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埼玉栄で中高一貫校の強みを垣間見た

 カレンダー通り仕事中。
 お願いしたい案件あり埼玉栄中学高校を訪問。

 埼京線「西大宮駅」を降り、前方を眺める。
 あれ、何か変だな? なんだか別のところに来たみたい。なぜだろう。
 
 そうか。旧い校舎が取り壊されたんだ。
 2016年8月に新校舎が完成した後も、しばらくはそのままだったが、取り壊され、グラウンドになっていた。

 以前はこんな感じだったが、
 2018埼玉栄旧校舎
 
 こんな風に変わっていた
 2018学校訪問(平成30年5月2日) (2)コピー

 打ち合わせが終わり、校内をちょっとだけ巡回。
 中学2年生の社会(歴史)の授業を覗いてみると、ドイツにおけるファシズムの台頭のあたりをやっていた。

 ファシズムについては中学校(歴史)の教科書に載っているから、やっていて当然なのだが、板書された内容を見ると、高校の世界史と言っていいほどのレベル。
 もちろん、このままでは大学入試には届かないが、中学生としてはかなり高度な授業だ。
 
 ちなみに、ここまでと言っても分かりにくいと思うが、民主的と言われたワイマール憲法の下で、ヒトラー率いるナチス(国家社会主義ドイツ労働者党)がいかにして独裁政権を樹立し得たかを生徒にグイグイ質問しながら解き明かすといった授業だ。

 案内してくれた先生によると、ここは上位クラスだというが、それにしても、教科書をとりあえず終わらせるのが精いっぱいである公立中では、なかなかここまでの授業は成立するまい。
 
 埼玉県の公立高校入試では、教科書に出ているにもかかわらず、世界史がらみの出題がほとんどない(この1、2年多少変化の兆しは見られるが)。
 そのせいもあってか、産業革命も資本主義も市民革命も、さかのぼって宗教改革もルネサンスも、スッポリ抜けた形で高校に入ってくる。これは辛い。

 ほんのわずかの時間だったが、中高一貫校が大学受験で強みを発揮している秘密を垣間見た気がした。

大宮開成、プレゼン教育で「社会貢献への意欲を育てる」

 大宮開成中学高校の入試報告会に行ってきた。
 会場は大宮パレスホテル。

 この学校の大学進学実績の伸びについては改めて紹介するまでもないだろう。今春も東大2人をはじめ国公立に99人、早慶上智にも計124人の合格者(件数)を出している。
 松﨑洋右理事長は、ここ数年繰り返し「県下ナンバーワンの私学を目指す」と言っておられる。栄東、開智と並んで「埼玉の私立ご三家」と言われる日も近いと思われる。

 で、今日は進学の話ではなく、同校の「プレゼンテーション教育」について話そう。
 「大学入試にも対応」というタイトルで、(1)プレゼンテーション対応、(2)英語4技能対応、(3)毎週の「化学実験」が紹介された。
 「大学入試に対応」ではなく、「大学入試にも対応」というあたりがアピールポイントだろう。

 近年、大学入試にもプレゼンテーションが課される場合があるから、プレゼンテーション教育で鍛えられた分析力や論理的思考力や表現力は、大学入試対策として有効なのは間違いない。
 私が一番感心したのは、この教育を通じて「社会貢献への意欲を育てる」という一言だ。
 調べ、考え、議論し、発表する。その過程でいろんな能力が鍛えられる。それは分かった。では、そうして身に付けた能力を何のために使うのか。大学入試に使うだけなのか。
 そうじゃない、世の中のために使うのだ。

 プレゼン教育の話は、最近はどこの学校でも聞くが、その目的は「社会貢献への意欲を育てる」ことだと言い切ったのは、私の知る範囲ではこの学校だけだ。いいとこ突いてる。
 環境の問題や、貧困や格差の問題などに取り組みながら、「では、僕たち私たちがそれを解決しよう」、生徒たちがそう思ってくれたら素晴らしい。
 単に大学入試を乗り切るためのスキルとして教えているんじゃないよという姿勢、ぜひ貫いてほしい。

 帰途、浦和駅前でどこかの市民団体(主に若い女性だった)が、街頭アピールをしていた。
 「加計学園が認められたのはぁ~、理事長が首相のオトモダチだったからで~ス。そんなんで私たちの国はいいんでしょーかぁ。政治を国民の手に取り戻しましょ~ぉ(パチパチパチ)」
 って、ダメだこいつら。
 ちゃんとした教育受けてこないとこの程度っていう見本だ。

浦和麗明の新校舎お披露目の会に行ってきた

 浦和麗明高校の新校舎竣工祝賀会に行ってきた。
 新しい校舎と体育館ができたので教育関係者にお披露目ということだ。

 この学校、交通アクセスの良さという点では、県内私立の中では一番ではないかと思う。
 最寄駅は「浦和」(徒歩8分)と「南浦和」(徒歩10分)の2駅。「浦和」は、京浜東北線・高崎線・宇都宮線が利用できる。「南浦和」なら武蔵野線。私立によくあるスクールバスは、この学校には不要だ(ただし、別の理由で必要ありだが)。

 交通至便の裏返しで、敷地が狭く、古くからの住宅街にあるため建物の高さ制限があるのがこの学校のネックで、今度の新校舎も地上4階建てで、それがギリギリだ。
 敷地内にグランドがないので、体育の授業や部活(屋外競技)は、スクールバスで別の場所にある専用グランドに移動しなければならない。

 交通は「不便だが敷地は広々」を選ぶか、交通は「便利だが敷地は手狭」を選ぶか。「便利で広々」というのはなかなかないので、どちらを取るかは、それぞれの判断だ。

 同校は、今年度から男女共学となった。
 これを機に大学進学路線の強化を図る。

 さてここで、埼玉県民以外の方のために、「さいたま市」と「浦和」について、若干解説しておく(最近、本ブログの読者が県外にも増えているため)。

 「さいたま市」は、県庁所在地の「浦和市」と、鉄道の要衝「大宮市」、その間に挟まれた「与野市」が合併して出来た。あと、いつの間にか「岩槻市」も入ってきたのだが、未だにそのことに気づいていない人も多い。

 公立高校について言うと、「旧浦和市」には、県立浦和・浦和第一女子・市立浦和・浦和西、「旧大宮市」には大宮など、県を代表する進学校がある。
 一方、私立高校はどうかと言うと、「旧大宮市」にあるのが栄東と大宮開成、「旧与野市」にあるのが淑徳与野、「旧岩槻市」にあるのが開智、という具合で、「旧浦和市」には進学で鳴らす私立がない。唯一あるのが完全中高一貫の浦和明の星女子だが、その名の通り女子校なので、共学進学校というものはない。

 ということで、「旧浦和市」に、「浦和」の名を冠する私立の共学進学校を創ろうというのが、浦和麗明高校の目指すところである。
 浦和の住民からすると、公立で間に合ってるよ、というところだろうが、さて、この現状を打破できるかどうか。
 
 次回のブログで触れようと思うが、「さいたま市」(特に「旧浦和市」)は、県内でも断トツで中学生の学力が高い地域なので、地元の評価を得られれば、面白い存在になるのではないかと期待している。

 20180407浦和麗明001
 ↑表通りに面しているのは旧校舎(現在リニューアル中)
 
 20180407浦和麗明002
 新校舎は旧校舎の裏側に建てられた

 20180407浦和麗明004
 細い道を挟んで目の前に住宅街

 20180407浦和麗明003
 新校舎は、旧校舎にピッタリくっ付いている。右側が旧校舎の廊下。

花咲徳栄高校の卒業式に行ってきた

 高校生活最後の大イベント、卒業式。
 またの名を卒業証書授与式。
 
 なかなかスケジュール調整ができず、いろんな学校から招待受けるも出席がかなわずにいたが、今日は花咲徳栄高校の卒業式に行ってきた。
 最初、来賓でと言われて躊躇したが、壇上に上がる来賓は僅かで、その他大勢の来賓はフロアーに席が用意されていると聞き、ならばと安心し、甲子園を沸かせた清水達也君や西川愛也君を見られるかもというミーハー気分も手伝って出席と相成ったのである。

 国歌斉唱。
 学校によっては、「君が代斉唱」と言っているが、この学校は正しく「国歌斉唱」と言っている。卒業生はきちんと歌っている。私の席の間近に朗々と歌い上げる女子あり。コーラス部なのだろうか。聞きほれてしまった。演奏する吹奏楽部は、西関東大会金賞の実力派。

 卒業証書授与。
 担任が呼名し、卒業生代表1名が登壇して証書を受けるスタイル。昔、私の勤めていた高校では、全員が登壇し、一人一人受けるスタイルだったが、規模の大きな学校だと時間の関係で難しそうだ。

 賞状授与。
 成績優秀者、3年間皆勤者のほか、体育関係で実績のあった生徒の表彰。野球部エースの清水達也君や主将の千丸剛君、レスリングでインターハイ2連覇の石黒隼士君らが表彰された。

 校長式辞。
 田中一夫校長は、野口英世の言葉を引きながら、「目的」「正直」「忍耐」の大切さについて話された。

 この後、記念品授与・来賓祝辞・送辞と続き、卒業生答辞。
 答辞を読んだのは太刀岡蓮君。野球部優勝メンバーであるが、前生徒会長という立場から選ばれたのだろう。

 校歌斉唱。
 去年の夏、何度も聴いた校歌だが、あれは2番で「夏の花咲徳栄高校」。今日は、1番「春の」から4番「冬の」までフルコーラス。また、あの子の歌声が響いてくる。こんなに胸を張って、高らかに歌ってくれたら、作詞者かつ初代校長の故・佐藤照子先生もさぞお喜びだろう。

 仰げば尊し斉唱。
 いよいよクライマックス。あれ、目の前の男子泣いてるぞ。いろんな想いがあったんだろうね。男のくせになんて言わないよ。今日は許す。

 卒業生退場。
 蛍の光が流れ、拍手に送られ卒業生退場。

 式の途中、何度か「卒業生起立」「卒業生着席」の場面があったが、その素早さと一糸乱れぬ様は、ちょっと感動ものだった。そういうのが嫌いという人もいるが、長い人生の中で、それが求められる場面というのはあるもんだよ。

 花咲徳栄高校の卒業式

プレゼン上手いね、開智未来中高の「未来TED」を見て感心

 今日の学校見学は、開智未来中学・高校における「未来TED」。
 「TED」が良く分からんという人は、YouTubeで「TED」または「TED日本語(日本人)」などと検索してもらおうか。
 これでたぶん、「TED」って、こんなことやるのねというイメージは持ってもらえると思う。

 ごく簡単に言ってしまうと、今日は、同校が取り組んでいるフィールドワークや才能発見プログラムや哲学での学びなどの成果を、生徒自身がICTを活用して、日本語や英語でプレゼンテーションするというもの。中1から高2までの10人が発表を行った。

 在校生だけでなく、保護者やわれわれのような教育関係者も参観可能ということだったが、塾の先生の姿はあまり見かけなかった。公立入試直前だから仕方ないか。

 選ばれたメンバーということもあるが、とにかく生徒たちのプレゼン能力の高さには驚かされる。

 私の驚きポイント。

 1 メモなしで聞き手に語りかける口調
 メモの棒読みじゃない。暗記してきたトークを一方的に述べるのではない。聞き手に語りかけるスタイル。これ、中学生ではなかなかできない。

 2 スライドを説明するだけになっていない
  われわれもよくやらかす。スライドが主役になっちゃうプレゼン。でも、そうはなっていない。これもなかなかできない、というか、自らのプレゼン(講演)を大いに反省。

 もう一つの驚きポイント

 3 聞き上手な生徒たち
 生徒たちはメモをしながら聞いているわけだが(ここの生徒はメモ力高い)、リアクションのいいこと。
 話し手が、「皆さんはどうですか」などと聞き手に振ると、あちらこちらから反応がある。たぶん、この学校の生徒は、「人の話はただ黙って聞きなさい」という教育を受けていない。じっと聞く場面と、しかるべきリアクションをとる場面をよく分かっている。日頃の教育の成果なんだろうな。

 中高生のやることだから、テーマへの向き合い方、掘り下げ方などは、大人目線(先生目線)で見たら、まだまだなのだが、話し手と聞き手が一体となって作り上げる会場の空気感みたいなものは、ちょっと他では見られないものだった。
 はるばる利根川の向こうまで行って良かったよ。

 未来TED00
 未来TED01
 未来TED02
 未来TED03

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梅野弘之

Author:梅野弘之
受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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