「難し過ぎ」を解消したが、別の「難し過ぎ」が発生

 埼玉県公立入試において、「学校選択問題」が導入されることになった経緯をいま一度振り返ってみる。

 私の理解と記憶に間違いがないとすれば、数年前、県議会において、「数学の問題が難し過ぎるのではないか」という質疑がなされたことに端を発する。
 たしかに正答率0.2%とか0.3%という問題は、ほとんど誰もできないと言っていいわけで、難しいからどうこうという以前に、入試問題として機能していない。同じ理由で、全員が正答の問題も機能していない。

 7~8割の子ができる問題、半分の子ができる問題、3~4割の子ができる問題。そういうのが適度に混ざり合えば、まあ入試問題としては機能するし、適切なわけである。もちろん、中学校の学習内容の範囲で、である。

 数学は、できる子とできない子の間に大きな差がつきやすい教科である。したがって、0点から10点が続出する高校があれば、一方で90~100点が続出する高校もある。他の教科ではあまりそういったことは起らない。

 そこで、0点~10点という子が、何とか50点、せめて20点~30点ぐらいは取れるようにしてやろうとすると、相当に問題を易しくしなければならない。下手をすれば小学校の算数になってしまう。
だがそうなると、上位校においては、数学が得意な子はもとより、まあまあ得意な子でさえ100点を取れるようになり、入試問題として機能しなくなる。

 ということで、今回の「学校選択問題」導入である。
 ところが、皮肉なことに、「難し過ぎる」に端を発した改革が、別の意味で「難し過ぎる」結果を招いてしまった。

 改革初年度には、さまざまな障害や不都合が起こるものである。なにせ、問題を出す方も初めてなら、受ける方も初めてなのだから。
 しかし、それにしても、もう少し事前の情報が欲しかった。
 たしかに昨年3月には県教委からサンプル問題が示されてはいるが、たったこれだけで、中学校や塾の先生も、受験生も、対策を練らなければならなかったのだ。公開模試を実施していた私も。

 もし来年度もこの方式を継続するのであれば、県教委には、出題方針や出題のねらいについて詳細な情報提供をお願したい。例年、ホームページ等で「問題分析」や中学生向けの「問題解説」が発表されているが、それも出来るだけ早い時期にお願いしたい。

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