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南青山に児童施設、別に何の問題もないでしょう

 南青山か。懐かしいな。
 今から四半世紀前、私は『自分でしっかり金を稼いで住むべき土地』である南青山にサラリーマンとして通っていたのだよ。

 と、ここまで書いて思った。
 時間が経つと、「なんで、こんな記事書いたの」と自分でも忘れてしまうに違いない。元ネタを書いておこう。

 港区が、南青山5丁目の一等地(敷地面積約3200平米)に、虐待された子供の保護などを行う児童相談所を含む複合施設(総費用100億円=土地取得70億+建物30億)の建設を計画したところ、地元住民(不動産会社も含むようだ)から反対運動が起こっており、この度、説明会が行われた。その際、反対派住民から発せられたと言われているのが、冒頭の『南青山は自分でしっかりお金を稼いで住むべき土地』発言で、これがTVニュースで報道されると、ネットを中心に賛否両論が巻き起こった。

 勤めていた会社は、正に南青山5丁目だったので場所は分かりますよ。
 南青山は1丁目から7丁目まであって、1丁目というとほぼ赤坂という感じで、そこから青山通りを西に向かって2丁目、3丁目、4丁目と来て、表参道あたりが5丁目。骨董通りの反対側はもう渋谷区で、青山学院大学がある。5丁目から南に向かって6丁目、7丁目と行くと広尾、西麻布。
 お洒落だし便利だし、いい街だと思うが、お金があったら住みたいかと言われれば、それはないな。未だに田園風景の残る浦和でいいや。(個人の感想です)

 さて、この騒動。
 例によって、テレビによる過剰な盛り上げでしょう。
 元々騒動・トラブルは恰好のネタだし、そこに「貧乏人が住む街じゃない」みたいな発言が出てきたとあれば、放っておく手はない。

 たぶん、地域住民の大多数は、別に構わないんじゃないのと冷静だと思いますよ。
 何を根拠にと言われるかもしれないけど、自身の地域に子供の生活や人権を守るための施設ができるのを反対します? しないでしょう。それが今の普通の日本人の考えなんじゃないかな。住民投票でもやったら、賛成派が圧勝しますよ。

 ただ、近隣の不動産業の人達は、近くに区の施設がありますよというより、高級ブランドの本社やお店がありますよ、のほうが土地やマンションが高く売れるから、結構マジで反対かもしれず、それで住民による反対運動の方向に引っ張った可能性はある。そこに暇人や、ちょっと軽率な人間が乗っかった。

 せっかく作るんだったら、ただの四角い箱じゃなく、お洒落で夢のあるものにしてほしいね。と、人生のほんの一時期、この土地に縁のあった者としてそのように言っておこう。

 今日の動画「板書時代の終焉」

安倍「大勝」ではなく石破「善戦」と言いたい人々

 自民党総裁選の報道のされ方。

 まず安倍候補、石破候補の得票率を両候補が共に立候補した平成24年選挙と今回の平成30年選挙とで比較してみる。 

 24年度選挙では地方票においては石破候補が安倍候補を上回っていたが、30年選挙では安倍候補が逆転した。
 20180921総裁選地方票

 24年選挙では議員票において安倍候補(55%)が石破候補(45%)をやや上回っていたが、30年選挙では安倍候補(82%)が石破候補(18%)を大きく上回った。
 20180921総裁選議員票

 以上のデータから、24年選挙は安倍候補の側から見れば「辛勝」だった。石破候補の側からは「惜敗」である
 一方今回の30年選挙は、まとめて言えば安倍候補の「完勝」「大勝」または「圧勝」であり、石破候補の「完敗」「大敗」または「惨敗」である

 だが、一部新聞・テレビは、安倍の勝利と伝えることを好まなかった。石破の敗北と伝えることも。
 そこで、さすがに「接戦」ははばかられたとみえて「善戦」と伝えた。
 前回は勝ってたかもしれなかった石破候補が、これだけ引き離されたのに「善戦=よくやった」はないだろうと思うが、これが現在の一部マスコミ報道だ。

 今後のためによく覚えておこう。
 ダブルスコア以上で勝っても、「完勝」「大勝」「圧勝」じゃないんだな。

「人類初」って、アホな見出しだが気持ちは分かる

 マラソンのキプチョゲ選手(ケニア)が、ベルリンマラソンで2時間1分39秒の世界新記録で優勝。
 多少でもマラソンに興味がある人だったら、キプチョゲ選手が現役最強ランナーであることも、ベルリンが記録の出やすい超高速コースであることもご存知だろう。
 キプチョゲ選手のそれまでの自己最高が2時間3分5秒。ベルリンマラソンの過去10年の優勝タイムは2時間2分台が1回、3分台が5回、4分台が2回だから、マラソン11戦10勝のキプチョゲ選手が好タイムで優勝することはある程度予想できた。
 が、それにしてもすごい。

 ネットでこのニュースを拾ってみる。
 「ベルリンマラソンで驚異の世界記録 2時間1分台」(テレ朝NEWS)
 まあ、このあたりが標準的な見出しか。

 「キプチョゲが人類初の2時間1分台の世界記録樹立」(日刊スポーツ)
 おいおい、「人類初」って何だよ。
 ウマやダチョウやラクダはすでに2時間1分台を出しているけど、人類では初、ってそういうことか? じゃあウマのマラソン世界記録も記事に書いといてくれよ。
 と、スポーツ紙の見出しにいちいち突っ込んでも仕方ないが、「人類初」は、ほかでも結構目にする。

 ここから少し真面目な話になるけど、ポイントは「初」にあるんだよ。
 史上初でも世界初でもいいんだが、何かもっとインパクト出せないかな。そうだ人類初で行こう。そういう話。
 マスコミは刺激的な見出しをつけたがる。そうしないと目にとめ、読んでもらえないから。

 中でも「初」はもっとも重視される。
 「初」はニュースになりやすく、大きく扱われやすい。
 ほかには、最高・最大・最強・最多・最新などの最上級。

 学校の広報担当者が、新聞やテレビに取材に来てもらうためにプレスリリースを出したりするでしょう。学校行事やなんかの。私のところにも時々来る。
 その時、「毎年恒例の」じゃダメなんですよ。じゃあ来年にするか、ってなっちゃう。「今年が初めて」とか「これが最後」じゃないと、行って取材する意味がない。

 世界初や日本初。これはかなりハードルが高い。
 でも、高校では初めて、公立(私立)では初めて、埼玉県の高校では初めて、普通科では初めて、地域では初めてという具合に範囲を狭めて行けば、「初」になるかもしれない。最高や最大、最多なども同じこと。

 校内配布用の文書に毛の生えた程度のリリースではマスコミは動きませんよ。事件・事故・スキャンダルなら来るなと言っても来るけど、学校にとってプラスになる記事やニュースを流してもらいたかったら、マスコミへの知らせ方は考えたほうがいい。どこに食いついて来るかということを。

「抹茶アイス食べたか?」って、何だよその質問

 大坂なおみは、「大阪」ではなく「大坂」である。

 地名としての大坂が大阪となったのは明治以降であるようだ。坂が阪となったのは、土編は土が付くにつながり縁起が悪いからとか、坂は転がり落ちるにつながり縁起が悪いからとか諸説あるようだが、どっちでもいい。

 大坂なおみ選手の帰国後記者会見の話である。
 「抹茶アイス食べましたか?」とか、テニスとは関係ない下らない質問が多かった。
 一つには記者たちの勉強不足がある。
 たぶん、試合もちゃんと見ていない。昨日は別の芸能人の取材をしていたとか、体操のスキャンダルを追っかけていたとかいう事情もあるだろう。テニスばかり勉強しているわけに行かないのだ。

 下らない質問になるもう一つは、テレビ視聴者の側にある。テニスの専門的な話より、選手のプライベートに興味がある人が多い。だから記者はそこに合わせて質問している。技術的な話や戦術的な話は、専門雑誌や専門チャンネルでやればいいじゃないかというのも、一つの考え方だ。

 現在、テニスの試合会場に足を運ぶのは、ほとんどがテニス愛好者や経験者だろう。
 ところが、サッカーや野球になると、一度もボールを蹴ったことがない人や、一度もバットを振ったことがない人も、試合会場に足を運んでいる。また、監督やコーチにでもなったつもりで、「あそこは右に展開だろう」とか「なんであの球見逃すんだ」とか、自分じゃ出来もしないことを熱く語る人々がわんさかいる。人気スポーツというものは、そういう広範なファンに支えられている。

 純粋なアマチュアスポーツならば、好きな人だけやっていればいいが、大坂選手がやっているのはファンあってのプロスポーツだ。
 息の長いファンを獲得することはテニス界のためでもあるし、マスコミのためでもある。そう考えると、「抹茶アイス食べましたか?」などは、してもいいけど、なくてもいい質問だ。
 もっと、テニスの魅力を伝えるような質問はなかったの?

 こんなことを言うのは、私も取材者としてインタビューや質問をする立場だからだ。
 どうでもいい下らない質問をしていないか。取材対象者が一番言いたいことを聞けているか。視聴者や読者にとって役に立つ情報を引き出しているか。
 というわけなので、いつも取材者側の態度や質問内容が気になるのである。

鹿児島中3自殺、「担任の指導直後」は悪意に満ちた報道

 今日はもう1本行きます。

 一昨日、鹿児島で中3男子が自殺した。
 今日(9月5日)の新聞各紙デジタル版の見出しを拾ってみた。
 
担任の指導直後、中3男子が自殺 夏休みの宿題提出促す」(朝日新聞)
「自殺 中3男子、帰宅し 2学期初日、担任指導後 鹿児島」(毎日新聞)
「中3男子が始業式後に自宅で自殺 進路に不安か 鹿児島」(産経新聞)
「宿題提出せず個別指導、始業式後に中3男子自殺」(読売新聞)

 どうです?
 朝日の「担任の指導直後」、毎日の「担任指導後」はひどいでしょう。これじゃまるで、担任が自殺に追い込んだみたいじゃないですか。まだ原因も何も分かってないのに。

 朝日によると、「夏休みの宿題が未提出だったので、放課後の午後1時すぎごろ、職員室で女性教諭から約10分にわたって宿題を提出するよう個別に指導を受けた」
 そりゃ指導するでしょう。
 でも10分。
 普通の教員感覚で考えたら、時間的に考えてそんなに厳しい指導じゃない。中3なわけだし、その際、進路とからめて指導するのも当然のこと。

 「同僚の教諭らが生徒が涙を流す様子を確認しているという」。厳しい指導が自殺に結び付いたとでも言いたげだね。この部分、産経では「夏休み中に体験入学した高校の環境に不安を抱いたと明かし、涙を流したという」となっているよ。

 で、「母親が午後6時ごろ、自宅2階で自殺している生徒を発見した」
 指導を受けたのが午後1時すぎごろ。自宅で自殺しているのを発見されたのが午後6時ごろ。
 指導を受けて、その後教室に戻って窓から飛び降りたというのであれば指導直後だけど、こういうの、指導直後っていうのかね。

 宿題を出さなかった程度のことで、厳しすぎる指導をして、それで生徒が自殺に追い込まれた。そういうストーリー。

 まあ、産経の「夏休み中に体験入学した高校の環境に不安を抱いたと明かし、涙を流したという」が事実とすれば、担任や周りの先生が、ここのところもう少しフォローしていれば防げたかもしれないという悔いも残るが、原因がはっきりしないうちに、あたかも担任の責任だみたいな、そういう印象を与えるような報道は止めてほしいものだ。

 以前にも書いたと思うが、夏休み明けは慎重運転が求められるんですよ。ある程度経験を持った先生はそのことをみんな分かっているはず。
 なんだが、夏休みから平常の学校生活への復帰は、生徒によってはかなり高いハードルだったりもするし、加えて中3には進路の悩みもあるわけだから、慎重の上にも慎重を期して指導に当たってもらいたいと思います。
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梅野弘之

Author:梅野弘之
受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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