもや教員の勤務実態調査の話だが、こんな資料が見つかった。 
20180930勤務実態調査

 小さくて見えづらいと思うが、昭和41年度に実際された調査と平成18年度調査の比較だ。
 (昭和41年、私そのころ中学3年生で受験生やってた)
 40年間調査してなかったんだね。何でも日教組が管理強化になると反対していたらしい(その後方針転換)。ずっと、やっとけばよかったのにね。

 昭和の先生の月残業時間 約8時間。
 平成の先生の月残業時間 約34時間。
 おいおい、何かの間違いだろう。月8時間ってホントかよ。
 大昔の記憶をたどってみるが、たしかに部活も生徒だけで適当にやってる部が多かったし、放課後職員室行くと先生ほとんどいなかった。

 昭和41年度と平成18年度との大きな違いは、「生徒指導等」の時間が飛躍的に増えていることだ。「事務的な業務(学校経営等)」 もかなり増えている。「授業準備・成績処理等」、「補習・部活等」も、まあまあ増えている。
 平成18年度で赤枠になっているのは、先生が負担に感じている業務で、上記の業務はすべて負担を感じている業務である。

 「事務的な業務」はともかく、「生徒指導等」は、本来の先生の仕事だろうにと思うが、昔とは大きな違いがある。
 特別な支援が求められる生徒や外国人生徒が増えたことや、不登校やいじめ、虐待への対応など、学校が抱える課題が多様化している。
 もうこれ以上、学校に問題を持ち込まないでくれ。

 いま部活がやり玉にあがっているが、このデータを見る限り、先生の多忙や負担の主原因は「補習・部活動」ではない。赤枠ついてないでしょう。時間も爆発的に増えているわけじゃないし。
 まあ、平成18年度調査と直近の28年度調査では、それぞれ変化はあるわけだけど、「生徒指導等」が大変なんですよという状況は変わってない。

 部活を負担に感じてますかと聞けば、「そうだ」と答えるだろうが、では、それが最大の負担ですかというと、そうではない。
 たしかに、部活の改善は必要だとは思う。そのことはまた別に書く。だが、部活の負担をなくしても、もっと大きな負担があるわけだから、「はい、これで残業なくなりました。終了」とはなりそうもない。

 児童生徒の問題なんだから学校が解決しなさいよ。
 学校で起こった問題なんだから学校で解決しなさいよ。

 という具合に、家庭の問題、社会の問題でもあるのに、それが丸ごと全部学校にぶち込まれるから先生が忙しくなる。そういうことなんじゃないか。

 先生たちもね、責任感じて頑張るのはいいけど、「そんなの全部できないよ」という声を少しずつ上げて行きましょうよ。
プロフィール

梅野弘之

Author:梅野弘之
受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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