技術で勝って、経営で負ける

 2016年3月17日、東芝は白物家電事業を中国家電大手・美的集団に売却することで基本合意した。
 すでに中国家電大手ハイアールにより三洋電機冷蔵庫・洗濯機部門が買収されている。また、先ごろ、台湾・鴻海集団によりシャープが買収された。

 家電分野で外国企業に負けてもいいじゃないか。そういう思いはある。
 ただ一つ考えておかなければいけないのは、「技術で勝って経営で負けているのではないか」ということだ。

 東芝にしてもシャープにしても、技術力においては世界最高水準を行っているはずだ。そこでは負けていない。だからこそ買収の標的にもなる。
 だが、良い製品を作る技術があっても、グローバル化した世界経済の下では、経営で負けることがある。そういった観点から一連の買収劇を見る必要がある。
 
 私のような零細企業のオヤジが言っても説得力がないのは承知だが、科学者や技術者を育てるのと同時に、経営者を育てる教育をして行かないと、これから先、いくらでも「技術で勝って経営で負ける」という現象が起こるのではないか。

 「将来、科学者になりたいです」、「将来、技術者になりたいです」という中高生はいるが、「将来、経営者になりたいです」という声はあまり聞かれない。
 先生方も、科学者や技術者になりたいという生徒に対しては、こんな大学に行って、こんな勉強をして、とアドバイスできるだろうが、経営者になりたいという生徒に対して、何か言えるだろうか。

 会社員(サラリーマン)の最終到達点としての経営者ではなく、科学者や技術者、あるいは医者や弁護士などと並ぶ、専門職としての経営者という考え方が出て来てもいいのではないかと思う。


 お詫びと訂正:申し訳ありません。昨日(3月30日)の記事、一部訂正しました。