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「人類初」って、アホな見出しだが気持ちは分かる

 マラソンのキプチョゲ選手(ケニア)が、ベルリンマラソンで2時間1分39秒の世界新記録で優勝。
 多少でもマラソンに興味がある人だったら、キプチョゲ選手が現役最強ランナーであることも、ベルリンが記録の出やすい超高速コースであることもご存知だろう。
 キプチョゲ選手のそれまでの自己最高が2時間3分5秒。ベルリンマラソンの過去10年の優勝タイムは2時間2分台が1回、3分台が5回、4分台が2回だから、マラソン11戦10勝のキプチョゲ選手が好タイムで優勝することはある程度予想できた。
 が、それにしてもすごい。

 ネットでこのニュースを拾ってみる。
 「ベルリンマラソンで驚異の世界記録 2時間1分台」(テレ朝NEWS)
 まあ、このあたりが標準的な見出しか。

 「キプチョゲが人類初の2時間1分台の世界記録樹立」(日刊スポーツ)
 おいおい、「人類初」って何だよ。
 ウマやダチョウやラクダはすでに2時間1分台を出しているけど、人類では初、ってそういうことか? じゃあウマのマラソン世界記録も記事に書いといてくれよ。
 と、スポーツ紙の見出しにいちいち突っ込んでも仕方ないが、「人類初」は、ほかでも結構目にする。

 ここから少し真面目な話になるけど、ポイントは「初」にあるんだよ。
 史上初でも世界初でもいいんだが、何かもっとインパクト出せないかな。そうだ人類初で行こう。そういう話。
 マスコミは刺激的な見出しをつけたがる。そうしないと目にとめ、読んでもらえないから。

 中でも「初」はもっとも重視される。
 「初」はニュースになりやすく、大きく扱われやすい。
 ほかには、最高・最大・最強・最多・最新などの最上級。

 学校の広報担当者が、新聞やテレビに取材に来てもらうためにプレスリリースを出したりするでしょう。学校行事やなんかの。私のところにも時々来る。
 その時、「毎年恒例の」じゃダメなんですよ。じゃあ来年にするか、ってなっちゃう。「今年が初めて」とか「これが最後」じゃないと、行って取材する意味がない。

 世界初や日本初。これはかなりハードルが高い。
 でも、高校では初めて、公立(私立)では初めて、埼玉県の高校では初めて、普通科では初めて、地域では初めてという具合に範囲を狭めて行けば、「初」になるかもしれない。最高や最大、最多なども同じこと。

 校内配布用の文書に毛の生えた程度のリリースではマスコミは動きませんよ。事件・事故・スキャンダルなら来るなと言っても来るけど、学校にとってプラスになる記事やニュースを流してもらいたかったら、マスコミへの知らせ方は考えたほうがいい。どこに食いついて来るかということを。

「抹茶アイス食べたか?」って、何だよその質問

 大坂なおみは、「大阪」ではなく「大坂」である。

 地名としての大坂が大阪となったのは明治以降であるようだ。坂が阪となったのは、土編は土が付くにつながり縁起が悪いからとか、坂は転がり落ちるにつながり縁起が悪いからとか諸説あるようだが、どっちでもいい。

 大坂なおみ選手の帰国後記者会見の話である。
 「抹茶アイス食べましたか?」とか、テニスとは関係ない下らない質問が多かった。
 一つには記者たちの勉強不足がある。
 たぶん、試合もちゃんと見ていない。昨日は別の芸能人の取材をしていたとか、体操のスキャンダルを追っかけていたとかいう事情もあるだろう。テニスばかり勉強しているわけに行かないのだ。

 下らない質問になるもう一つは、テレビ視聴者の側にある。テニスの専門的な話より、選手のプライベートに興味がある人が多い。だから記者はそこに合わせて質問している。技術的な話や戦術的な話は、専門雑誌や専門チャンネルでやればいいじゃないかというのも、一つの考え方だ。

 現在、テニスの試合会場に足を運ぶのは、ほとんどがテニス愛好者や経験者だろう。
 ところが、サッカーや野球になると、一度もボールを蹴ったことがない人や、一度もバットを振ったことがない人も、試合会場に足を運んでいる。また、監督やコーチにでもなったつもりで、「あそこは右に展開だろう」とか「なんであの球見逃すんだ」とか、自分じゃ出来もしないことを熱く語る人々がわんさかいる。人気スポーツというものは、そういう広範なファンに支えられている。

 純粋なアマチュアスポーツならば、好きな人だけやっていればいいが、大坂選手がやっているのはファンあってのプロスポーツだ。
 息の長いファンを獲得することはテニス界のためでもあるし、マスコミのためでもある。そう考えると、「抹茶アイス食べましたか?」などは、してもいいけど、なくてもいい質問だ。
 もっと、テニスの魅力を伝えるような質問はなかったの?

 こんなことを言うのは、私も取材者としてインタビューや質問をする立場だからだ。
 どうでもいい下らない質問をしていないか。取材対象者が一番言いたいことを聞けているか。視聴者や読者にとって役に立つ情報を引き出しているか。
 というわけなので、いつも取材者側の態度や質問内容が気になるのである。

鹿児島中3自殺、「担任の指導直後」は悪意に満ちた報道

 今日はもう1本行きます。

 一昨日、鹿児島で中3男子が自殺した。
 今日(9月5日)の新聞各紙デジタル版の見出しを拾ってみた。
 
担任の指導直後、中3男子が自殺 夏休みの宿題提出促す」(朝日新聞)
「自殺 中3男子、帰宅し 2学期初日、担任指導後 鹿児島」(毎日新聞)
「中3男子が始業式後に自宅で自殺 進路に不安か 鹿児島」(産経新聞)
「宿題提出せず個別指導、始業式後に中3男子自殺」(読売新聞)

 どうです?
 朝日の「担任の指導直後」、毎日の「担任指導後」はひどいでしょう。これじゃまるで、担任が自殺に追い込んだみたいじゃないですか。まだ原因も何も分かってないのに。

 朝日によると、「夏休みの宿題が未提出だったので、放課後の午後1時すぎごろ、職員室で女性教諭から約10分にわたって宿題を提出するよう個別に指導を受けた」
 そりゃ指導するでしょう。
 でも10分。
 普通の教員感覚で考えたら、時間的に考えてそんなに厳しい指導じゃない。中3なわけだし、その際、進路とからめて指導するのも当然のこと。

 「同僚の教諭らが生徒が涙を流す様子を確認しているという」。厳しい指導が自殺に結び付いたとでも言いたげだね。この部分、産経では「夏休み中に体験入学した高校の環境に不安を抱いたと明かし、涙を流したという」となっているよ。

 で、「母親が午後6時ごろ、自宅2階で自殺している生徒を発見した」
 指導を受けたのが午後1時すぎごろ。自宅で自殺しているのを発見されたのが午後6時ごろ。
 指導を受けて、その後教室に戻って窓から飛び降りたというのであれば指導直後だけど、こういうの、指導直後っていうのかね。

 宿題を出さなかった程度のことで、厳しすぎる指導をして、それで生徒が自殺に追い込まれた。そういうストーリー。

 まあ、産経の「夏休み中に体験入学した高校の環境に不安を抱いたと明かし、涙を流したという」が事実とすれば、担任や周りの先生が、ここのところもう少しフォローしていれば防げたかもしれないという悔いも残るが、原因がはっきりしないうちに、あたかも担任の責任だみたいな、そういう印象を与えるような報道は止めてほしいものだ。

 以前にも書いたと思うが、夏休み明けは慎重運転が求められるんですよ。ある程度経験を持った先生はそのことをみんな分かっているはず。
 なんだが、夏休みから平常の学校生活への復帰は、生徒によってはかなり高いハードルだったりもするし、加えて中3には進路の悩みもあるわけだから、慎重の上にも慎重を期して指導に当たってもらいたいと思います。

大人げない報道から生徒を守らなければいけない

 今日は本題に入る前にお詫びと訂正をしておきますね。

 一昨日のトイレの件で読者の方から「一女のトイレは綺麗です」とのご指摘がありました。校長先生との会話の中で、「冷房もトイレもまだまだ課題が多い」という話になって、そこからあの内容になったのですが、正確な洋式化率を聞いたわけではないので、「一女はまだトイレが和式なんだってね」の部分は取り消します。私自身、全部和式だと思っているわけではありませんが、「正しい情報を提供せよ」とのご意見はその通りですので、注意したいと思います。
 私が強調したかったのは、エアコンも大事だがトイレも忘れるなということです。現在、県立学校の洋式化率は棟ベースで38%です。以前は100%達成目標を平成43年度までとしていたものを36年度に前倒しするなど県も努力しています。今年度も「トイレ改修加速化事業」として5億8781万円の予算が計上されており13校13棟の洋式化が進みます。大規模改修、耐震化、エアコン設置、バリアフリー化など課題山積なのは承知していますが、トイレもよろしくと改めて言っておきます。

 では今日の本題。

 「大阪桐蔭ゴルフ部員が賭けゴルフ」というニュースを発見。
 全国に流すようなニュースかと思うが、とりあえず中身を確認してみよう。

 「大阪府大東市の大阪桐蔭高校のゴルフ部で、男子部員同士が賭けゴルフをしたり、上級生が下級生に暴力をふるったりしていたことがわかった。
 大阪府教育庁私学課によると、2017年7月から今年3月までの間、複数の男子部員が練習中、1回数百円ずつを賭けて複数回プレーしていた。また、この間に、上級生が繰り返し下級生の肩を殴る「肩パン」などの暴力を振るっていた。暴力を振るわれた部員にけがはなかった。同校が3月に部員に聞き取りをして発覚。顧問や部員を注意、指導し、私学課にも経緯を報告したという。」(朝日新聞デジタルより)

 学校内における小さな事件である。
 が、小さくても事実が発覚したら学校は放ってはおかない。少額であっても現金のやり取りがあり、加えて暴力行為もあったとなれば、顧問・監督レベルでは済まされず、生徒指導部案件となり、何らかの指導が行われるだろう。
 記事を読む限りでは、反省文を書かせるとか、親も呼んで注意するとか、部活を一定期間休止させるとか、学校によって考え方は異なるだろうが、だいたいこんなものだろう。要は生徒が反省して二度としなければいいわけだ。

 が、こんな小さな事件でも、事が大阪桐蔭となれば大きなニュースになる。
 特にWEBサイトのニュースでは、みんなが興味を持って読んでくれる題材を取り上げないとPV(ページビュー)が増えず、広告売り上げにも響いてくるので、「重要性」よりも「話題性」が重視される。

 学校や先生からすれば、「なぜこんな小さなことを」だろうが、マスコミ側からすれば「こんなにおいしいネタはない」わけで、世間にもそれを面白がる人が大勢いる。と言うか、そういう人がいるから、そういうネタを拾ってくるのだから、マスコミばかりを責められない。

 当該部員たちは、先生から指導を受ける。叱責される。おそらく何らかの懲戒処分を受ける(すでに受けたか?)。そこまでは当然だ。
 だが、世間の人々を傷つけたり、世間に迷惑をかけたりしたわけではないから、見ず知らずの世間の人々から責められる理由はない。つまらんことを仕出かした連中だが、その部分では守ってやらなければならない。先生も大変だ。

豪雨情報にどう接してきたかを振り返る

 この度の西日本の大雨は「平成30年7月豪雨」と気象庁により命名された。
 
 多くの死者・行方不明者を出した豪雨がどのように報じられてきたかを振り返ってみた。ソースは朝日新聞デジタルである(配信時刻順)。
 なお、これは新聞の報道内容を批判するものではなく、時々刻々流れてくるニュース内容がどのように変化し、それによって私自身の受け止め方がどう変化したかを記録しておこうとするものである。

▼7月5日(木)
11:40「各地で大雨、警戒呼びかけ 北海道と京都で避難勧告」
17:48「全国的に記録的大雨の恐れ 気象庁が警戒呼びかけ」
19:02「JR西日本、大雨で運転見合わせ相次ぐ」
19:17「高速道路、各地で通行止め 大雨の影響で」
21:16「西日本で記録的大雨のおそれ 68万人に避難指示・勧告」
 
 午前中までの大雨に対する警戒呼びかけは普通のことだ。夕方になり、気象庁が「全国的に記録的大雨の恐れ」として再び警戒を呼び掛けた。
 夜になって警戒地域が西日本にしぼられてきた。
 この日、東武東上線が停電事故のため運休となり、影響を受けた私の関心はもっぱらそちらに。
 東京地方は昼頃から雨模様。
 後になって振り返れば、気象庁の記録的な大雨に対する警戒呼びかけは当たっていたと言えるが、「記録的」という言葉は聞き慣れていたので、まさかこのような大災害になるとは思わなかった。

▼7月6日(金)
3:47「関西の鉄道、大幅に乱れ 環状線も本数減 午後2時現在」
7:00「高知の安芸川が氾濫、住宅浸水 11世帯が一時孤立」
9:17「配信国道が崩落し車2台落下、2人搬送 福岡・飯塚」
10:07「土砂崩れ、2人不明か 北九州・門司、複数の家屋倒壊」
10:33「福岡市が約20万人に避難勧告 室見川流域、洪水の恐れ」
10:47「配信増水の川に流され59歳男性死亡 広島・安芸高田」
11:32「西日本で記録的大雨 141万人に避難勧告や指示」
12:07「川の増水や土砂崩れ、各地で相次ぐ 雨は数日続く見通し」
17:49「福岡・佐賀・長崎に大雨特別警報 「重大な危険迫る」」
18:50「梅雨前線停滞、大雨続く 四国で24時間400ミリ予想」
18:43「福岡・朝倉全域の5万3千人に避難指示 大雨特別警報で」
19:57「広島・岡山・鳥取で大雨特別警報 九州と合わせ6県に」
21:24「記録的大雨、4人死亡6人不明 8府県に特別警報」
22:56「家屋倒壊、生き埋め…広島県内で大雨被害相次ぐ」
23:03「兵庫・京都にも大雨特別警報 計8府県に」

 午前中までは九州の被害報道が中心だった。夜になって、広島・岡山の被害も大きいことが分かってきた。
 気象庁は、福岡、佐賀、長崎、広島、岡山、鳥取、兵庫、京都の8府県に数10年に一度の重大な災害が予想される「大雨特別警報」を発表し、最大級の警戒を呼びかけた。ここまでの死者は4人。
 なお、この日午前中、オウム真理教・松本智津夫死刑囚らの死刑が執行され、マスコミの報道はこちらに集中していた。私の主な関心もそちらに向いていた。

▼7月7日(土)
1:43「岡山県で2人行方不明か 高梁市と総社市」
5:30「大雨、8府県で特別警報 4死亡、6人不明 西日本」
6:49「岡山県総社市の国道で3人流される 川の水が流れ込む」
7:11「広島・三原の民家に土砂流れ込む 1人死亡、3人不明」
7:22「「大至急避難を」広島・野呂川ダムの下流住民に呼びかけ」
8:05「家屋3棟流され2人不明 倉敷・真備、屋根から救助も」
9:23「広島・竹原の3カ所で土砂崩れ、計4人が安否不明」
10:37「岡山で1人心肺停止、9人不明 川の増水、土砂崩れなど」
10:42「屋根で救助求める住民、木にしがみつく人も 倉敷・真備」
10:46「車が流され子ども3人不明 広島・安芸、母親は救出」
10:52「斜面から滝のような泥水 広島・三原、家屋に土砂流入も」
11:13「倉敷で大規模な浸水被害 屋根まで冠水している地域も」
16:07「岡山の大雨特別警報を解除」
17:23「倉敷・真備町で大規模冠水 川の土手で孤立「助けて」」
18:39「大雨死者51人、不明58人に 避難指示勧告863万人」

 東京地方は晴天。
 見出しに岡山・広島が頻繁に登場するようになった。倉敷や総社など行ったことのある地名も出てきて、自分にとって気になるニュースになってきた。

▼7月8日(日)
11:06「安倍首相「時間との戦い」 非常災害対策本部を設置」
11:52「広島・熊野でさらに12人行方不明 県内で計39人に」
12:54「西日本豪雨、死者62人 安否不明少なくとも66人」
13:11「倉敷市真備町、いまだ1千人孤立 新たに4人の遺体発見」
15:02「倉敷・真備町、新たに15人不明の情報」
20:22「西日本豪雨、増え続ける被害者 死者11府県81人に」

 前の晩あたりからから死者数が格段に増え、ここに至って尋常ならざる水害であることを認識した。大雨情報が出始めてから丸々3日を要している。
 地理的に遠く、東京地方では好天が続いていたこともあり感度が低かったのだと思う。

▼7月9日(月)
7:38「「避難者、着替えが足りない」 倉敷市長、支援呼びかけ」
11:37「死者96人、不明82人 西日本豪雨、特別警報は解除」
12:17「政府、激甚災害指定へ「財政措置を講じる」 西日本豪雨」
13:50「首相、欧州・中東訪問を中止 災害対応に「万全期す」」
14:20「西日本の豪雨「平成30年7月豪雨」と命名 気象庁」

 こうした場面で自分がどう行動すべきかを一日中考えた。
 ボランティアもいい。寄付もいい。しかし、災害の少ない国、災害が起きても被害の少ない国にすることが何よりも重要だ。教育にはそれを実現する力がある。
 もし私が生徒たちの前に立ったら、何を話すだろう。それが9日付のブログだ。

プロフィール

梅野弘之

Author:梅野弘之
受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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