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大阪府は入試を利用して全国学力テストの成績を上げようとしている

 大阪府が全国学力テストの結果を高校入試の内申点に反映させるということだ。

 まずこれは、中学校での成績評価(要するに通信簿のつけ方)が相対評価から絶対評価に変わるということから考え始めなければならない。

 本ブログ読者は教育関係者が多いと思われるので、今さらの説明となるが、相対評価は「5」は何人(%)、「4」は何人(%)と、その評定をつける割合を定める方式である。絶対評価にその定めはなく、目標に達していると判断すれば「5」を何人につけてもかまわない。極端に言えば、クラス全員が「5」でもいいわけである。

 自身の経験も踏まえて言えば、先生は生徒に対して、できるだけ良い成績をつけてあげたいものである。(高校は昔から絶対評価である)
 それは決して成績を甘くつけて「生徒受け」を狙っているというのではなく、良い成績をつけてあげたほうが、それを励みに、さらに勉強するようになる生徒が多いことを知っているからである。

 このように絶対評価には利点もあるのだが、欠点もある。特に、これが入試に利用されるということになると、その欠点が増幅される。

 いわゆる内申点が、入試において一定の重みを持つとすれば、生徒の合格を後押しするために中学校の先生は、今までよりも良い成績をつけることになるだろう。簡単に言えば、甘くなるのである。
 埼玉県においても、10年前から中学校の評価が相対評価から絶対評価に変わったのだが、以後、高校側から、成績のつけ方が甘い、中学校ごとにつけ方にばらつきがあり、これを同列に扱うと適正な合否判断ができないといった声が聞かれるようになった。
こ うした事情もあって、埼玉県では、次第に内申点より学力検査の重きを置いた選考方法に移行するのである。

 絶対評価は、単に生徒の成績をつけるというだけなら、特に問題のない方法なのだが、これが入試に用いられることになると、中学校間の格差や、つけ方のばらつきを、どう調整し、公平化を図るかという問題に直面する。

 そこで、大阪府が考えたのが、全国学力テストの結果を利用して、中学校間の格差や、つけ方のばらつきを補正しようという方法だ。

 結論から言えば、好ましくない。全国学力テストの活用の仕方として間違っていると思う。

 どうしても内申点の補正にこだわるなら、5教科の全府統一試験のようなものを実施したらいい。
 相対評価のままでもいい。
 学力検査中心で、調査書(内申書)は、部活や生徒会活動など生徒の特徴を把握するための資料としてのみ扱うという方法もある。

 どうも大阪府は、全国学力テストの成績を上げるということに、こだわり過ぎているように思える。
 たしかに、毎年、最下位付近をうろついているわけだから、気持ちは分からないでもない。東京と並んで「都」になろうと言っているのに、この成績はなんだという話である。

 新聞・テレビでは、全国学力テストを入試に利用するといった形で報道されているが、それは逆で、入試を利用して全国学力テストの成績を上げようとしているというのが本当のところだろう。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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