また会えるからこその「一期一会」

 「一期一会」(いちごいちえ)という言葉がある。

 元々は茶道から来た言葉だそうだ。
 「茶会に参加する時には、その機会は何度も繰り返されることのない一生一度の出会いと考えて、ホスト(亭主)もゲスト(客)も、共に誠意を尽くしましょう」
 こんな意味。

 これはネタではなく、今までに一人だけマジで「いっきいっかい」と読む人に出会った。その人には以来会っていないので、文字通り「一期一会」の出会いであった。

 ふだん、「じゃあ、また」と言って別れるが、年を取ると、その「また」が二度と訪れない可能性がある。年寄り同士だとなおさらだ。
 あと10年生きるとして、年に一度しか会わない人とはあと10回、2年に一度の人とはあと5回。と、こんな計算が成り立つ。
 だから、人と会うたびに、これが最初で最後かもしれないと自然に思えるようになってくる。
 出会いに感謝する気持ちも生まれてくる。

 その点、若い人たちは、その気になれば何回だって会える。
 が、だからこそ「一期一会」なのである。一瞬一瞬が「一期一会」なのである。

 この人との出会いは1回だけかもしれないから、その瞬間を大事にしましょう。そういう解釈もありだが、むしろ本来の「一期一会」は、毎日会っている人との関係を言っているように思う。

 明日があるかもしれないが、今日のこの出会いはただ1回である。明日のあなたとの出会いはまた別の出会いである。
 そんなことを年中考えると疲れるが、時々ちょこっと考えてみると、人間関係がまた違ったものになるかもしれない。

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