「僕」は世界を代表してないんだよ

 会社経営に行き詰ったフデキ社長は「オレ様主義」である。
 そんな主義ってあるの? いや私が命名してやったのだ。

 とにかくすべての基準が自分(僕)なのだ。
 「僕だったら、こっちを選びますけどね」
 「僕は、そういうの別に気にしませんけどね」
 「僕は、それって常識だと思いますけどね」
 と、こんな具合。

 あなたね、誰を相手に商売してんのよ。大事なのは、僕がじゃなくて、お客様がどう思うか、取引先がどう考えるかでしょ。
 僕は世界を代表してないよ。
 僕がいいと思ったって、お客様がよくないと思ったら、商売は成り立たないんだよ。だから、ちゃんと商売失敗しちゃってるわけだけど。

 私はフデキ社長が主催するイベントに何度か参加したけど、全然面白くない。だって、全部僕の基準でやってるんだから。
 たとえばバス旅行なんかにしても、僕がいいと思ったところに行って、僕が旨いと思うものを食べさせて、僕が好きなものをお土産にくれるんだから、僕と趣味が違う私は、何一つ満足できない。
 僕が考えているのは僕の儲けだけ。そこには、お客を楽しませようとか、お客に満足してもらおうという発想が全くない。これじゃ、すぐに赤字になるよ。

 というわけで、フデキ社長を見ていると、いろいろ勉強になるわけである。フデキ社長と正反対のことをやっていれば成功するか、そこまで行かなくても大失敗はしない。こういうのを「反面教師」って言うんだね。

 「反面教師」は大事だね。
 身の回りに気に入らないやつは大勢いるけれど、あいつは嫌いだで終わらせないで、あいつのどこが嫌いなのかをよく分析してみることにしよう。
 嫌いな原因が分かったら、自分はそういうことをしていないかを謙虚に振り返ってみることにしよう。案外、自分も同じことをしている場合があるからね。

 私は若いころと違って、あまり人に好かれようと思わなくなったが、やっぱり嫌われるより、好かれたほうがいいからね。人の振り見て我が振りを直すことにしよう。

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