長文問題、よく出る作家は文豪じゃない

 民進党の村田蓮舫は、代表になっても蓮舫でいくつもりらしい。だったら、かれらが自民党のことを言う時は、安倍ではなく晋三と言わなければバランスが取れない。
 「ストップ晋三!」、「晋三止めろ!」。
 なんだか物騒だな。


 入試の国語の話を続けよう。
 どの県でも、配点の半分を長文読解問題が占める。小説の読解と、論説文の読解の両方が出されるのも同じ。

 小説の読解については、28年度に面白いことが起こった。神奈川県と千葉県の問題の出典が、共に「春や春」(森谷明子)だったことだ。
 が、実を言うと、こういう現象は今までもたびたび起きている。お互い相談の上で入試問題を作っているわけではないので、ありうることなのだ。

 平成24年度の埼玉県は、「鉄のしぶきがはねる」(まはら三桃)からだったが、茨城県も同じ出典だった。それだけでなく、兵庫県、香川県、熊本県も。どうやら、まはら三桃さんは出題者好みの作家らしく、翌25年度も「鷹のように帆をあげて」が、岡山県、徳島県、宮崎県で出ている。
 「鉄のしぶきがはねる」は、平成23年度の坪田譲治文学賞受賞作品だが、同文学賞受賞作品では、平成18年度の「空をつかむまで」(関口尚)が、翌年の入試で、兵庫県など6県の問題の出典となった。ちなみに同文学賞の最新の受賞作品は、「いとの森の家」(東直子)である。

 瀬尾まいこ浅井リョウ豊島ミオ。このあたりはよく出る作家かな。あと、小川洋子平田オリザ伊集院静など。

 小説の読解問題では、夏目漱石とか谷崎潤一郎とか川端康成とか三島由紀夫とか、文豪・大作家の作品は出ない。
 出やすいのは、最近の作家の最近刊行され注目された作品である。もちろん、主人公は圧倒的に中高生である。中身は、部活モノ、挑戦モノが主流。

 論説の読解問題では、「なつかしい時間」(長田弘) 、「哲学のヒント」(藤田正勝)が、5~6県で同時に出るということがあった。両作品とも岩波新書から刊行されている。出題者は岩波新書がお好みである。
 ここ1年以内の岩波新書だと、「新しい幸福論」(橘木俊詔)「学びとは何か」(今井むつみ)「考え方の教室」(斎藤孝)あたりからは出題できそう。

 まあ長文読解の場合、あらかじめその作品を読んでいても、ほとんどアドバンテージはないわけだが、時間があれば読んでみよう。

受験のわき役、国語について考える

 連休中にも関わらず、本ブログを訪問していただいた皆様に感謝します。
 旅先で見てくれている人もいるかもしれない。

 いま私は、来月発行される受験生向け新聞(「よみうり進学メディア」)の原稿を書いている。テーマは、国語の勉強について。
 もしかしたら、原稿はボツになるかもしれない。単なる物書きである私は、発行元である読売エージェンシーの「S條さん」というエライ人の命令に従わなくてはならないのだ。
 だから、ボツになったときのために、こっちに書いておこう。

 国語の勉強の仕方が分からないという受験生は多い。
 国語は何とかなると高をくくっている受験生もいる。国語はやってもやらなくても同じと言い放つものもいる。
 かわいそうな国語。仲間はずれの国語。

 主要5教科とか3教科には入れてもらっているが、主役はいつも数学と英語。
 俺たちも数学や英語なみに、もっと大事に扱ってくれよ、こっちも注目してくれよ、みんな同じ100点じゃないか、と国語は泣いている。

 よしわかった。じゃあ今日は国語を主役にしてやろう。

 まず国語に対する世間の誤解は、いつも平均点が高いことにありそうだ。
 受験界では、平均点が高い教科はバカにされるんだよ。それが言い過ぎなら軽く見られる。

 たとえば東京の都立入試でも、国語74点、数学61点、英語52点だろう(小数第二位四捨五入)。負けてるよ。理科・社会にも負けてる。
 埼玉県の公立入試でも、国語58点、数学51点、英語57点で、英語とはいい勝負だったが、やっぱり負けてる。ただ28年度は、理科が39点というとんでもない数字を出した一方、社会が64点という前代未聞の高得点を出したため、最下位(最高の平均点)はまぬがれた。

 とにかく、平均点が高いイコール「簡単」と見られるのが受験界の常で、それで、「国語はそんなに頑張らなくても出来るんじゃないの」と軽く扱われてしまうのである。

 ただ、ここで注意しなければいけないのは、平均点とはどういう数字かということだ。
 50点の人が2人で平均50点。70点の人と30点の100点の人と0点の人で平均50点。人で平均50点。
 つまり、平均点が高いということは、必ずしも差がついていないということじゃないんだね。そこを考えておかなければいけない。

 まあ少し専門的に言うと、国語の場合、50点の人が2人で平均50点というのに割と近いわけだが、とにかく、平均点だけを見て判断してはいけないということを言っておいて、今日はここまで。

国語・漢字問題、5問中3問で過去の近隣都県との重複があった

 昨日の埼玉県公立入試の問題について。
 印象の新しいうちに、気づいたことを書いておこう思う。

 まず国語から。
1 漢字の問題 
 埼玉県では過去に出された問題が再び出るケースはなく、また過去に他県で出た問題が出るケースも少なかったのだが、今年はちょっと違っていた。

◆「均衡」の読み:最近では栃木(25年度)で出ている。10年以上さかのぼると、埼玉・東京でも出ている。
◆「諭す」の読み:これも栃木(25年度)で出題済み。千葉でも出たことがある。
◆「操る」の書き:近いところで千葉(26年度後期)。埼玉・東京・栃木で出たことがある。

 漢字ではそのほかに「助長」を書かせる問題もあったが、これは故事成語の問題とも言えるのかな。
 昔、中国(宋の国)のある男が、苗の成長が遅いのを心配して、助けるつもりで引っこ抜いちゃったというお話。
 だから、本来は良い意味ではないのだが、最近では「成長を助ける」という良い意味で使う人も増えてきた。
 落ち着いて考えれば何でもない問題だが、すぐには思い浮かばなかった人も多いのではないか。

2 作文の問題 
 今年は順番から言って、グラフを基に意見を書かせる問題。これは誰もが予想したとおり。
 ただ、今までのパターンだと、「働く理由」とか「勉強する理由」などのアンケート集計結果が示されるのが普通で、受験生は、その中から自分の考えに近いものをチョイスして書けばよかった。だが、今回はその手が使えない。

 グラフが意味するところを読み取る力も必要だったので、そこで少し時間を使ってしまったかもしれない。
 しかし、ちょっと落ち着いてながめてみれば、家庭ごみの半分以上は、容器(容れるものだったり、包むものだったり)だということが読み取れる。
 そうなれば、無駄な容器や包み紙を使わないことにしたら、家庭ごみはずいぶんと減らせるんじゃないかということになり、あとはその線に沿って意見を述べて行けばいい。
 去年のように、3つの中から意見を選び、それについて書くという形ではなかったので、正解率・通過率はやや下がるかもしれない。

平成27年度埼玉県公立高校入試、国語作文の採点はどうなる

 私は、この1年間、作文は5~6分で書ける。16点満点も可能。
 このように言い続け、実際に作文指導もしてきた。
 さて、受験生諸君は満点をとれる(という自信を持った)作文を書けただろうか。

 今年のお題は「百年後の日本に残したいもの」について自分の考えを述べるというもの。

 まず3つの意見が提示されている。
 いきなり書けと言われても無理なので、書くためのヒントを与えてくれていると思えばいい。
 1 美しい自然の風景
 2 歴史ある町並みや建築
 3 伝統的な祭りや芸能

 最初の段落で、以上3つの中から、あなたの選んだ意見を書けと注意事項にある。
 何度も言っていることだが、どれを選んだかは採点外である。つまり、どれを選んでも、有利不利はなし。

 「私は、1の美しい自然の風景を選びました」のように書いてもいいが、無駄に字数を使ってしまうから、「私は1の意見を選びました」、あるいは「私は1を選びました」でもいいだろう。
 要するに、どれを選んだかを明らかにすればいいのであって、ここの表現の仕方は、採点上、それほど重視されるものではない。

 問題文に、選んだ理由も含めてとあるので、ここはしっかり書かなければならない。
 「私は1を選びました」の後に、「なぜならば」とか、「その理由は」と続け、「だからです」と結ぶ。
 「~」の部分に、選んだ理由が入るわけだが、これは良い理由だとか、この理由はあまりよくない理由だとかは、採点上、重視されるものではないから、もっと上手に書けばよかったとか、ほかの理由にしておけばよかったなどと余計な心配をしないほうがいい。

 それよりも、書いたことが、ちゃんと理由になっているかどうかだ。
 たとえば、「美しい自然の風景」を残したい理由が、「一度壊すと二度とよみがえらないから」なら、理由になっているだろう。「これこそが日本が世界に誇れるものだから」なども、理由になっている。
 選んだ理由は、人それぞれであっていいのだ。
 だが、「私は自然が大好きだから」とか「美しい自然に心をいやされるから」などというのは、個人の趣味や感想を言っているだけだから、ここでは理由を書いたとはみなされないだろう。

 ただし、個人の感想であっても、もう一つの必須条件である(自分の体験をふまえて)の部分で書くならばOKだ。
 つまり、第一段落で選んだ意見と、選んだ理由を書いたら、第二段落では、自分がなぜそのような考えを持つに至ったかを書くわけだから、ここでは個人的なことを書いていいわけだ。というより、書かなければならないのだ。

 体験はどんなものでもいい。この体験はいい、この体験は悪い、そういうことよりも、大事なのは、その体験が、あなたの考えときちんと結びつくものであるかどうかだ。
 ここは非常に重要な部分で、体験を書くのに一生懸命で、(あなたの意見)がちゃんと書かれていない作文が多い。
「これこれ、こういう体験をしました」に続けて、「私はそれ以来、こうするべきだと考えるようになりました」といった内容が続かなければならない。
 この作文は、いくつかの条件を満たしながら(あなたの意見)を書く作文であるから、「私は、このように思います」とか「私は、このように考えます」という表現が、どこかになければおかしいのである。

 採点の手引きにあるように、選んだ理由をもとにして、その理由を含めて自分の考えが書かれていなければ8点減点、自分の体験をふまえて書かれていなければ8点減点である。逆に、これを満たしていれば、減点なしとなる。

 段落数は、2段落でも3段落でもどちらでもいい。ただし、(段落や構成に注意して)とあるから、1段落ではまずい。それでは段落や構成に注意したことにはならないからだ。

 国語作文の具体的な採点の仕方は、学校によってかなり違うので、これ以上のことは分からない。

小説読解は、「心情」と「理由」が問われる

 約束であるから、国語の勉強法の続きを書いておこう。
 というわけで、今日のこのブログは完全受験生向けである
 
 国語の長文読解。
 長文読解の話だけに、長文になるので、覚悟を決めて読んでもらいたい。

 埼玉県では長文読解が毎年2問出題される。
 そのうち1問は「小説」、もう1問は「論説文」(説明的文章)である。

 一度に両方の話はできないので、今日は、大問1の小説について話すことにする。

 長文読解の問題は、まず設問から読めとアドバイスする人がいる。個人的にはあまり賛成しないが、それも一つの方法ではあるだろう。
 しかし、設問なんか見なくても、最初から何を聞かれるかは分かっているというのが、今日の話の主題である。

 次の設問を見てもらおう。
 26年度(前年)の大問1の設問である。前後を省略してあるので、詳しくは過去問題集で確認してほしい。
問1 ~喜樹の心情を説明した文として最も適切なものを~
問2 ~この時の喜樹の心情を、次のようにまとめました~
問4 ~喜樹の言葉を打ち消した理由をまとめたものです~
問5 ~このときの喜樹の心情を説明した文として最も適切なものを~

 もう、結論が出てしまった。
 小説の長文読解では、主人公の「心情」と、主人公がとった、ある行動や言動に関して、その「理由」が問われる。

 1年分では安心できないという人のために、それ以前のものも見ておこう。
◆25年度
問4 ~このときのツバサの心情を次のようにまとめました~
◆24年度
問1 ~「目を疑った」理由として最も適切なものを~
問2 ~このときの心(しん)の感情を説明したものです~
問3 ~幼いころと今とを比べてどう変わったのかを~
問4 ~このときの心(しん)の心情を説明した文として最も適切なものを~
◆23年度(前期)
問1 ~これは「私の」どのような心情を表わしていますか~
問4 ~「私」がこのように思った理由をまとめたものです~
◆23年度(後期)
問4 ~「私」が無口になってしまった理由を~
問5 ~このときの「私」の心情を説明した文として最も適切なものを~
◆22年度(前期)
問1 ~少年が間違いを怖れなくなった理由として~
問2 ~少年の気持ちや行動の変化を~
問5 ~少年にとって意味深い印であった理由を~
◆22年度(後期)
問2 ~「僕」がそうなった理由を次のように~
問3 ~自覚されたのは、どのような理由からですか~
問4 ~「僕」はどうしてそのように考えたのですか~
問5 ~「僕」が久しぶりに再会したように感じた理由の説明として~

 ほら、「心情」と「理由」だらけだろう。来年も同じだよ。

 念のために説明しておくが、「心情」というのは、心の中で思っていること。
 つまり、心の中で思っていることだから、小説の文章の中では、ずばり「○○はこう思った」とは書いてないわけだ。だって、そう書いちゃったら、質問する意味がないもんね。

 問われるのが、「心情」と「理由」だということが分かっているんだから、問題文を読むときに、そこを強く意識しながら読む練習をすればいいんだ。ただ、何となく読むんじゃだめなんだ。
 今まで、みんなはどんな読み方してたんだろうね。でも、これからは、「心情」と「理由」のことを頭に入れて読むことにしよう。

 そもそも小説というのは、主人公の気持ちになって読むものなんだよ。もちろん、「何やってんだよ。そこ違うだろう」なんて、主人公に反発したくなることもあるけど、基本は、自分も主人公になったつもりで読む。
 主人公と自分が一体化すれば、「主人公の心情=自分の心情」だろう。そうすると、心情を問われる質問は、「あなたの気持ちはどうなのよ」っていう質問と同じってことになる。ちょっと話が難しいかな?

 でもね、私がこれまで実験した結果だと、「主人公が、場面場面で、どんな気持ちになったか。どう変化したかに注目しながら読みなさい」、「主人公がとった行動について、なぜそうしたのかを聞かれるから、そこにも注目して読みなさい」。この2つのアドバイスをしてから問題を解かせると、断然点数が上がるんだね。

 要するに、読み方というか、読むときの心構えとか意識の持ち方で、結果が全然違うと言うことだね。
 ぜひ、この方法を試してみてほしい。
プロフィール

梅野弘之

Author:梅野弘之
受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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