中学校の先生は、受験にどう関わるべきか(中編)

 県教委や公立中学校は、受験指導における復権を目指しているように見える。
 たぶん、そうだろう。
 復権という言葉が適切でないとすれば、信頼回復。

 しかし、ここで考慮しておくべきなのは、時代の変化である。
 県教委や公立中学校が、描いているのは、一体どのような姿なのか。まさか、20数年前、受験指導のノウハウも、情報も、すべて中学校が独占していた時代のそれではあるまい。

 当時、企業としての塾は無いに等しい状態だった。だが、その後、塾は、企業として急成長を遂げた。人材も育ってきた。受験指導という点だけを切り離して考えれば、おそらく、20数年前の中学校の先生を上回っているのではないか。

 情報公開についても時代の変化は激しい。
 私が現役であった20数年前、公立入試では問題用紙まで回収していたのである。今は、お持ち帰りは当然として、入試が終わるや否やホームページ上で公開され、当時はマル秘扱いであった「採点の手引き」まで見られるのである。
 今や、入試に関する情報は、誰もが平等公平に接することができる時代なのである。中学校の先生が独占していたのは、はるか遠い昔の話だ。

 さて、そうなると。
 中学校が信頼回復を実現するには、単に、テストの結果や偏差値を手にするだけでは不足で、受験指導のノウハウや情報分析力において、塾を上回らなければならないということになる。

 問題はそのコストである。
 私はこれでも経営者の端くれであるから、そのことを常に考える。

 塾が、今日の受験指導のノウハウと情報分析力を獲得するために、一体どれだけのコストをかけたか。
 私には想像すらできないが、なにせ20数年の積み重ねである。膨大な時間と費用をかけて今日の信頼を築いたに違いない。

 対して、県教委や公立中学校に、「信頼回復にかかるコスト」という意識があるのか。問題はここだ。大ざっぱな言い方をすれば、塾が今日の信頼を得るのに要したのと同額のコストがかかると見るべきではないか。
 先生の意識改革で何とかなる?
 寝言言ってる場合じゃない。

 公立中学校長会の通知文書を見ると、各校長は、教員を積極的に高校説明会に派遣させなさい。交通費は出ますから、と書いてある。

 いやいや、そういう話じゃない。
 先生が出張したら、生徒は自習になるでしょう。その分の授業は誰がやるの? 代わりの教員にやらせたら、そこで費用が発生するでしょう。これが派遣にかかるコスト。ひいては信頼回復にかかるコスト。

 というわけで、どうも今のやり方は、私には不満だらけなのだが、では、どうするかは、長くなったので、また明日。

コメント

コメントの投稿