倍率トップの新・川口市立を今さらだが考えてみる

 引き続き、昨日発表された埼玉県公立高校入試の志願者数の話題。

 普通科の倍率トップは、新規開校の川口市立(普通科文理スポーツコース=定員120人)、専門学科の倍率トップは、同じく川口市立(理数科=定員40人)。
 ということで、今のところ2冠達成。普通科の方も1.61倍と高倍率。

 今さらだが、新・川口市立高校開校の経緯を簡単に振り返ってみよう。
〇市立高校同士の統合は初のケース
もっとも、市立高校を持つのは、さいたま市、川口市、川越市という県下3大都市だけなので、過去にこのようなケースがあるわけがない。
〇3校の統合も初のケース
 2校の統合(統廃合)というケースは、これまでにも多くあったが、3校まとめては例がない。
〇人気校同士の統合も初のケース
 人気校には「?」がつくかもしれないが、旧・市立川口にしても川口総合にしても、地元では一定の人気を保ってきた学校だ。これまで埼玉県で行われてきた統合は、定員割れ校同士とか、定員割れ校とそれより少しはましな学校との統合がほとんどだったが、募集困難校ではない学校同士の統合は初のケースである。
〇募集停止を経ない統合も初のケース
 これまでの統合は、どちらか一方の募集を停止し、停止したほうの学校の生徒が全員卒業してからの統合だった。だから、早い話、一緒になるのではなく、一方を廃校にして、一方を残したのである。ところが今回は、旧3校の現1・2年生は、そのまま新校の2・3年生になる。即部活強くなりそう。

 そもそもなぜ統合するの?
 という話だが、これは川口市の現在及び将来の財政を考えてのことだ。3校をこのまま維持するより、1校にまとめた方が経費(特に人件費)の節減になる。
 総工費約200億円と言われる「公立高校離れした豪華新校舎」には驚くが、一度作れば40年50年は持つわけで、一時は大きな負担となるが、長い目でみれば、ちゃんと帳尻は合うということだ。

 話を志願者数に戻す。

 募集困難校ではなく、旧3校それぞれが一定数の受験生を集める力を持っていたのだから、はなから定員割れなどとは無縁なのである。そこに持ってきて、「公立高校離れした豪華新校舎」である。人気が出るわけだ。
 さらに、理数科の設置、入学後の選抜による「特進コース」設置など話題が盛りだくさん。また、理数科を設置したからには、スーパーサイエンスハイスクール指定校を目指すと思われる。

 というわけで人気沸騰となったわけだが、普通科文理スポーツコースの方は、「部活ねらい」の生徒の受け皿ということになるだろう。1次選抜こそ60:40でやや学力検査重視となるが、2次選抜では学力45:調査書45:面接10となり、学力検査の比重が下がる。また、調査書の中でも部活実績の得点比率が高いので、全国に出たとか、県大で入賞したとか、腕に覚えのある受験生は、高倍率にめげず、このままGOでいいだろう。

 一方、理数科や特進含む普通科は、学力重視で一貫しているので、調査書よりも当日の学力検査の勝負だ。

 ここで簡単な数字のまとめをしておこう。
 昨年の旧3校の合計受験者(最終志願者)は810人だった。
 内訳は、市立川口364人、県陽190人、川口総合256人。
 今回の新・川口市立の志願者合計は890人である。
 内訳は、理数科94人、普通科515人、普通科文理スポーツコース281人。

 合計人数で見ると、昨年の旧3校の合計810人よりも80人多い890人が今のところ志願しているわけである。
 問題は、この1割増し(80人)が、どこから回って来たかである。旧3校よりも下位層からなのか、上位層からなのか。
 ふたを開けてみなければ何とも言えないが、下位層がいきなり理数科あるいは特進狙いというのは考えにくいので、ここには、昨年までなら蕨や川口北、場合によっては浦和西あたりを狙っていた生徒がある程度回ってきていると考えるのが自然だ。
 旧3校の中では、旧・市立川口の難易度が一番高かったわけだが、このまま行けば、新・川口市立の合格ラインは、その時と比べ、かなり上昇するだろう。

埼玉県公立高校入試、志願者数が発表された

 埼玉県公立高校入試の志願者数(及び倍率)が発表された(2月20日)。
 今回は、「学校選択問題」を採用する普通科上位校の動向を見ておこう。

 受験生としては、昨年同時期と比べ、倍率がどうなったかが気になるところだが、募集人員の増減という要素があるので、単純比較できる学校と、そうでない学校があることに注意する必要がある。

1.募集人員が40人増える学校(全県で7校)
 川越・川越女子・蕨・市立浦和など。
 やや広き門になる学校だ。志願者数が昨年と同じならば、倍率が下がるはずの学校である。
2.募集人員が40人減る学校(全県で20校)
 浦和一女・浦和西・大宮・春日部・川口北・越谷北など。
 やや狭き門になる学校だ。志願者数が昨年と同じならば、倍率が上がるはずの学校である。
3.募集人員の増減がない学校
 浦和・熊谷・熊谷女子・熊谷西・越ケ谷・所沢・所沢北・不動岡・和光国際など。
 これらは、昨年同期倍率と単純比較が可能な学校である。

 では、1~3の順で少し詳しく見て行こう。

■川越・川越女子は変化なし、蕨は激減
 川越(1.41→1.28)、川越女子(1.51→1.38)と、共に倍率が昨年同期より下がっているが、これは募集人員40人増によるもので、志願者数そのものは、川越(505人→508人)、川越女子(542人→549人)と、ほとんど変わっていない。
 一方、蕨だが、ある程度の倍率低下はやむをえないとしても、(1.67→1.10)は下がりすぎである(0.57ポイント低下)。これは募集人員増よりも、志願者数の減少が原因である。(531人→392人)と実に139人も減っている。
 普通科では常に上位3校~5校に入っていた蕨の激減は、現時点においては、今期最大の注目点である。地域的には、川口北と並び、新・川口市立の理数科及び特進の影響を受けやすい学校であるが、激減の要因については、もう少し調べてみなければならない。

■浦和一女は大幅減、川口北は増
 次に、募集減となる学校だが、志願者数が昨年並みであれば、昨年同期と比べて倍率は上がるわけである。
浦和一女(1.36→1.25)、浦和西(1.61→1.61)、大宮(1.41→1.52)、春日部(1.29→1.37)、川口北(1.19→1.46)、越谷北(1.23→1.36)という状況で、浦和一女のみが倍率を下げている。
 志願者数で見ると、浦和一女(540人→448人)が92人減、浦和西(641人→578人)が63人減とかなり志願者自体を減らしている一方、川口北(474→524人)は50人増となっている。

■越ヶ谷が高倍率、熊谷西は全県平均を大きく下回る
 最後に募集人員に変更のない学校である。志願者の増減がそのまま倍率に跳ね返る。
 倍率が上がっているのが、浦和(1.39→1.41)、熊谷(1.19→1.27)、熊谷女子(1.24→1.29)、越ヶ谷(1.47→1.78)、所沢(1.37→1.51)。倍率が同じなのが和光国際(1.31→1.31)。この中では、越ヶ谷がかなり高めに出ているので、志願先変更で動きがあると予想されるが、それでも1.6倍を割ることはないだろう。
 一方、熊谷西(1.17→1.13)、所沢北(1.66→1.60)、不動岡(1.50→1.33)は、やや倍率を下げている。ただし、所沢北は依然高倍率である。熊谷西は志願先変更を経ても昨年並みを維持できるかどうか。

 以上、「学校選択問題」を採用する普通科のみの簡単なまとめであった。

 ※本日はめずらしく早朝更新

倍率は気になるが、自己ベスト更新を考えたほうがいい

 埼玉県公立高校入試。
 今日から願書提出(出願)だ。今日、明日の2日間あるが、1日目に出願する受験生が多い。
 倍率の速報は、「彩の国さいたま公立高校ナビゲーション」で閲覧できる(19日18時30分以降)。

 パソコンからはコチラ

 携帯からはコチラ

 
 受験生にとって倍率は気になるものである。
 しかし、これまで2回にわたる希望校調査や、過去の倍率をみれば、だいたいの倍率は予想できるわけで、あっと驚くような結果にはならんだろう。

 学力検査まで、あと10日。
 想定した倍率より数パーセント高かったり低かったりしても、それによって戦い方が変わるわけでもあるまい。だいいち、そんなにたくさんの作戦を持っている受験生がいるはずもない。

 倍率にかかわらず、自分の戦いをするのみである。

 自己ベストを叩き出せ。

 この期に及んで、「○○高校は何点取れば合格できますか」なんて言っている受験生がいるが、そんなの終わってみなきゃ分からんよ。当の高校の先生だって、採点して集計してみてはじめて分かることだ。
 まあ、強いて言えば500点取ることだな。それならほぼ間違いない。

 模擬試験をいっぱい受けてきただろう。
 悪い時もあれば、良い時もあった。
 その中で、一番良い時よりも、さらに高い得点、すなわち自己ベストを目指そう。
 もしかしたら、他の受験生がそれ以上の得点をたたき出すかもしれない。が、他人の得点はコントロールできないから、それは致し方ない。

 倍率のことでああだこうだと思い悩むのは、はっきり言って時間の無駄だ。そんなことを考えている時間があったら、どうやったら自己ベストが出せるかを考えたほうがいい。

引き続き、進路希望状況調査について調べてみた

 進路希望状況調査結果(12月15日現在)についての続報。

 希望者実人数に注目してみた。
 次の学校は、募集人員が40人減となる主な学校である。希望者の実人数が前年と同じであれば、募集減となった分だけ倍率が上がるわけである。

 左側が前年同期、右側が今年。
 浦和一女 541人→450人  1.36倍→1.26倍
 浦和西  684人→742人  1.72倍→2.07倍
 大宮   586人→576人  1.64倍→1.81倍 普通科のデータ
 春日部  418人→412人  1.05倍→1.15倍
 川口北  489人→511人  1.23倍→1.43倍
 越谷北  508人→510人  1.42倍→1.60倍 普通科のデータ

 この6校の中では、唯一浦和一女だけが倍率を下げている。約490人の希望者がいれば、前年同期並みの倍率となったはずだが、実際は450人であったため、倍率が下がってしまった。どうした浦和一女!
 
 浦和西は、希望者実人数が58人増えたため、40人減の分と合わせて2倍を超す高倍率となった。
 大宮・春日部・川口北・越谷北は、希望者実人数は、ほぼ前年並みだが、40人減の分だけ倍率が上がっている。なお、春日部の場合、実際の出願時には、隣接県協定による県外(千葉県)からの受験者が加わるため、倍率はこの数字より上がると予想される。

 次の学校は、募集人員が40人増となる主な学校である。希望者の実人数が前年と同じであれば、募集増となった分だけ倍率が下がるわけである。

 左側が前年同期、右側が今年。
 川越    533人→527人  1.49倍→1.33倍
 川越女子 560人→542人  1.56倍→1.37倍
 蕨     721人→500人   2.27倍→1.40倍 普通科のデータ
 大宮北  472人→384人   1.69倍→1.20倍
 
 川越・川越女子は、希望者の実人数は、ほぼ前年並みであるから、倍率の低下は40人増の分と考えていいだろう。蕨は、前年同期の希望者721人、倍率2.27倍がちょっと高過ぎたと言えるが、この時期1.40倍というのは、この学校としてはやや低すぎる数字である。

第2回進路希望調査の結果発表についての第一報

 昨日、第2回進路希望状況調査(平成29年12月15日現在)の集計結果が発表された。

 今年3月の中学校卒業予定者数(私立及び特別支援学校中等部含む)は6万4995人(前年比1137人減)である。
 高校進学希望者は6万4140人で卒業予定者数全体に占める割合は98.7%である。
 県内私立(全日制)を希望する生徒は1万330人である。
 県内公立(全日制)を希望する生徒は4万5579人である。

●全日制普通科で倍率が高い学校
 1 市立川越 2.31倍
 2 市立浦和 2.24倍
 3 川口市立 2.19倍
 4 越ヶ谷  2.14倍
 5 浦和西  2.07倍

 第1回調査(10月1日現在)では、市立川越3.28倍を筆頭に、2倍を超える学校が12校あったが、今回調査では5校に減った。過去のデータから、最終的には2倍を超える学校はなくなると予想される。
 第1回調査で2倍を超えていたのは、上記5校のほか、上尾・大宮・大宮光陵・川越南・所沢北・南稜・浦和南であった。

 2月19・20日の出願に向けて、低倍率であった学校や定員割れの学校への希望変更が起きるが、今回調査は中学校における三者面談の終わり、私立併願校もある程度固まった段階でのものなので、全体傾向には大きな変化はないと思われる。
 前述したように、2倍を超える学校はなくなるものの、現在高倍率である学校の倍率が急激に低下する可能性は少なく、1.5倍以上の高倍率が維持されるだろう。

 市内3校(市立川口・県陽・川口総合)の統合により新規開校となる川口市立は、普通科2.19倍、同文理スポーツ1.67倍、理数科1.75倍の高倍率となっている。
 希望者の実人数は、普通科701人、同文理スポーツ200人、理数科70人で、計971人であった。単純な比較はできないが、昨年同時期調査では、市立川口448人、県陽185人、川口総合303人で、計936人の希望者がいたことを考えると、想定内の希望者数と言うことができるだろう。

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梅野弘之

Author:梅野弘之
受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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