おかしな人間が理事長になることもある

 学校の理事長って、おかしな人間でもなれるんですか?
 
 法律に定められた要件を満たし、国または都道府県の認可を受ければ学校法人を設立することができ、理事長になれる。ざっくり言えば、株式会社や社団法人やNPO法人を設立するのと同じこと。

 株式会社や社団を設立するときは定款(ていかん)というものを作成しなければならない。名称・目的・組織など根本規則を定めたもので、これを定め書面として提出する必要がある。
 学校法人の場合、定款に代わるものとして「寄付行為」というものを定める。
 
 私はこれまで、いくつもの株式会社や社団・財団等の設立に関わってきたので、定款の作成についてはさほど難しいことだとは思わない。「寄付行為」については経験がないのでよく分からないが、定款の代わりが「寄付行為」だと考えれば、ここまでは何とかなりそうだ。

 しかし、学校法人を設立して実際に学校を作ろうとなると、株式会社や社団・財団などを作るときより、うんとハードルが高くなる。
 たとえば、「必要な施設及び設備又はこれらに要する資金並びにその経営に必要な財産を有しているかどうか」などが審査される。とりあえず、自宅を事務所にして電話の一本も引けば、明日から株式会社が始められるのとはえらい違いだ。

 教育基本法第6条には、次のような定めがある。
 「 法律に定める学校は、公の性質をもつものであつて、国又は地方公共団体の外、法律に定める法人のみが、これを設置することができる」
 法律に定める法人というのは、学校法人のことである。
 つまり、学校法人は、いわゆる私学であっても「公の性質」を持つものとされている。だからこそ、私学にも税金から助成金が支出されているわけだが、これはまた別のテーマとして話そう。

 話を元に戻せば、学校法人は私学であっても「公の性質」「公共性」を持ち、国や地方の教育の一端を担う存在であるから、株式会社のように簡単には設立できない仕組みになっているということだ。

 都道府県が私立学校の設立を認可する場合は、私立学校審議会の意見を聞かなければならない。
 私立学校審議会は公開で行われており、私も何度か埼玉県私立学校審議会を傍聴しに行ったことがある。
 審議委員の多くは県内の私立学校経営者などで占められており、学校経営や教育の専門家であったとしても法律や財務や不動産取引の専門家というわけではないので、そいう面での厳しい審査は行われていないという印象だ。

 以上をまとめると、どういう経営が行われるかや、どういう教育が行われるかは、いざ学校が始まってからでないとよく分からないという面もあるので、おかしな人間が理事長になることだって、たまにはあるということだ。

 追記
 突っ込まれる前に言っておくが、学校法人でさえ、おかしな理事長が現れるのだから、社団法人の理事長なら、なおさらだ。

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