大晦日(おおつごもり)に想うこと

 太陰暦(たいいんれき)が用いられている頃、月の末日(三十日)を晦日(みそか)と呼んだ。年の最後の晦日は大晦日(おおみそか)。
 大晦日は、「おおつごもり」とも言う。

 教科書にも登場する樋口一葉の小説に「おおつごもり」がある。24歳で亡くなった一葉22歳の時の作品。

 幼くして父母を失くしたお峰は奉公に出る。お峰18歳の年の暮れ暇をもらい世話になった叔父を訪ねると病床にあり高利貸への利息が払えず年を越せないという。窮したお峰奉公先の引き出しから1円札2枚を盗むが大勘定(決算)で悪事が露見しそうになる。お峰死を覚悟するが引き出しには勘当同然の身である奉公先長男石之助の受取書。かくしてお峰の悪事は知られず仕舞いとなるが石之助はお峰の仕業と知りあえて罪をかぶったのか。

 「おおつごもり」のあらすじを200字でまとめるとこんな感じ。

 以後、一葉は、「たけくらべ」、「にごりえ」など、日本文学史上に残る名作を立て続けに発表するが、小説家としての実質的な活動期間は、わずか1年2か月あまりだったという。

 天才・樋口一葉とわが身を比べても詮無いこと(せんないこと=仕方ないこと、無駄なこと)であるが、徒に(いたずらに=無意味に)に年を重ねるのみで、未だ(いまだ)、この世にさしたる足跡(そくせき)も残せぬまま66年目の新年を迎えようとする己(おのれ)を思うと何とも肩身が狭いのである。

 精進(しょうじん)を重ね、来年こそは生きた証(あかし)を刻みたいと切に願うおおつごもりである。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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