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浦高・一女の共学化、話題性あるが今はそんな場合ではないでしょう

 浦高や浦和一女が共学化されるんじゃないか。
 と、ネットの掲示板などが騒々しくなっているようなので、噂ではなく事実をお伝えしておこう。

 火元はここだろう。
 WEB版の埼玉新聞ニュース(4月27日付)。
 以下、引用。

 県立高10~13校減へ 県教委29年4月まで
 少子化で統合進める 男女別学の伝統校の共学化検討か

 (筆者注:同日付本紙、つまり紙の方の新聞の1面に同じ記事があるが、こちらの見出しには「男女別学の伝統校の共学化検討か」の文言はない。また、赤字は筆者によるものである)

 県教育委員会は26日、2029年4月までに県立高校(全日制)を現在の134校から10~13校減らし、統合する再編整備を進めることを明らかにした。少子化により、今後も生徒数の減少が見込まれることが再編整備の最大の要因。
 県教育局は「生徒数が少ないとしっかりした教育環境を保てなくなる」と一定の学校規模を確保、維持することが必要と判断した。近県でも男女別学の共学化や統合化が進み、埼玉県も男女別学の伝統校の共学化に向けた検討が進められるとみられる。
 今後、高校や市町村に周知して地域の状況を把握し、同局で再編整備について議論、検討していく。

 同局魅力ある高校づくり課によると、少子化などの影響で、県内公立中学校卒業者数は17年3月の約6万2千人から、12年後の29年3月には約5万6千人と、6千人程度減ることが見込まれている。
 そのため、1学年当たり6~8クラス(地域によって4クラス)程度の規模を下回る学校について、生徒募集の状況や地域の生徒減少率、学校の状況を考慮しながら近隣校との統合などを検討する。

 同課は「生徒数が少ないと、教員の減員や部活動の縮小など、子どもの教育環境をしっかり維持することができない。学校規模を保つことが必要」と狙いを話す。

 29年4月までに段階的に現在の134校を121~124校程度にすると想定。県内を東西南北・秩父の四つの地域に区分し、北部・秩父地域から2~3校、その他の各地域から2~4校ずつを対象にし統合を検討していく。

 検討の観点として、(1)生徒募集が困難な状況で将来もその傾向が続くと見込まれることから、教育の活性化のため適正な学校規模を維持する(2)地域・県民の期待や社会のニーズに対応した特色ある学校を設置する(3)近隣に同様の教育内容を持つ学校・学科が存在するため、活性化・特色化を図る―の3点を挙げた。

 本年度中に高校や市町村を訪問し、再編整備の進め方を周知するとともに学校や地域の状況を把握。また小中学生の保護者をはじめ幅広く県民から意見を聞く。その上で19年度以降、県民コメントを募集しながら具体的な「第1期実施方策」を策定する。

 浦和や浦和一女など、県内には全国的に珍しい男女別学の県立高校が多くある。男子校、女子校の共学化も再編整備の検討対象になるとみられる。

 県教委はこれまで、1999~13年度の「21世紀いきいきハイスクール構想」に基づき、3期に分けて再編整備を行った。その結果、県立高校(全日制)は153校(02年度)から134校になった。

 以上、引用おわり。

 この記事の元になっているのは、県教委が発表した「魅力ある県立学校づくり実施方策策定に向けて(再編整備の進め方)」である。
 時間のある方は、下にリンクを貼っておいたので、これをじっくりお読みいただきたい。

 魅力ある県立学校づくり実施方策策定に向けて(再編整備の進め方)

 記事はおおむね、この「魅力ある学校づくり実施方策策定に向けて(再編整備の進め方)」(以下「再編整備の進め方」)に沿って書かれている。
 簡単にまとめると、次のような内容である。
 ●少子化により今後さらに生徒数の減少が見込まれる
 ●生徒数が少ないと教育環境が維持できない(先生が減員される、部活動が成り立たないなど)
 ●教育環境の維持のためには学校規模を保つことが必要である
 ●そのため一定規模(基本6~8クラス)を下回る学校については近隣校との統合を検討する
 ●2029年度までに段階的に134校を121~124校程度にする
 ●来年度(2019年度)以降、具体的な方策を策定する

 ここで、重要な指摘をしておこう。
 「再編整備の進め方」の中で、男女別学校の共学化については、一言も触れられていない。一行も、一文字も書かれていない。
 ということは、今後約10年かけて行われる統廃合の検討対象ではないということだ

 10年、20年先、あるいはもっと先、すなわち、今の受験生が親になるころには世の中もまた変わっているだろうから、別の観点から議論になる可能性はあるが、現在の緊急課題は、生徒数に対して多すぎる学校数をいかにして減らすかということだ。

 学校というのは、定員を満たそうが、定員を割ろうが、かかる経費はほとんど変わらない。定員の半分しか生徒が集まらない学校は、半分の経費で運営できるかというと、そうはならならず、民間で言えば赤字経営となる。
 公立学校の経営原資は税金であるから、赤字経営の学校を減らすことは、納税者のためである。

 しかし一方、公立学校の使命として、地域や県民の幅広い期待やニーズに応えなければならない。生徒が少ない、集まらないというだけで簡単に廃校というわけにはいかない。たとえば、定時制に進む生徒が少ないからという理由だけで廃止してはいけないのである。民間(私立)がやらない、あるいは、できないことをやるのは公立の責任でもある。

 という難しい問題をかかえながら、さあ、これから県民の皆さんと一緒に考えて行きましょうというのが今回の県教委の発表なのである。

 さてそうなると、新聞記事の「共学化も検討か」は何なのだという話になる。
 共学化のことは記事本文に2か所あり、WEB版では見出しにもなっている。
 そりゃ驚くわ。
 
 ただ注意して見ると、「検討か」、「検討が進められるとみられる」、「検討対象になるとみられる」と書かれている。
 「再編整備の進め方」の公式発表にはないが、周辺取材によって、記者はそのような感触を得たのであろう。

 ここからは想像だが、記者会見のような正式な場ではない別の場所で、記者の「共学化についてはどうなるのですか」というような質問に対して、県教委のそれなりの地位にある人が、「いずれ検討される内容でしょうね」といった回答をしたのだろう。
 それはそうだ。すべての課題は検討されなければならないのだから、そうとしか言いようがない。

 だが、そうなると記者としては、読まれる記事にしなければならないから、多くの人が興味を持つであろう「共学化」の話題を記事に入れたくなる。ただし、「今回それも含めて検討する」という、言質(げんち)を取ったわけではないので、「検討か」とか「進めるとみられる」という表現にとどめた。
 大方、こんなところだろう。

 長くなってきたので結論を急ぐが、県教委としては別学校の共学化を緊急課題として考えているわけではない。遠い将来のことは誰も分からないが、前述したように喫緊(きっきん)の課題は、生徒が集まらなくなった学校の統廃合だ。

 共学化というとすぐに浦高は? 一女は? となるが、別学の上位校は人気を維持しており、教育環境に問題が生じているわけではない。
 それよりも、10月の希望調査で0.65倍(最終1.01倍)だった久喜、同じく0.46倍(最終0.93)だった鴻巣女子(普通科)のように、定員割れ又はすれすれの女子校の方が問題で、この状態が続くようであれば、女子校だからという理由ではなく、教育環境に問題が生じるという理由で共学化を含む再編が検討されなくてはならないだろう。
 

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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