実戦を経験したほうが強くなるのが早い

 問題集や過去問をどんどん受けなさい。模擬試験もどんどん受けなさい。
 私が学校や塾の先生だったら、間違いなくそういう指導をするだろう。

 私は思い立って長距離を走り始め、それから3か月程度練習して、すぐに大会に出た。これはコーチしてくれた同僚教員のアドバイスでそうしたのだが、もちろん自信なんてまったくなかった。
 「もう少し練習してからのほうがいいんじゃないか」
 当然、そのように言ったのだが、日本代表クラスの一流ランナーだった同僚教員は、私の考えを一蹴した。
 「それじゃあ、いつまで経っても早くならない」

 初めての大会は無残な結果に終わった。
 しかし、この先どういう練習をすればいいかが、大よそ分かった。これは大きな収穫だ。この経験がなければ、私は間違った練習をずっと続けることになっただろう。
 (この話は以前にも書いたはず)

 準備に時間をかけることも大切なのだが、それは、準備の仕方に誤りがない場合である。もしかしたら準備の仕方に誤りがあるかもしれないし、不十分なところがあるかもしれない。
 それを気づかせてくれるのは実戦経験しかないのである。

 準備の仕方、つまり受験勉強の進め方ということであるが、これに誤りや不十分なところがあったとしたら、できるだけ早くそこことに気づき、修正を図る必要がある。
 だから私は、いつまでも素振りやパスばかりやっていないで、敗戦覚悟で過去問に挑んだり、模擬試験に参戦したりすることを勧めるのである。

 夏休みが終われば、受験本番まであと半年。
 敗戦覚悟という言葉を使ったが、本当に勝たなくてはいけないのは、受験本番の1回だけであって、それ以外の練習試合はいくら負けたって、どうってことはない。

 今、自分には何が欠けているか、どうすればもっと強くなれるか。そのことに早く気づいたほうがいいと思う。
 強くなってから実戦を経験するというのは、私からすれば、誤った考え方で、実戦を経験するから強くなるのである。

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