恐るべしオバサンのコミュ力

 上野に用があったので浦和から「上野東京ライン」に乗った。
 通勤通学ラッシュの終わった午前9時台だが、そこそこ混んでいた。

 私と同じドアから乗り込んだのは、母親と子供2人。子供は3歳と5歳、あるいは4歳と6歳ぐらいか。どちらにしても、おんぶやだっこという年頃ではない。
 すぐに優先席に座っていた女性から声がかかった。オバサンである。いや、おばあさんと言うべきかな。私より少し若そうだ。

 「お嬢ちゃん、ここ座って。おばさん、ずっと座ってて疲れちゃった。ちょうどよかった。はい、ここ。どうぞどうぞ。お母さんとお出かけ? いいわね」と女の子の手を引くような素振り。引くようなというのは、そこそこの混みようだったので、よく見えなかったからだ。

 それにしても座席ゆずるだけなのにセリフ長過ぎねえか。

 でも、この流れだと母親も断れないな。「ありがとうございます」と言って、素直に受け入れたよ。

 まったくオバサンのコミュ力には恐れ入るね。
 咄嗟に、見ず知らずの人に、公衆の面前で、なんでここまで言えるの?

 こういうのって、オジサンには無理。
  「どうぞ」の3文字で終了。
 で、「いえ、大丈夫です」なんて母親から断られそう。
 しかし、時に辟易(へきえき)することもあるが、オバサンのこういう優れたコミュ力は見習うべきかもしらんな。

 座席を立ったオバサンは、私の傍に移動してきた。
 そして、ちょうど私にとっていい塩梅の位置にあるつり革を指して、「あら、私これ使っていいかしら。でも、ちょっと高いわね」。
 どこまでもよく喋るな、オバサン。

 で、私の返答。
  「どうぞ」
 だめだコリャ。

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