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「夢があったら他人の意見を聞いたら」、そうかな?

 映画に特別な興味を持たない私は、アカデミア―賞にメーキャップ&ヘアスタイリング部門があることを、今回、辻一弘さんの受賞が報じられて初めて知ったのである。
 世の中には、いろんな才能やいろんな職業があるものだ。

 辻さんは夢の実現について、「夢があったら絶対に他人の意見は聞かないように。自分に正直に、自分の心に聞いて決定すべき。親でも友達でも先生でも絶対に聞いたらダメです」と語っているそうだ。

 ネットの記事から拾ったものなので、真偽のほどは五分五分、つまり取材者・執筆者がどこまで辻さんの意図を正確に伝えているかに疑問は残るのだが、仮にこの言葉通りだとすれば、「絶対に他人の意見は聞かないように」というのは、どうなのかなと思う。「自分の心に聞いて決定すべき」は大いにうなずけるが、「親でも友達でも先生でも絶対に聞いたらダメ」というのは、大人じゃないな。

 私は偉業にケチをつけるつもりはさらさらない。自分のしたことじゃないが、日本人として素直に嬉しい。
 ただ、こういう発言(仮に本当にあったとして)、あるいは、こういう記事は、若い人たちに誤解を与えるんじゃないかと、そこを心配している。

 夢があろうがなかろうが、他人の意見は聞かないより聞いたほうがいい。ただし、聞くことと、それに従うことは別である。

 たまたま辻さんの周りには、「そんなの無理」、「食ってけないぞ」、「もっと堅実な道を歩め」と否定的な意見を述べる人が多かったのだろう。それに従っていたら、おそらく今日の栄誉を手にすることはなかった。だが辻さんは、めげずに「なにくそ」と努力した。そこは立派だ。

 しかし、だからと言って、成功するには他人の意見は聞かないほうがいいという結論にはならないわけで、成功の確率としては、まったく聞かないよりは、たくさん聞いた方が高くなる。

 「親や先生に聞いたら絶対ダメ」
 そんなことはない。
 才能を伸ばせたのも、潰されなかったのも、そういう環境を作ってくれた親や先生のおかげかもしれないじゃないか。
 先生の「やめとけ」は、生徒の本気を試し、「なにくそ」を引き出すための言葉でもあるわけだ。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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