商業科だけど英検全員受験の浦和商業

 毎年5月恒例の専門学科を訪ねるシリーズ。
 (詳細は「よみうり進学メディア6月号]に掲載予定)

 今日の訪問校は創立90年の伝統を誇る浦和商業だ。

 私の事務所は浦和駅近くにあるので、毎日、浦和一女、浦和麗明、浦和商業の生徒の登下校風景を見ている。
 かつての浦和商業の生徒は、自転車の二人乗りはするし、飲み食いしつつ大声で喋りながら歩いているし、お世辞にもお上品とは言えなかったが、最近はどうも様相が変わってきており、女子のスカートの長さも極端なミニもとんと見かけなくなった。

 何があったんだ、浦商。
 ということで、気になっていたことを確かめたいというのもあって、今回の訪問となった。

 なるほど。落ち着いた雰囲気だ。古い校舎だが清潔に保たれている。ゴミも落ちていない。物も壊れていない。校舎内外にくつろぎのスペースがあったりする。
 環境が人を育てるというが、限られた予算の中で、学びの環境づくりに腐心してきた様子が、随所に垣間見える。

 聞けば、梶校長は今年で在任5年目だという。在任期間2~3年が当たり前という昨今、異例の長期政権と言える。
 時間をかけ、ソフトな改革を続けてきた結果が、いまようやく実を結んできたということか。
 
 授業をのぞいてみる。
 さすが商業科・情報処理科の学校だけにパソコンなどはしっかり配備されている。
 専門科目は少人数クラスで行われているが、欲を言えば、複数教員によるダブル、トリプルティーチングを頻繁に行いたいところだろう。だが、生徒たちは、資格取得という明確な目標があるためか、実に真剣に取り組んでいる。

 資格と言えば、英検全員受験という方針をかかげていることは意外だった。
 「簿記も国際基準の時代なんですよ」
 そう言われれば、その通りだ。

 帰り際、校外に出て行こうとする男子生徒2人発見。
 はて? 早退でもするのか。
 「こんな時間にどこ行くの?」
 「はい、これから大会の抽選会に行きます」
 「何部?」
 「ボート部です」
 関東大会やインターハイにも出場する強豪部活だけに、受け答えもしっかりしているじゃないか。ガンバレよ。

 浦和商業04
 緑豊かな校内。管理も大変そうだ。

 浦和商業01
 パソコンたくさん。

 浦和商業02
 特別に屋上に上がらせてもらう。武蔵野線・埼京線の武蔵浦和駅がすぐ目の前。

 浦和商業03
 北側には浦和駅が間近に見える。「浦和・高台・二駅利用」、ぜいたくな立地だ。


今日もまた気合十分、体育の授業

 今日は当社の本業を一つ紹介させてもらおう。
 学校案内ビデオ制作のため県立川口高校へ。

 朝8時前から夕方6時過ぎまで、ディレクター・カメラマン・照明・音声など総勢7人により学校プロモーションビデオのための撮影を行う。ちなみに、私は戦力外だ。
 そこで、校長の案内で、施設と授業を見学。

 校舎5階から眺めると、校内も周辺も何とまあ緑に恵まれていることか。
 グランドの形が、なぜかちょっといびつだが、広さは十分だ。野球・サッカーラグビーが、互いに影響を受けることなく練習できる。
 
 この学校は諏訪山(すわやま)という小高い丘の上に立っている。
 生徒たちは坂道をギコギコ自転車をこぎながら通学してくるんだ。学園ドラマみたいに。

 グランドでは私の大好きな体育の授業が行われている。
 それにしても気合の入り方が半端じゃないな。ビシッと整列できてるし、声もよく出ている。それによく走る。
 もしかして部活?
 そう思ってしまうくらいだ。

 こういう授業にかぎって、先生は穏やかで、怒鳴ったりしないところが面白い。
 体育の先生の中には部活指導は熱心だが、授業はイマイチという人もいるが、この学校の体育の先生は、部活はもちろんだが、授業としての体育をものすごく真剣に考えていることがわかる。だから生徒の方も一生懸命になれるんだ。

 午後になって天気が怪しくなってきたので、撮影はスタッフに任せて、私は食堂でお昼をご馳走になって早々に引き上げてきた。

 県立川口 PV撮影
 撮影はこんな感じ。

 県立川口 緑多い
 新緑がまぶしい。癒されるね。

 県立川口 空き地
 ここは何?と聞いたら、「ただの空き地です」という答え。

 県立川口 体育の授業
 1年生の体育の授業。準備運動でスクワットとか倒立もやっていた。





 

公立は「質」を強く意識した生徒募集を考えるべきだ

 熊谷女子高校に行ってきた。
 駅から近い学校だし、歩きも含めて1時間もあればと計算していたが、人身事故のため高崎線のダイヤが大幅に乱れ、倍の2時間かかってしまった。

 熊谷女子高校は明治44年創立。浦和一女(明治33年)、川越女子(明治39年)などと並ぶ伝統校だ。卒業生も各界で活躍している。
 進学校であるが、先のリオ五輪にも2人の卒業生が出場するなど、文武両道を貫いている。

 ただ近ごろは、周辺の私立高校や、県南・中央部の公立(大宮など)に押され気味で、以前ほどの存在感がないように思われる。

 部活も盛んであるし、進学の方も、東北大医学部はじめ国公立55人など、しっかりと結果を出しているのだが、かつてほどの人気がないように思われる。残念なことである。

 熊谷女子が以前のようなステータスを取り戻すにはどうしたらいいか。
 もちろん、これは私が考えることではないが、一般論として言うならば、生徒募集活動を見直すことが急務であろう。

 公立の先生は、募集というものを量でしか見ない傾向があるようだ。量とは倍率のことである。よって、倍率が高ければ成功、低ければ失敗。
 確かに、募集の成否の多くは、受験者数にかかっているので、量は無視できない。しかし、もう一つ、質の問題も考えて見なければならない。

 この点では、圧倒的に私立の方が熱心であり、努力をしている。

 私立には、定員500人を超える学校がいくつもあることから、量に傾いた募集をしているようにも見えるが、いまの私立の関心事、質の方にある。少なくとも私はそのように見ている。

 より学力が高く、より目的意識の鮮明な生徒を募集する。昨今の私立の隆盛は、ここを強く意識した募集をしてきたからではないか。

 量よりも質に目を向けよ。
 公立の先生に一つアドバイスをするとすれば、これだ。

そろそろ校名から「総合」をはずしたらどうだ。

 伊奈学園総合高校に行ってきた。
 数年ぶりである。

 この学校、総合と名乗っているが、普通科のみの学校である。
 開校した当時は、総合を名乗る学校はここだけだった。総合の由来は、今でも続いている総合選択制というシステムにある。

 だがその後、普通科でもない、専門学科でもない、第三の学科として「総合学科」というものができて、川越総合・川口総合・滑川総合など、総合を名乗る学校が増えた。
 さらに、専門学科の中にも、新座総合技術・越谷総合技術・芸術総合など、総合を名乗る学校が出てきた。

 こうなると、もう訳が分からんな。
 だから私は、いっそ校名から総合をはずしたらどうかと前々から言っている。そうじゃないと、この学校を説明するときに、いちいち 「総合だけど普通科だからね」と言い続けなければならない。

 この学校ができたころ、私はまだ現職の教員だった。言葉を選ばずに言えば、規模といい、教育システムといい、とにかく実験的な学校が作られるというふれこみだった。
 おそらく日本全国から見学者が引きも切らなかったであろう。

 その実験は多くが成功を収めた。だから、それらが後々、あちらこちらの学校で取り入れられた。ところが、皮肉なことに、その成功は伊奈学園の斬新さを徐々に薄めて行くという結果を招いた。

 私が伊奈学園に望むのは、開校当初がそうであったように、常に実験的、革新的、先進的であってほしいということだ。図体のデカさだけで説明されるような学校では、パイロット校たる伊奈学園の名が泣くというものだ。

 というわけで、今日はいつになく厳しい要求をしてみた。

 伊奈学園 廊下
 教室移動が多いため、廊下はものすごく広く作られている。

 伊奈学園 図書館
 蔵書10万冊を誇る図書館。ちょっとした大学並み。

今までにない統合の形、「新・川口市立高校」

 今月2回目の市立川口高校訪問。
 平成30年度に現在の市立高校3校(市立川口・川口総合・県陽)が統合され、新・川口市立高校が誕生することは、前回訪問時のブログでも書いた。

 今日は、新校設立のための定例会議の後、3校の校長先生及び川口市教委の先生方に話を聞けることになったので取材に行ってきた。

 3校統合は、急逝した岡村幸四郎・前市長以来の構想だ。
 市の財政負担の軽減という目的がある。人口約57万人と埼玉県内では、さいたま市(127万人)に次ぐ大都市ではあるが、市立高校3校の維持は容易なことではない。

 などという話を書いてしまうと、どうも気分が盛り上がらないが、この3校の統合は、これまで埼玉県内で行われてきた公立高校の統合再編とは、決定的な違いがあるので、私はここに注目し、期待をしている。

 これまで公立高校の統廃合はいくつも行われてきた。
 だが、その実体は、統合される一方の学校の事実上の廃校であった。
 であれば、募集困難に陥り、再生不可能とみなされた学校だけを廃校すればよかろうと思うが、諸事情あってそれがかなわず、よくわからない「統廃合」という言い方をしてきた。

 その点、この3校はいずれも募集困難には陥っていない。28年度入試の倍率を見ても、市立川口1.20倍、県陽1.40倍、川口総合1.50倍と、いずれも全日制の平均倍率1.19倍を上回っている。
 部活動でも関東大会・全国大会に出場するチームや個人も多く、それを目当てに入学してくる生徒も多い。
 つまり、この3校は、廃校を迫られている学校ではない。それとはまったく逆で、元気満々な学校たちである。

 よって、過去に統廃合され、結果生き残った方の学校は、その後も決して楽な募集をしているとは言えないが、新・川口市立高校にその点での心配はないだろう。

 ただ元気な学校同士の統合だけに、それぞれの学校の良さを新校にどう取り入れて行くかが課題となるだろう。弱った学校同士の統廃合なら、いっそ過去を捨てて「ゼロからの出発」と思い切ることもできるが、その点が難しいところだ。
プロフィール

梅野弘之

Author:梅野弘之
受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
当ブログを訪問された方
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード