そのツケは世の中に払ってもらおう

 その昔、教員になりたての頃、驚いた話。
 頭髪服装検査? なんじゃそれ。

 私の語彙にそんなものはないぞ。一体何の目的でどんなことをするんだ。
 ふんふん、髪の毛を染めていないか、パーマをかけていないか、スカートの長さは適当かなんてことを検査するわけね。
 
 で、目的は?
 なになに、他にもバイクに乗っちゃいけないとか、バイトしちゃいけないとかあって、こういうの守らせないと、本人が結局学校をやめる羽目になったり、クラスや学校も乱れてしまう。そういうことですね。

 知らなかった。
 学校って、先生って、いろんなことするんだなあ。
 自分の高校時代、校則なんてなかったもんな。いや、あったのかもしれないが、先生は何も言わなかったし、みんな自由気ままにやっていた。

 で、髪の毛染めてたり、パーマかけてる子がいたら?
 はいはい、担任として注意して元に戻させればいいわけですね。分かりました。別に難しい話じゃない。

 えっ、抵抗する子がいる?
 もし、担任の指導で無理だったら生徒指導部の方に回すわけですね。でも、私も生徒指導部の一員なわけだから結局同じですよね。自分でやります。ふざけんなって一発かませばそれで終わりですよ。

 というわけで、自身の高校時代には体験したことのない頭髪服装検査を、教員として初体験したのは、今から30年ほど前のことだった。検査は学期の始めとか、修学旅行や文化祭などの行事前によく行われた。


 つい最近、朝日反日新聞、もとい朝日新聞が、都立高校の6割が「地毛証明書」(うちの子は天然パーマです証明書)を出させていると報じた。中には幼いころの写真を提出させている事例もあり、やれ個人情報だ、人権侵害だと、そっち方面に話を持って行こうとするのが、いかにも朝日新聞らしくて笑える。

 朝日の記事はともかく、こうした問題を考えるとき、高校を3つ分類してみなければならない。
 1 成績の良い子が集まっている学校では、まじめに議論するほどの問題ではない。
 2 成績まあまあの子が集まっている学校では、重要問題である。
 3 成績のうんと悪い子が集まっている学校では、1とは逆の意味で議論にならない。

 要するに真ん中辺の子たちなのだ。
 真ん中辺というのは、もっと細かく分ける必要があるかもしれないが、とにかくここいらの子は、学習面でも生活面でも、手がかかるのである。

 放っておいたら、成績は落ちる、生活は堕ちる。
 だから、「うるせえ」とか言われながらも、先生ガンバル。

 もし世の中が、学校はそこまで指導することないと言うなら、先生はいつでも不愉快な指導はやめるだろう。
 その代わり、ツケは企業や社会に払ってもらうことになる。

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