「パクリ」と「模倣」は全然違うから

 「パクリ」と「模倣」は同じことですか?
 昨日のブログを読んだ知り合いから、さっそくメールでの質問。

 そういうの自分で考えなさいよ。

 「パクる」は俗語・隠語の類(たぐい)で、犯人を捕まえること、あるいはアイディアなどを盗むこと。
 「模倣」の「模」は「模する」、つまり、似せる、真似るということ。「模擬試験」の「模」だ。「倣」は「倣う(ならう)」で、これもまた、あるものを手本にこれを真似るということ。
 だから、ほら、違うでしょう。
 一方は盗むことで、一方は真似たり、ならったりすることなんだから。

 文章修行の方法として昔からあるのが全文書き写しというやつ。一作丸ごと手書きで書き写す。体験的に言えば、読んだだけでは旨い文章を書けるようにならないが、これをやると効果てきめん。
 これなんかも、一種の「模倣」であるわけだが、その先にあるのは「創作」。「パクリ」はどこまで行っても「パクリ」。

 日常の生活や習慣については、子供が大人をまねることがあっても、通常その逆はないのだが、マーケテイングや企業経営の世界では、大きな者が小さな者をまねたり、強い者が弱い者をまねることがよくある。
 お手本は、上にも下にも横にも、どこにでもあるということだ。

 塾ならば、自分より大きな塾だけではなく、自分より小さい塾にもまねていいことがある。学校ならば、自校より有名で人気のある学校だけでなく、自校より無名で人気の劣る学校にもまねるべき点がある。受験生ならば、自分より成績の良い友達だけでなく、自分より成績の低い友達にもまなぶべき点がある。

 「模倣」を勧めは、手抜きの勧めではない。
 「模倣」という言葉が気に入らなければ、「他者に学ぶ謙虚な姿勢」、あるいは「良いものは貪欲に取り入れる姿勢」などと言いかえればよかろう。

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