28年度埼玉県私立中学校の入試を考えてみた

 中学入試に関わる話なので、興味のない方はスルーしていただきたい。

 埼玉県には48校の私立学校があり、このうち30校(62.5%)に併設中学校がある。
 今春(28年度入試)の総募集人員は3773人。これに対し、総入学予定者は3031人であるから、定員充足率(=入学予定者数÷募集人員)は、80.3%である。
 つまり、全体としては募集人員を満たしていない。

●募集人員を満たしているのは、30校中7校である
 これら7校は、26年度~28年度の3年間連続で100%を超えているので、安定した募集が行なわれていると言えるだろう。
 28年度埼玉中学入試01

●充足率50%以下の学校は、30校中9校である
 中学校の入学者が少なくても、高校募集で埋め合わせすればいい。
 だが、中学校の募集コスト及び入学後の教育コストは、非常に高くつくわけであるから、学校経営に少なからぬ影響を及ぼすだろう。
 入学者が少ない場合の大きな問題点は、授業や部活動、学校行事などへの支障である。
 英語や数学などは少人数できめ細かな指導ができるというメリットがあるが、体育などは種目が限られるだろう。部活動では、多くの部が、大会に参加できるくらいの人数を確保するのが難しくなるだろう。学校行事も盛り上がりに欠けそうだ。
 28年度埼玉中学入試02

●入学者が100人を超える学校は、30校中13校である
 あまりにも人数が少ないと平常の教育活動にも何かと支障が生ずるのではないかという考えの下、充足率に関係なく、入学者数順に並べてみたのが次の表である。
 募集人員を満たした7校に加え、星野学園・城北埼玉・春日部共栄・本庄東附属・西武文理・大宮開成の6校が100人を超えている。
 100人には届かないが、昌平や狭山ヶ丘などは、もともと募集人員が80人であって、この人数なら少人数のメリットの方が大きいという判断だろうから、73人とか71人というのは、教育活動面ではそれほど問題にはならないだろう。
 28年度埼玉中学入試03

●志願者全体の4分の1を集める栄東
 28年度の志願者合計は約4万3千人であった。このうち入学者は3千人である。
 この、あまりにも大きな差は何なのか。
 県内私立高校の場合でみると、志願者合計約6万8千人に対し、入学予定者1万9千人であるから、3.5倍ほどの開きでしかない。だが、中学校の場合、14倍ほどの開きがある。
 これは、複数校、複数回の受験が当たり前な中学受験独特のシステムにもよるが、他都県に比べ入試日が早い埼玉に、いわゆる「お試し」として県外受験生が流入してきているという事情によるものだ。
 栄東の場合、志願者数は1万290人で、これは県全体の志願者数の23.8%に当たる。一つの学校で全体の4分の1近くを集めているのである。
 首都圏全体で見ても、今やトップレベルにある栄東に、東京や神奈川の難関校狙いの受験生が、予行演習として受けにくるから、このような驚きの数字となる。

※志願者数・入学予定者数などは、最終確定データではないので、今後発表されるデータと誤差があると思われる。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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