まずは新入生の名前を覚えないと

 入学説明会のシーズンである。

 各高校では、入学式に先立って新入生を招集する。入学前に事務手続き的なことや諸連絡のために一度集めておいたほうが、スムーズに新学期を迎えることができる。春休み中の課題などを渡されることもある。

 私は15年ほどの教員生活の中で、1年生を担任したことは、たった1回しかない。偏った経歴だと思う。
 新任から6年間は、2年生を2回、3年生を4回担任して、7年目にしてようやく1年生を担任させてもらったが、結果的にはこれが最初で最後になった。

 入学説明会では全体説明の後、クラスごとのホームルームみたいな時間があった。生徒には「とりあえずこれは仮のクラスだから」とか言ったと思うが、もちろん本物だ。たぶん、生徒の方も気づいていただろう。

 1年生は文字通りフレッシュだね。3年生とは顔つきも体つきも全然違う。
 仲間の先生たちからは、「くれぐれも生徒たちをビビらせないように」と、冗談半分本気半分のアドバイスをもらっていたので、そこは強く意識した。

 名前だけは暗記しておいた。今は無理だと思うが、若いころは1クラス分の名前を覚えることくらい簡単だった。あとは顔と一致させることだ。毎日写真をながめて入学式までには覚えておこう。
 出身中学も覚えておいたほうがいいかな。部活は何をやっていたのかな。

 成績はどうかな? 中学時代はどうだったか。入試成績はどうだったか。
 これは迷うところだ。あまり先入観を持たない方がいいかもしれないし、問題点は早めに掌握しておいた方がいいかもしれないし。

 幸い、学校生活に支障を来すような持病や病歴を持った子はいないみたいだし、過去の情報については最小限を知るだけにとどめよう。できるだけ白紙に近い状態で接した方がいいだろう。
 というのが、当時30代半ばだった私が出した結論だ。

 割と最近のことだが、教え子たちが1年生のときのクラス会を開いたそうだ。クラス会というのは、普通は3年生のときのクラスでやるものだ。1年生というのは珍しい。
 ということは、彼らの中に、何か心に残るものがあったのかもしれない。もちろん、全員がそうであったはずはないが、「二度と思い出したくない」などと言われるよりは何倍も嬉しいことだ。

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