入試改革、一つ増やすなら一つ減らそうよ

 東京都立高校が英語の入試にスピーキングを導入することを検討している。
 まあ、「読む・書く・話す・聞く」の4技能ってやつが今の流行りであるから、そうなるだろうねという話だ。
 これでまた、塾が提供しなければならないサービスが増える。

 都立高校入試は、私のように埼玉を中心に活動している者からみると、本当に面倒くさい。
 たとえば、試験日程ひとつをとっても「推薦入試」(1月26・27日)、「第一次募集及び分割前期」(2月23日)、「第二次募集及び分割後期」(3月9日)と、3つある。
 「推薦入試」では、個人面接や集団討論、学校により小論文(作文)や実技が課せられる。「一般入試」の方では、学力検査があるが、日比谷・西など一部の学校は、英数国を自校作成問題で実施する(理社は全都共通)。男女別定員があったりもする(緩和の方向だが)。
 これにまた、別日程で英語スピーキングを入れようというのだから、一体どこまで面倒くさくすれば気が済むんだという感じだ。

 その一方で、例の採点ミス問題の影響から、マークシート方式を採用するようになった(自校作成校は除く)。記述・論述を増やすのが流れだろうに、そっちはどうなってるんだ。

 何度も言っているように、生徒の多様な能力を評価してあげるのはいい。先々のことを考えて、「思考力・判断力・表現力」を試す問題を出すのもいい。
 だが、皮肉なことに、そうやって生徒のことをいろいろ考えてあげようとすると、入試はどんどん複雑なものになり、いろんな対策を取らなきゃいけないから生徒の負担を増やすことにもなる。

 中学校の先生だって大変だ。今だって死にそうなぐらい働いているのに。

 さて、そうなると、ここはやっぱり塾の出番かな。
 情報集めて分析して、すっきりと保護者に説明してあげなくちゃいけない。面接や討論、小論文・作文の練習をしてあげなくちゃいけない。英語はリスニングに加えてスピーキング対策だ。
 教育委員会は、まさか塾の商機拡大のために改革を進めているわけではないだろうが、結果はそういうことになってしまう。

 いや、特別な対策をしなくても日々の中学校での学習で十分対応できますよというのは、現場や世の中の実態を見ない「机上の空論」というやつだ。
 英語のスピーキングに関しては言えば、選抜する側からすれば、時代の流れを考えれば当然ということなのだろうが、生徒の側からすれば、また一つ対策を講ずべき課題が増えることになる。

 一つ増やすなら、何か一つ減らそうよ。
 そういう発想を持ってもらいたいものだ。

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シンプル

都立の入試がそれほど複雑になっているとは知りませんでした。そういえば、マークシート・・。ありましたね。

我が家は埼玉の端っこに位置し、100メートルも歩けばそこは東京都。通った個人塾も東京都内でした。

塾生も東京生徒が7割、埼玉3割といったところでしょうか。先生方は例年年明けともなると東京と埼玉と両方の対策で本当に大変だと思います。

東京の子達が受験の日程が終わり、入試前のさいごの1週間ぐらいは埼玉の子達が先生方を独占できますが、その前は、逆に東京都の子達の方に力を入れるので、先生方のご負担は
かなり大きいのでは、と思います。

追試のこともふくめ、入試を実施する高校側もまた負担が増えることになるのでは、と気になります。

誰のための試験なのか、ということに立ち戻って、シンプルに、シンプルにしてほしいものです。
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梅野弘之

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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