先生の在校時間を減らすには

 「学校現場における業務改善のためのガイドライン」というものが文部科学省から発表された(7月27日)。

 これって、「学校における~」じゃいけないのかい。なんなんだ、この「学校現場」っていうやつは…、てなことはひとまずおいて。

 この冊子、全部でA4版91ページもあった。読むのに一苦労したよ。
 マスコミが話題にしたのは、この中にある教員の在校時間や、どんな業務に負担を感じているかについての統計結果であった。

 平日の中学校・教頭の平均在校時間が12時間53分。普通の教員だと12時間6分。

 経験的には、まあそんなものかなと思う。
 始業1時間前の7時半ごろ学校に着いて、それから授業やって、会議や部活があって、学校出るのが夜の7時半ごろ。これで12時間。

 ただ、これで終わりじゃなくて、家に帰ってから毎日2時間ぐらい勉強してたからな。授業をより良くするためのお勉強。
そんなの学校にいる間にできないのかと言う人もいるが、「現場」を知らない人の意見だね。「事件は現場で起きてるんだ」っていうのがあったでしょう。「現場」っていうのは、たえずいろんなことが起こっていて、落ち着いて本も読めないんだよ。

 ワークライフバランスっていうやつを考えると、8時間は無理でも、せめて10時間以内にはしたいもんだ。
 と、考えたとき、一番のネックは部活指導だ。これを本格的にやってたら、明るいうちに帰るのは無理だし、土日休日も学校に来ることになる。

 部活は外部の指導者に任せたらという意見がある。たしかに知識や経験のある人に指導してもらった方が、素人の教員が指導するよりいいかもしれない。
 ただ、事故が起きたときだね。そのときに、先生はその場にいませんでした。家に帰っちゃいましたっていうのを世間が許すのか。たぶん、許さないだろう。とすると、実際の指導は外部の指導者に任せたとしても、先生は校内に残っていなくちゃならない。ということで、先生の在校時間は減らせない。

 究極の解決策は、学校から部活をなくすこと。生徒はみんな帰宅部。
 授業が終わったらさっさと帰って、スポーツクラブに行くもよし、習い事に行くもよし、趣味のサークルに参加するもよし。勝手にやってくれ。
 ただし、学校でやる分には入会金も年会費も不要だけど、外でやるとタダというわけにはいかない。

 今のところ、部活の加入率が高いのはいいことだ。部活が強いのはいいことだ。部活でがんばった子は入試でも優遇しよう。そういう常識があるわけだから、部活面からこの問題を解決しようというのは難しそうだ。

 文科省の調査では、負担感率というのを調べている。教員がどんな業務に負担を感じているかというものだ。
 高い方から順番にあげてみよう(中学校教諭の場合)。

清掃指導(98.8%)
 業者委託すれば即解決。ただ、自分たちの環境は自分たちできれいにしましょうっていう教育的効果もあるから、そこが難しい。
教材研究(98.5%)
 たしかに負担は大きいが、こればかりは他人に任せるわけにはいかない。
宿題や提出物の点検(96.9%) 
 宿題出さなきゃ済む話だが、そうすると生徒は家で勉強しない。
出欠連絡・保護者からの電話対応(95.0%) 
 私が担任すると生徒は休んじゃいけない決まりにしてたから、ほとんど経験がないが、この連絡がないと、具合が悪くて休みなのか、途中で事故があったりしたのか分からないから、面倒でも欠かせないね。
日々の成績処理(94.4%) 
 まあ、やらざるを得ないだろうね。
テスト作成・採点(93.9%) 
 これも本業そのもの。
問題行動への対応(93.3%)
 幸い、私の場合、問題行動を起こす生徒が少ない学校だったからいいが、そうじゃないと大変だ。神経がすり減るだろうね。

 結局、生徒に直接かかわる業務はなかなか減らせないし、合理化できない。それをやったら教育じゃなくなっちゃう。
 合理化するなら、直接は生徒には関係しない事務仕事を合理化するしかない。事務職員を増やすとか、外部委託するとか。

 ※長くなったので、今日はここまで
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梅野弘之

Author:梅野弘之
受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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