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センシティブなテーマの扱いに熟練の技を見た

 20180918松山女子

 松山女子高校に行ってきた。

 特進クラス2年生・現代文の授業。
 担当は柿崎伸夫先生。

 特進と聞いて、オヤっと思われた方もいると思うが、今どきは公立にだって特進はあるんですよ。
 ただし、私立とは異なり、入学後に希望をとり、成績順で編成するという形で8クラス中1クラス(40人)がそれに当たる。週2回7限まで授業がある。

 今日の授業では、「虐待」という、きわめてセンシティブなテーマを扱っていた
 この「危険!取扱注意」の題材を、展開の読みにくいアクティブラーニングの形式でやろうというのだから、先生の方にも相当な覚悟があるのだろう。
 一歩間違えれば、生徒を傷つけ、取り返しのつかない事態を招いてしまうかもしれないのだ。

 だが、そこは教員生活31年目の大ベテランだ。
 先生は、生徒一人ひとりの発言を細大漏らさず拾い上げ、それに対し、慎重に言葉を選び、表情や仕草にも細心の注意を払い、巧みに板書を交えながら、さらには立ち位置さえ微妙に変えながら、答えて行く。
 これは、ちょっとやそっとで真似できるような技ではないな。
 後で聞いたら、先生は演劇部の顧問もされているそうだ。なるほど、上質の舞台を観ているような気分になったのはそのせいか。

 難しいテーマだが、生徒の表情は明るい。グループ討議の場面を観察していると、全く発言しない、いわゆる「お客さん状態」になっている生徒が一人もいない。一人一人の発言回数も非常に多い。

 ただし、生徒たちは時々方向を見失う。
 自分たちはどこに向かい、どこに着地すればいいの?
 無理もない。大人が考えたって難しい問題に挑んでいるのだから。
 しかし、こんな時でも、先生は安易に助け舟を出したりはしない。とことん迷わせる。考えさせる。
 やがて生徒は、先生の小さな一言の中にわずかな光明を見出し、そこから再び前進を始める。

 というような授業を、ビシッと50分の枠内に収めてみせるというのが、実は一番難しいところなのだが、先生がそれを寸分の狂いもなくやってのけたというのが、今日一番の感動ポイントだ。
 若手の勢いのある授業もいいが、こういう渋いのもいいね。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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