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専門学科シリーズ③「ここは会社か、大宮商業の授業」

 大宮商業高校を取材した。
 (詳細は中学生向け受験情報誌「よみうり進学メディア6月号埼玉版]に掲載)

 齋藤俊樹校長は30年以上前からの知り合いである。つまり今はやりの「お友達」というやつだ。
 「お友達」が校長だから取材したのかと言われれば、そのとおりだ。何か問題あるか。

 しかし、それとは別に、ずっと以前から気になっていたことがある。
 女子生徒のスカート丈と自転車のマナーだ。
 私はこの学校の前を車でよく通るのだが、生徒の自転車マナーがよく、スカート丈が今どきの女子高生にしては異常に長いのである。本当は異常ではなく正常なのだが、短いのを見続けていると長く見える。
 だから、どこかのタイミングで一度取材に行ってみようと思っていた。それが今日実現した。

 3年生の専門科目「総合実践」を見学した。
 案内の先生が、始まりのチャイムが鳴る前に、つまり休み時間中に当該の教室に行ってくれと言う。
 はい、分かりました。

 生徒が実習室に次々にやってくる。いや、出勤してくる。
 会社経営を実践的に学ぶこの授業では、生徒は社員なのだ。だから出勤。そういえば入口にタイムレコーダーがあった。

 なるほど。早めに行って出勤風景から見てくれということだったんだね。
 生徒はパソコンを立ち上げて、書類(ノートや資料のことだけど)を開いて、先生が4人ぐらい入ってきて、その状態で始まりのチャイムを聞く。

 全部が全部そういう授業ではないと思うが、専門科目の授業には、いわば「世の中が入り込んでる」わけだ。要所要所に社会の常識や会社の常識が入り込んできている。そのあたりが、学校の常識と若者の常識だけで動いている普通科との違いなんじゃなか。
 
 この授業で板書はなく、生徒、じゃなかった社員はメモを取っていた。世の中では当たり前のことだ。授業中イコール仕事中だから私語を交わすなんてこともない。

 私は生徒のマナーの良さを、厳しい生活指導の結果ではないかと想像していたが、どうやらそうではなく、日々の学びの中で身に付けたものであるようだ。やっぱり学校というのは行ってみないと分からないものだ。

 そもそも礼の仕方からして普通の高校生とは違う 
 20180517大宮商業01

 黒板見えませ~ん、なんて言わない  
 20180517大宮商業02

 授業のレポートは「営業日誌」、授業の内容は「業務内容」となる
 20180517大宮商業03

専門学科シリーズ②「久喜工業高校にはオンリーワン学科が2つ」

 今日の訪問校は、久喜工業高校。
 
 学校レポートの前に、頭の中を整理するために表を作ってみた。
 2018工業系学科設置校

 以上のように、埼玉県(公立)には「工業に関する学科」を設置する学校が14校ある。
 設置されている学科は全部で49学科である。
 もっとも多いのが「機械科」で10校、以下、「電気科」9校、「電子機械科」と「情報技術科」が6校、「建築科」4校の順となっている。
 
 オンリーワン、すなわち県内にこの学校だけという学科が10学科ある。
 浦和工業「設備システム科」
 川口工業「情報通信科」
 川越工業「化学科」
 久喜工業「工業化学科」
 久喜工業「環境科学科」
 熊谷工業「土木科」
 進修館「ものつくり科」
 進修館「情報メディア科」
 秩父農工科学「機械システム科」
 三郷工業技術「情報電子科」

 以上、整理し終わったところで久喜工業だ。
 5学科構成で、うち3つは「機械」「電気」「情報技術」と、他校にも多い学科。残りの2つが「工業化学」「環境科学」と、県内ではここにしかないオンリーワン学科となっている。

 一つしかない学科というのは説明が難しい。いや、説明が難しいのは私の知識が乏しいからだ。
 そこで、とりあえず写真で見せてしまおう。
 「環境科学科」の授業風景だ。
 20180510環境科学科 (3)

 ここは工場か作業場か、というのが工業系学科の一般的なイメージだと思うが、それに対し、工業化学科と環境科学科は研究所の雰囲気だ。
 生徒が作業着ではなく、白衣を着用しているせいかもしれないが、化学実験が必須だから当然だろう。検査・測定し分析などを黙々と行っている。旋盤など大きな機械を扱うことがないからか女子生徒の姿も目立つ。工業高校に学ぶ「リケジョ」だ。
 20180510工業化学科 (5)

 5学科の授業(実習)をすべて見て回ったが、素人の私でも旋盤や溶接ならすぐに学科は判明するが、回路の制作やプログラミングになると、情報技術なのか電気なのか、はたまた機械なのか、聞いてみないと分からない。
 これは繰り返すが、主に私の知識不足に起因するものだが、学科ごとの垣根はある面でものすごく低くなっているのも事実であるようだ。
 まあ、車がガソリンではなく電気で走り、すべてコンピュータで制御される時代だから、当然だろう。

 大出明校長先生が、今日の取材のためにわざわざ見学順路を考えてくれて、ずっとそばについて説明してくれたのだが、あまり気の利いた質問が出来なかった。勉強不足を痛感した。
 
 

専門学科シリーズ①「介護のプロ育てる誠和福祉高校」

 毎年5月恒例の専門学科を訪ねるシリーズ。
 (詳細は「よみうり進学メディア6月号]に掲載予定)

 昨日の訪問校は誠和福祉高校(羽生市)。県内唯一の福祉科を擁する学校だ。
 →誠和福祉高校のサイトへ
 30年度募集では、福祉科が80人定員に対し受験者61人、総合学科が120人定員に対し受験者105人と、苦戦を強いられている。

 今回、この学校を訪問することになったのには、あるきっかけがあった。
 昨年11月のことだ。大宮ソニックで産業教育フェアという専門学科を紹介するイベントが開かれ、私はそれを見に行った(その模様は本ブログでも紹介した)。
 →産業教育フェアを見に行った(2017年11月12日付)
 その際、何気なく展示を見ていた私に、「ご説明しましょうか」と声をかけてきた女子生徒がいた。
 「有難いけど、こんな爺さんでいいのかな、中学生とかに声をかけたほうがいいかもしれないよ」と内心思ったが、せっかくだから説明を受けることにした。
 実に見事だった。こんな言い方をしては申し訳ないが、その説明ぶりは、そこらの先生方より数段上であった。学校愛にあふれていた。福祉という仕事に対する誇りと情熱が感じられた。
 私はいつかこの情熱に応えなければならないと思ったのだが、その機会は意外に早くやってきた。それが今回の訪問だった。

 前置きが長くなった。
 
 介護福祉士は国家資格である。
 同校福祉科は2年次から、資格取得をめざす「介護福祉コース」と、福祉系への進学をめざす「福祉進学コース」に分かれる。
 今年は「介護福祉コース」を卒業した37人全員が国家試験に合格した。これで2年連続の全員合格だ。同試験の全国平均合格率は70.8%というから立派なことだ。
 ただし、そのための専門科目履修や実習があるため、週2日は7限まで授業がある。ただただ楽しい高校生ライフを満喫するというわけには行かないので、相応の覚悟は必要だ。

 施設を見学した。
 知識がないので、どれくらい最新で高性能な施設設備なのか分からないが、実習用の介護浴槽一つとっても数百万から1000万円くらいするという話を聞いたことがあるから、学校全体ではかなりの額の投資がなされているのだろう。公立だから可能な教育環境だ。
 20180508誠和福祉01

 専門科目の授業を見た。
 指導は実践的である。細かく具体的である。
 全体としては和やかな雰囲気と言えるが、弛みはない。生徒は先生の一言一言を聞き逃すまいと耳をそばだてる。一挙手一投足を見逃すまいと目をこらす。独特の緊張感が教室を覆う。
 かれらは、高校を出るや否や要介護者と向き合わなければならない。それが分かっているから授業は常に真剣勝負の場となる。
 2018誠和福祉02

 一人でも多くの中学生が、この道を志してくれると嬉しい。
 行きは同校北門から入り、帰りは南門から出たが、どうやらこちらは加須市のようだ。校内に川が流れていたので、そこが羽生市と加須市の境界らしい。
 2018誠和福祉05


 
 
 

最近の流行りは横長の教室なので黒板も横長

 見ろ、この長さ。こんだけ長い黒板、見たことないだろ。
 どうだ、参ったか!
 とは言っていなかったが、昨日取材に行った新・川口市立高校(来年4月開校)の普通教室の黒板だ。

 川口市立高校 黒板
 
 最近の流行りは、横長の教室で、新しく校舎を建設した学校はこの形が多い。これだと、タテに5人、ヨコに7列並んで35人、写真や動画のサイズで言うと「16:9」みたいな感じだ。テレビも昔と違って横長だし。

 そういう横長の教室に合わせると、黒板も横にのびて行く。
 横長の教室の端から端まで黒板だから、これだけの面積があれば、生徒から「消さないで~」とか言われなくて済みそうだが、先生には横のフットワークが求められる。
 週番も大変だぞ。普通サイズの黒板だったら、先生が書いては消し、消しては書きだからいいが、この長い黒板だと、先生は1時間分丸々残して行きそうだからな。休み時間に消すのが大変だ。

 プロジェクターは各教室の天井に付いている。長大黒板はそのままスクリーンとして使えるから、先生はタブレット一つ持って行くだけで済みそうだ。パソコン用には、教室の各所のこれでもかとコンセントが設置されている。
 生徒はスマホの充電が便利になる。学校中どこでもWiFiがつながるから動画も見放題、ゲームもやり放題。いや、待てよ。たぶん、スマホは禁止だろう。
.
 私もこういう環境で授業をやってみたかったな。
 ただ、環境がどんなに整っても、教える中身が貧弱じゃあ話にならない。「最先端の授業」ってやつの本当の意味を忘れちゃいけないってことだ。

 川口市が総工費200億円を投じ、市の威信をかけて作った新しい学校だ。税金の無駄遣いなどと言われないように、いい学校を作ってもらおうじゃないか。
 昨日は、結構隅々まで見学させてもらったのだが、肝心な生徒たちへの公開はまだのようなので、この程度にしておこう。

 トイレがウオシュレットじゃなかったのが残念。

浦和一女における女子の特性を生かした教育

 浦和一女に行ってきた。私の事務所からもっとも近い学校である。
 「よみうり進学メディア11月号(進路指導特集)」の取材。今回は4校取材したが、すべての学校で校長先生に話を聞くことができた。

 女子校ならではの指導。
 いろいろ話を聞いて行くと、「こいつはどう見ても男子には向かんな」という指導法が次々と出てくる。

 たしかに自分の経験に照らしてみても、男子と女子では食いつく場面が違うし、学びのプロセスも異なる。
 歴史を教えていても、男子は対立や抗争、民族移動なんかには食いつきがいい。どんな武器を使ったかなんて話をしてやると身を乗り出してくる。地図も好きだ。女子はそういうのは興味なし。
 絵画などを見せてやると、女子は見るが男子はスルー。
 黒板にいっぱい書くと、男子には不評だが、女子には好評。

 スポーツの場面でも、男子は下手でも何でもとりあえずゲームやろうぜとなるが、女子は、きちんと技を練習したい。

 もちろん個人差はあるわけだが、男子と女子の差は確かにある。
 そこで、女子校においては、女子の特性を活かし、その能力を最大限に引き出す仕掛けを施せば、大きな成果を上げることが可能だということになる。

 近年、共学志向の女子が増え、女子校離れが深刻だと言われている。私立高校や大学の共学化も盛んだ。
 それが時代の流れなのかもしれないし、共学には共学の良さもある。だが、浦和一女のような学校を見ていると、やはり「女子校」というのも残しておく価値があると感じる。

 オマケ。
 私はほぼ毎日のように浦和一女生を見ている。早い生徒は朝7時から登校している。歩くスピードが速い。休日、部活に来るときも制服を着て来るのが決まりのようだ。鞄は自由のようでリュックサックが多い。夏場は日傘をさすのが流行している。駅前のパルコでは校章をはずしている生徒をときどき見かけるが制服でバレてる。

プロフィール

梅野弘之

Author:梅野弘之
受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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