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公立に特色なんていらないよ

 土日は泊りがけで山に行く予定だったが、悪天候で中止になった。
 残念だが、仕事的には大助かり。原稿書いたり、文字校正したりで、あっという間に一日が終わった。

 昨日、公立入試に関して各校の選抜基準が発表された話を書いた。
 ここ何年か、県教委は各高校に対して、「特色を出せ」とプレッシャーをかけ続けている。教育内容だけじゃなく、選抜にも特色を出せ、と。
 そう言われても、選抜のルールが細かく定められていて、同じ日に同じ問題でやっているわけだから、限度があるでしょ。

 私が時々、講演で使うジョーク。たいていはスベルけど。
 「公がやることは、変に特色を出しちゃいけないんですよ。みんな一緒だから安心できる。たとえば、うちの消防署の消火の仕方は独特ですからね、ほかとは全然違うから、ぜひ一度試してみてくださいなんて言われても困りますよね。どこも一緒にして欲しい」

 公立の強みは、どこの学校に入っても「だいたい同じ」、「当たり外れ無し」ってところであって、それがまた公の使命である。
 なのに、特色、特色ってうるさいこと。

 たしかに私立には一校一校特色があるんだが、トップ(経営者)が別々なんだから、当然そうなるでしょうって話だ。
 公立はトップは、県知事なのか教育長なのかわからないけど、どっちにしても一人。

 つい最近、栄東に行ったときのことだが、中学生の下校時間、学校から東大宮駅までのすべての四つ角に先生が出て、生徒の安全確保をしていた。これ、別に特色じゃないでしょう。あの学校の特色は「東大何人、医学部何人」だから。でも私立は、こういうことやってるんですよ、近所の人もみんな見てる。

 安心安全な学校生活とか、規則正しい学校生活とか、挨拶とか礼儀とか身だしなみとか、特色というのはそういう土台の上に立ったものでしょう。
 とりあえずあの学校に入れておけば安心だ(いろんな意味で)。
 こういう信頼が揺らいでいるのが今の公立なのだという認識を持ったほうがいい。

 校長が変わって特色が生まれました。
 って、それおかしいでしょう。
 歴史があって、地域性があって、それが特色になるんだから。
 

認知度を高めないと受験者は増やせない

 何を今さらと言われそうだが、知名度と認知度の話をしておこう。
 生徒募集を念頭に置いた話だ。

 給与が高い会社としてよく名前が挙がるのでキーエンスという社名は知っているが、何をやっている会社かよく分からない。視聴率が高い「世界の果てまでイッテQ!」という番組名は知っているが、見ていないので中身は分からない。ユニバーサルスタジオジャパンは知っているが、どうやって行ったらいいか分からず、どんなアトラクションがあるかもよく分からない(ここでプチ自慢だけどアメリカの方は行ったことあるよ)。

 ことほど左様に、名前は知っているが中身はよく分からんということは多いものである。つまり、自分の中で「知名度」はあるが、「認知度」は低いという状態。
 もっとも今は、ネットで調べたり、ユーチューブで見たりすれば大抵のことは分かるわけだが、やはり「知名度」と「認知度」の間には大きな隔たりがある。

 学校広報の視点からは、次のように定義することができる。
 知名度は、学校名が知られていること。
 認知度は、学校の内容が理解されていること。

 知名度は露出を多くすれば高められる。広告の狙いはここにある。何回見たか、何回聞いたかの勝負だ。
 だが、学校名が知られても、それが直ちに受験や入学に結びつくわけではない。知名度の先に認知度があり、これを高めないと、受験や入学という行動に発展しない。

 認知度を高めるには、接触を増やす必要がある。商品の場合だったら、直接会って説明する、あるいは、試食してもらうとか、実際に使ってもらうのが手っ取り早い。
 そういう意味で、学校が説明会を開いたり、個別相談をしたり、体験入学を行ったりすることは、認知度を高めるという点で理にかなっているのである。

 問題は、接触の回数である。何人と接触したか、何回接触したか。
 数が集まらず苦戦している学校は、露出を増やし知名度を高め、接触を増やし認知度を高める。いずれにしても「量」である。
 学校の先生は真面目過ぎて、中身、すなわち「質」にこだわる傾向があるが、「質」より「量」だ。
 ま、勉強も同じかな。

このままではまた定員を割りそうな残念な学校たち

 公立高校は定員割れ状態が許されるのか。
 そんなはずはない。数人の定員割れなら我慢するが、税金でまかなっている学校は、しっかりと箱を満たしてもらわないと、無駄遣いになる。

 時に、「われわれの仕事は入って来た生徒をしっかりと教育することだ」などと、積極的な生徒募集を否定するかのような発言も聞かれるが、せめて定員は満たして下さいよという話だ。
 誰も利用しない道路や橋や施設を作ったら、税金の無駄遣いと批判されるでしょ。それと同じ理屈。

 それに、入って来た生徒をしっかり教育すると言うけれど、それが十分に出来ていないと世間が判断しているから集まらないんですよ。

 30年度入試では多くの県立高校が欠員募集(補充)することになり、それでもなお集まらず大幅な定員割れで新年度を迎えた学校も多いわけだが、それらの学校は、同じ轍を踏むまいと、今シーズンはさぞ募集に力を入れるに違いないと、募集イベント(説明会など)の実施予定を調べてみた。

 下表は、昨年度多くの欠員募集を行った普通科校が、今期いつ頃、また何回説明会等を実施するかをまとめたものである。
 「体」は体験入学、「説」は学校説明会、「別」は個別相談会の略である。「×2」は同月内に2回実施されることを表している。

 20100607説明会情報

 飯能南を除く15校の平均で5.87回。
 浦高の2回は極端な例としても、比較的募集の安定している学校は5回以内で収まっているので、回数はやや多いと言える。ただし、私立学校からすれば「たったそれだけ?」という数字である。

 表を見ると、11月以降に集中していることが分かる。後半戦重視型だ。

 私は募集が弱い学校ほど、前半から仕掛けるべきと考えている。
 強いチームはシードされて決勝トーナメント2回戦からの登場だけど、弱いチームは予選リーグから始まって、最後は敗者復活戦まで戦うでしょ。だから、早く始まって遅く終わる長い長い戦いを覚悟しましょうねというわけだ。

 後半戦重視型は、そのころにならないと受験生に目を向けてもらえないという発想から来るものと想像するが、現実を直視するのはいいが、そこからの発想ではいつまで経っても現実から抜け出すことはできない。

 驚いたのは、これらの学校の中に、ホームページに今なお前年度情報を掲載している学校が多いことだ。
 本日現在で、上尾橘、岩槻北陵、北本、栗橋北彩、児玉、鳩山、飯能南、深谷、三郷北、和光の10校は学校説明会に関する情報が更新されていないか、まったく情報がない状態である。
(HP情報がないのになぜ上記の表が作成できたかというと、当社発行の「埼玉県公私立高校進学ガイド2019」のために、各校にアンケート調査を実施したからである。飯能南は今のところ県内全公私立高校の中で唯一回答が寄せられていないので打つ手なし)

 本ブログ読者の皆様。上記学校にお知り合いがいるならば、説明会情報は更新したほうがいいですよとお伝え願いたい。

「ホームページで学費が調べられるか」を調査した結果

 久しぶりに「ホームページで学費を調べられるか」調査である。
 前回は平成25年7月19日であるから、ずいぶん時間が経ってしまった。

 私立学校を選択する場合、親としては学費がどのくらいかかるかを知りたい。大学進学実績や内申基準など入試情報も知りたいが、お金のことは大事だ。
 そんな重要情報だから、ホームページに掲載がないなんてことはあり得ない。と、思いきや、意外や意外、まったく情報のない学校もある。また、あったとしても見つけにくいが多い。

 そこで本日は、どうやったら調べられるかを調査してみた。
 なお、現時点では、来年度(31年度)の募集要項を公開している学校は少なく、前年実績しかのっていない学校がほとんどである。

●調べやすかった学校
 慶応志木 「学校案内」=「授業料・奨学金」
 埼玉栄  「受験生の方」=「費用」
 正智深谷 「入試情報」=「学費について」
 東京成徳大深谷 「入試情報」=「学費・諸費用」※28年度入学生の情報
 東野   「入試関連」=「学費」
 武南   「入試情報」=「学費」
 細田学園 「入試情報」=「学費・奨学金制度」
 山村国際 「入試情報」=「費用について」

 トップページのメニューがプルダウン方式になっており、「入試情報」の下に「学費」という項目があるので、一発で目的地に行ける。
 惜しいのは東京成徳大深谷で、せっかく「学費・諸費用」にすぐに飛べる方式になっているのに、行ってみると28年度入学生の情報が載っている。今いつだよ。早く直した方がいい。

●調べられた学校
 浦和学院 「入試情報」→「生徒募集要項」
 浦和麗明 「受験案内」→「募集要項」
 叡明 「受験案内」→「募集要項」
 大宮開成 「Q&A」→「学費について」
 開智   「受験生へ」→「学費等」
 開智未来 「高校受験」→「生徒募集要項」→「生徒納付金」
 春日部共栄「入試情報」→「募集要項」
 川越東  「入学案内」→「募集要項」
 国際学院 「受験生の皆様へ」→「募集要項」
 栄北   「入試情報」→「生徒募集要項」
 栄東   「入試情報」→「募集要項」
 狭山ヶ丘 「受験案内」→「学費」
 自由の森学園 「入学希望者・保護者の方へ」→「募集要項」
 秀明英光 「生徒募集」→「募集要項」
 淑徳与野 「入試情報」→「入試要項」
 城西川越 「受験生の方へ」→「高校募集情報」→「募集要項」
 昌平   「受験生の方へ」→「募集要項」→「学費等の概算所要額」
 西武学園文理 「入試・説明会」→「入学試験要項」
 西武台 「入学案内」→「募集要項」
 聖望学園 「受験生の方へ」→「高校募集要項」→「受験ガイド」
 独協埼玉 「高校入試の方へ」→「募集要項」
 花咲徳栄 「入試情報」→「募集要項」
 星野 「入学案内」→「募集要項」
 本庄第一 「入試情報」→「学費・諸経費」
 本庄東  「入学案内」→「入学情報」
 武蔵越生 「受験生の方へ」→「募集要項」
 武蔵野音大附属 「入試案内」→「学費」
 山村学園 「生徒募集要項」→「募集要項」

 多くの学校が、「受験生の方へ」とか「入試情報」から入って行って、「生徒募集要項」を見てみると、その中に書いてあるという形だ。
 募集要項とは別に「学費」などの項目があるのは、大宮開成・開智・狭山ヶ丘・本庄第一などだ。
 ちょっと想像力が必要なのが大宮開成で、「Q&A」というメニューを開くと「学費について」がある。新しい募集要項が決まれば、そこに記載されるだろう。それまでの辛抱だ。

●調べられなかった学校
 秋草学園
 浦和実業学園
 浦和ルーテル学院
 大妻嵐山
 埼玉平成
 秀明
 城北埼玉
 東京農大第三
 東邦音大東邦第二
 立教新座
 早大本庄
 
 以上の学校については調べられなかった。ただし、現時点ではということで、これらの学校も、31年度の募集要項が決まれば、そこに記載されるだろう。

「批判は票にならない」から学校関係者が学ぶべきこと

 批判は票にならないらしい。
 野党がほぼ揚げ足取りとしか言えないような政権批判を続けており、その結果、政権の支持率低下には多少つながっているように見えるが、野党の支持率が上がったかというとそうはなっていない。いま選挙をやっても、議席増は期待できないだろう。

 政治の世界における「批判は票にならない」を学校の募集活動に当てはめれば、「他校批判は志願者増につながらない」となる。
 あからさまな他校批判は、印象を悪くするだけである。

 公立校が私立校の批判をする(又はその逆)。
 その時、聞き手の立場というものに対して想像力が働いているだろうか。
 目の前にいる相手は私立出身かもしれないではないか。または身内に私立出身や私立在学者がいるかもしれないではないか。そうであれば、あからさまな私立批判が気分の良いものであるはずがない。

 言っている本人は、他校(ライバル)を引きずり下ろすことで、自らの優位性を強調したいのだろうが、聞き手の立場によっては反発を招くことがある。だから「他校批判は志願者増にはつながらない」のである。

 他校(ライバル)に弱点があるとしたら、わざわざそれを言ってやる必要はない。なぜ、弱点を修正し補強する手助けをするのだ。黙ってそこを攻めればいいではないか。

 あからさまな他校批判は避けたほうがいい。
 わが校はこう考える。わが校はかく行動する。
 それだけでいい。
 他校にもまた、わが校はこう考えるや、わが校はかく行動するが存在し、どちらを選ぶかは受験生・保護者の自由だ。

 学校及び塾関係者の皆さんは、政治の世界において政権批判が野党の支持率上昇につながったためしはないという事実をぜひ心の片隅に留め置いてほしい。
プロフィール

梅野弘之

Author:梅野弘之
受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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