先生の第一の仕事は授業だが、その前に…

 文部科学省が2018年度予算の概算要求で、公立小中学校の教職員定数の3800人増を折りこむことを決めた。
 深刻さを増す長時間労働の改善、次期学習指導要領への対応などが主な理由ということだ。

 数字だけを見ると多そうだが、全国には約2万の小学校と約1万の中学校がある。それに対し3800人増ということだ。
 教職員定数には算定基準というものがあって、各都道府県がその基準に基づいて条例で定める。定数は児童生徒数の増減に比例して変わってくるということだが、少子化が続く今、増はほとんど考えられず、実際来年度の自然減は3000人ほどが見込まれる。 したがって、3800人増が通ったとしても、実質は800人増の要求をしていることになる。

 小中学校においては教職員の若返りが進み、その分人件費は低くなっているので増員したとしても当面の影響は少ないと思われる。しかし、いずれその人たちが高齢化し人件費を高騰させる要因になるので、財務省は長期的な視点から消極的かもしれない。

 とにかく小中学校の先生は忙しそうなので、僅かであっても定員増は好ましいことだ。
 小中は高校と比べると事務職員の数が少なく、高校であれば事務職員が担当している仕事を先生がやっていることも多いので、事務職員増の要求は妥当である。

 次期指導要領では小学校で英語が教科化されるので、それらを専門に教える「専科教員」を増やしたいという要求も当然である。

 いじめや不登校、貧困や学力不足など学校がかかえる諸問題を定員増だけで解決できるとは思わないが、先生たちが少しでも時間的、精神的な余裕を持てる状態を作ってあげることが大切ではないか。

 先生の第一の仕事は授業。
 多くの人がそう思っているだろうし、その認識は間違ってはいない。しかし、45分とか50分とかの授業そのものより大変なのは、授業の準備である。学校社会ではこれを「教材研究」などと言う。

 良い授業ができるかどうかは、すべて「教材研究」と呼ばれる準備にかかっている。これは外から見えない部分なのだが、先生たちはいつどこでそれをやっているのか。
 私の場合は、夜、家でやっていた。だいたい毎晩2時間から3時間。結構きつかった。
 
 学校でやればいいじゃないかと思われるかもしれないが、授業の空き時間は会議や事務作業でつぶれるから「教材研究」には限界がある。放課後は部活だ。土日も部活だ。結局、毎日、家でやる。

 先生という職業を選んだのだから、授業が嫌な人はいないわけで、少しでも良い授業をと考えている。良い授業をすることは使命であり、同時に喜びでもある。だから、そのための準備に時間をかけることは厭わない。
 一番辛いのは、その準備のための時間が十分に取れないことだ。

 先生の働き方改革を言うときには、授業そのものよりもっと重要な「教材研究」という仕事を視野に入れながら考えなくてはいけない。

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