部活指導員制度には危うさも

 文部科学省は時々おかしなことを考える。
 いつもおかしなことを考えていたら、日本の教育はとうの昔に崩壊していただろうから、時々である。
 4月から始まる「部活動指導員」の制度の話だ。

 これにより、教員ではない外部の指導者が、日々の活動の指導にとどまらず、大会などへの引率が可能となる。

 こうした制度を設けた理由は、教員の業務負担軽減ということである。
 私が教員だったころに比べれば、学校の先生はずいぶんと余計な仕事を押し付けられているように思えるので、業務負担軽減には原則賛成。
 ただ、それを解消するのに、「部活から入って行くかな」というのが、私の感想。

 その前に、事務職員を増員したり、業務の機械化を図ったりするほうが効果は期待できそうだ。以前にも書いたが、「受験指導は塾の先生に任せちゃえば」というのも、一つの方向である。

 専門的な知識や技術を持った外部指導者の指導を受けられるのは、生徒にとって、いいことだ。でも、今回の制度は、そういうメリットもあるというだけで、そこに本来の目的があるわけではない。

 外部指導者の権限が増すと、部活動がますます過熱する危険性がある。
 毎日放課後、加えて土日も指導できるのは、限られた人になる。たいしたギャラも払われないだろうから、その点でも限られる。批判されるのを承知で言うが、ほかにやることがない暇な人にしかできないだろうということだ。
 そういう暇な人にまかせると、練習日や練習時間が今よりも多くなってしまうかもしれない。

 もしも、そういう方向に行ってしまうと、部活動をめぐる問題はより深刻化してしまうので、そうならないための歯止めというか、ルール作りが重要になってくるだろう。

 文部科学省は、部活動を外部指導者に任せてもいいよ、そういう方法も取れるよ、と言っているだけで、任せなさいと命じているわけではない。
 つまり実施の方法論は、教育委員会や学校に丸投げされている状態であって、学校としてはまた大きな宿題をかかえてしまった。

 部活問題にはおいおい触れて行くが、「全員加入は必要か」、「大会の数を減らせないか」、「中学校の全国大会は廃止しブロック大会までにできないか」、「高校入試とは切り離せないか」など、議論すべきことがらは、まだまだ多い。

 これらの問題も合わせて考えて行かないと、教員の業務負担軽減はもとより、部活動をめぐる諸問題の根本的な解決には至らないだろう。

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