本から得た知識の強味とは

 ネットでモノを調べるというのは、私たちの世代にとって、つい最近の習慣である。
 官公庁や企業の情報公開が進んだことと相俟って、さほど苦労することなく、かつ迅速に必要な知識や情報を収集できるようになった。

 私がパソコンや携帯を手にしたのは、40代も後半に入ってからであるが、では、それまではどうしていたか。
 新聞やテレビも情報源の一つではあるが、仕事に必要な知識は、もっぱら本(書籍)から仕入れた。

 読書によって仕入れた知識の強みは、それが体系化されていることである。
 ある事柄について書かれた本を数冊読めば、全体像が分かり、個々の知識の重要度や、知識相互の相関も分かる。
 ネットの場合、当面必要な知識にピンポイントでたどり着けるという利点があるが、知識のつまみ食いになる恐れがあり、全体像がつかみにくい。

 今は学校でも、インターネットを使って調べ物をする方法などを教えているが、子どもたちは、パソコンや携帯などが十分に普及してから育ったのであるから、むしろ学校で教えるべきは、本から知識を吸収するという、古典的な手法なのかもしれない。

 私は、学校の施設を見学させてもらう場合、できるだけ図書館をはずさないようにしている。
 案内する先生は、生徒たちが自習している様を見せたがるが、私の興味はそこにはない。
 蔵書の分類などは一定のルールに則っているので、どこも似たようなものだが、有能な図書館司書や担当教諭がいる学校では、時々の話題や学校行事、あるいは授業進度に合わせて、特設コーナーなどを設けて、生徒の調べ学習を手助けしている。

 最近は図書館の運営管理を外部委託する自治体も増えており、サービスの向上や経費削減という面では効果を上げているようだ。いずれ学校図書館にもこの波は押し寄せるかもしれない。

 しかし、どちらにしても、「知の拠点としての学校図書館」の重要性は、ネット全盛の今だからこそ高まることはあっても、低くなることはないと考えている。

 世間からはあまり注目されない部門であるが、私は結構注目しておるぞ。

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