人事異動の季節、転勤もいいもんだ

 3月30日、新聞に教職員の人事異動の記事が掲載された。
 県や市町村の職員と違って全員の人事異動が発表されている。それだけ関心が高いということか。

 公立高校の異動のサイクルは、昔より短くなっている。校長や教頭など管理職はおおむね3年程度だ。それ以外の一般教員だと、だいたい5、6年から7、8年。10年を超えるケースは少ない。私が教員だった時代は10年ぐらいはわりと普通だったように記憶している。

 一つの学校に長くいることは、プラスもあればマイナスもある。私が採用のときお世話になった宮嶋秀夫先生(当時川口北高校校長、後に教育次長・川越高校校長などを歴任)は、たしか、こんな話をされていた。
「職員会議で自分の意見が通るようになったら転勤しなさい」。

 若いころの私は、この言葉の意味を正確に理解することができなかったが、今ならよく分かる。
 どんなに愛着があっても、また重要な仕事を任されていても、一つの職場に長く居続けると弊害が生まれる。自身の教員としてのキャリアアップを図るためにも、適当な時期に職場を変えたほうがいい。そういうことを言われたのだ。
 
 いわゆる上位校から下位校への異動(あるいはその逆パターン)もあるわけだが、そうした場合、それまで自分が蓄積してきた教材が使えなくなったり、せっかくの指導体験が生きなくなったりというケースも出てくるわけで、それはちょっともったいないという気もする。しかし、長い目で見れば、一人ひとりの教員の成長につながるのだろう。

 というような話をすると、学校は生徒の成長を図る場所であって、教員の成長を図る場ではないなどと言い出す人間が必ずいる。たしかにそうだ。だが、教員が研鑽を重ね、先生としても、社会人としても、あるいは一個の人間としても成長し続けないかぎり、生徒の成長も保証できないのだ。

 異動を機に、それぞれの先生がさらに大きく飛躍してくれるよう祈っている。