今の公立入試、昔にくらべチャレンジの条件はそろっている

 私は県立の高校を出て、県立の先生になった。

 自身が中学生の頃は、東京にはいくらでも私立があったが、埼玉にはなかった。いまは50校近くある県内私立だが、10校もなかったと記憶している。だから、県立に落ちて私立に行くということは、ほぼ自動的に東京の私立に通うということだった。

 県立高校の先生になった頃は、生徒が爆発的に増えた時期だったので、公立高校が次々にできて2倍に増えたが、それでも足りないということで、私立の新設も相次いだ。しかし、出来て間もない私立は、部活でも進学でもさしたる実績を残すことができず、まだ多くの人は、「私立は公立を落ちて行くところ」と考えていた。

 なぜ、こんなことを書いたか。
 年配者の頭のなかにある公立と私立の関係は、だいたいこんなものだろうということを言いたいからだ。

 ただ私は、教員をやめた後、たまたま受験に関わる仕事を続けてきたので、頭の中身は最新だ。
 で、そういう私の立場から言えば、今や、学費などの経済的条件さえ除けば、公立と私立の関係は、ほとんど対等と言えるところまで来ている。それどころか、私立の方が上を行っているのではないかという点も多々ある。

 いや、そうは言っても公立希望者の方が圧倒的に多いではないかという指摘もあろうが、それは、いかに格差が縮小したと言っても、まだまだ学費などの経済的条件に大きな開きがあるからだ。

 昔は、公立を落ちて私立に行くとなると、学費などの経済的条件が大きく違ってくるだけでなく、歴史の浅い私立教育に身をゆだねるという学校生活の中身の面での不安もあったと思う。
 だが今の時代、それはない。

 公立希望者は4万6千人。それに対し公立の枠は4万人というのが、最近の埼玉県の動向であり、最低でも6千人は「公立を落ちて私立に行く」ことになるが、昔と違って、学校生活の中身の面での心配はない。むしろ私立の方が、きめこまかく面倒みてくれるくらいだ。
 
 公立出願の時期が迫ってきたが、昔にくらべれば、思い切りチャレンジできる条件がそろっているように思う。

コメント

コメントの投稿