役所と役人の問題点を解決する力はどこにある

 高級官僚(偉いお役人)だった人が世間を騒がせている。
 では、この際だから、お役所、お役人の問題点について考えてみることにしよう。

お役所の前例主義
 行政と対したとき、われわれの提案や要望は、しばしば「前例がない」という理由で却下される。
 こうした姿勢は、むろん非難の対象ともなるわけだが、私もかつては公務員であったので、一応擁護しておくと、その「頭の堅い対応こそ」が、一方でお役所の信頼性につながるのである。
 あのときはこうだったが、今回はこうだと、その都度対応が変わるのも困りものだ。よって、お役所の前例主義を非難するのはある意味見当はずれなのである。

お役所の無誤謬性
 誤謬(ごびゅう)とは誤りのこと。お役所のやることには誤りがないと考えるのが、無誤謬性、無誤謬主義。
 いや、お役人だって人間だから、時には間違うでしょう。そのとおり。
 では、なぜその誤りを認められないか。
 前任者の否定につながるからである。
 お役人のポストは、2年3年でどんどん代わって行く。新たにそのポストに就いた者が、これまでの誤りを認めたら、前任者、すなわち先輩たちを全否定することになる。それにより、お役所内に敵を作ることになるかもしれないし、その後の昇進に響くかもしれない。
 だから、かれらは誤りに気づいても、正面切って誤りだったとは言わない。前任者の面子(めんつ)を立てつつ、少しずつ少しずつ方向転換して行く。時間がかかるのである。

お役所の減点主義
 他との競合がない組織は、加点主義ではなく減点主義に陥りがちだ。攻めて失敗するより、守りに徹する。
 しかし、ここでも公務員経験者としてかれらを擁護するが、税金から給料をもらい、税金を使って仕事をしている人々が、己の功名のために、失敗覚悟の大胆な施策を実施したとしたら、それはそれで困ったことなのである。手堅いのは悪いことではない。


 以上、お役所及びお役人の問題点をいくつか指摘したが、これらをどう改善、改革して行くか。
 政治の力である。
 国おいては国会の力、地方においては首長(知事や市町村長)や地方議会の力。

 われわれは選挙という手段を通じて政治家を選択することが可能だ。選ばれた政治家は、民意をバックに、悪しき前例を打破することもできるし、方向転換もできるし、大胆な施策を実施することもできる。
 お役人はやりたい放題と言うなら、それを許しているのは誰かということも、今一度考え直してみなければならない。

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