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学校への要求が減れば、先生の働き方は変わる

 先生の働き方改革。
 つまり、先生の過重労働を減らすということだが、これを進めるには、基本的に2つの方法しかない。
 一つ。
 教員及びスタッフを増やすこと。
 一つ。
 業務を減らすこと。

 業務量を今と同じとすれば、一つ目の「教員及びスタッフ」を増やすことで解決できる。「教員及びスタッフ」が増えたのだから、もっとたくさんの業務をこなせでは同じことなので、業務量不変が条件。
 ただし、「教員及びスタッフ」を増やせば人件費が高騰するので、公立の場合なら、今以上に税金を投入することを世間が認めるかどうかだ。私立の場合なら、授業料の値上げを人々が仕方ないと諦めるかどうかだ。

 「教員及びスタッフ」が現状のままとすれば、学校や先生が担うべき業務を減らすしかない。
 学校や先生の業務が増えたのは、自らがそうしたのではなく、保護者や世間の要望に応え続けた結果である。従来、家庭や地域が担ってきた役割を学校や先生に求めた結果である。際限ない要求に応え続ければ、業務量が増大するのは必然である。

 学校や先生が業務量を減らすということは、一部の要求に応えられないことになる。はたして保護者や世間がそれを許容するかどうか。

 以上二つをまとめれば、先生の働き方改革を進めるには、保護者や世間がもっと金を出すか、もっと要求を減らすかしかないという結論に至る。

 もちろん文部科学省や教育委委員会、学校、当事者である先生方の自助努力は当然であるが、それだけでは限界がある。保護者や世間の理解と積極的な協力がなければ解決できない問題である。
 なのに、金もそのままだ、スタッフもそのままだ、要求もそのままだ、そのなかで働き方改革を進めよという難しいテーマが与えられ、その改善策を講じることが新たな業務となった。

 先生の過労死。
 直接的に働かせたのは、教育委員会や学校なのかもしれなが、死ぬほど過酷な業務の元は、保護者や世間の先生に対する過度な期待と要求にある。

 というようなことを先生方が言ったら、大炎上必至だが、民間人の私が言うのはいいだろう。

前から思ってるんだが、問題は部活じゃないんじゃないの

 またもや教員の勤務実態調査の話だが、こんな資料が見つかった。 
20180930勤務実態調査

 小さくて見えづらいと思うが、昭和41年度に実際された調査と平成18年度調査の比較だ。
 (昭和41年、私そのころ中学3年生で受験生やってた)
 40年間調査してなかったんだね。何でも日教組が管理強化になると反対していたらしい(その後方針転換)。ずっと、やっとけばよかったのにね。

 昭和の先生の月残業時間 約8時間。
 平成の先生の月残業時間 約34時間。
 おいおい、何かの間違いだろう。月8時間ってホントかよ。
 大昔の記憶をたどってみるが、たしかに部活も生徒だけで適当にやってる部が多かったし、放課後職員室行くと先生ほとんどいなかった。

 昭和41年度と平成18年度との大きな違いは、「生徒指導等」の時間が飛躍的に増えていることだ。「事務的な業務(学校経営等)」 もかなり増えている。「授業準備・成績処理等」、「補習・部活等」も、まあまあ増えている。
 平成18年度で赤枠になっているのは、先生が負担に感じている業務で、上記の業務はすべて負担を感じている業務である。

 「事務的な業務」はともかく、「生徒指導等」は、本来の先生の仕事だろうにと思うが、昔とは大きな違いがある。
 特別な支援が求められる生徒や外国人生徒が増えたことや、不登校やいじめ、虐待への対応など、学校が抱える課題が多様化している。
 もうこれ以上、学校に問題を持ち込まないでくれ。

 いま部活がやり玉にあがっているが、このデータを見る限り、先生の多忙や負担の主原因は「補習・部活動」ではない。赤枠ついてないでしょう。時間も爆発的に増えているわけじゃないし。
 まあ、平成18年度調査と直近の28年度調査では、それぞれ変化はあるわけだけど、「生徒指導等」が大変なんですよという状況は変わってない。

 部活を負担に感じてますかと聞けば、「そうだ」と答えるだろうが、では、それが最大の負担ですかというと、そうではない。
 たしかに、部活の改善は必要だとは思う。そのことはまた別に書く。だが、部活の負担をなくしても、もっと大きな負担があるわけだから、「はい、これで残業なくなりました。終了」とはなりそうもない。

 児童生徒の問題なんだから学校が解決しなさいよ。
 学校で起こった問題なんだから学校で解決しなさいよ。

 という具合に、家庭の問題、社会の問題でもあるのに、それが丸ごと全部学校にぶち込まれるから先生が忙しくなる。そういうことなんじゃないか。

 先生たちもね、責任感じて頑張るのはいいけど、「そんなの全部できないよ」という声を少しずつ上げて行きましょうよ。

先生は朝から残業してるんだけど、みんなそれ知ってるかな

 「民間って9時始業か。ずいぶんゆっくりだな」 
 そう思ったのは、高校教員(公立)を辞めて民間サラリーマンに転じたときだった。

 9時始業と言っても実際には10分、20分前には着いているし、通勤時間も長くなったので、家を出る時刻はそれほど変わらなかったが、教員時代に比べればずいぶんゆっくりという印象だった。

 ちなみに、文部科学省の「教員勤務実態調査(平成28年度)」によれば、教員の通勤時間は、下の表及びグラフのとおりだ。

■教員の通勤時間・表
20180928通勤時間 表

■教員の通勤時間・グラフ
20180928通勤時間小学校グラフ
20180928通勤時間中学校グラフ

 通勤時間30分以内が、小学校で71.1%、中学校で67.8%であるから、埼玉県から都内に通うサラリーマンに比べれば、まあ恵まれていると言えるだろう。

 ただし、学校の朝は早い。
 生徒の登校時間が8時30分とすれば、教員はその前に職員朝会(打ち合わせ)があるから8時20分が勤務開始時間となる。
 では、8時20分に出勤すればいいか。
 まさか。

 生徒は8時前から来るんだよ。
 生徒より遅くというわけに行かんだろう。保護者からの電話も入って来るし。
 加えて、朝補講あり、部活の朝練あり、登校指導あり、というわけだから、実際には7時半ぐらいには出勤し業務開始となるわけである。 冒頭、民間はゆっくりの話はここから来ている。

 もう一つ、民間に転じて驚いたこと。
 「えっ、昼休み? 何それ」 
 12時になると仕事場を離れて昼飯を食いに行く。この時間帯は常識として電話もかけないし、かかっても来ない(ケータイのない時代です)。
 教員時代には考えられなかった完全なオフタイム。

 昼休みが完全な休憩時間になる教員なんて日本中にいないよ。給食指導だってあるし。
 で、さすがにこれじゃまずいから、その分を勤務時間の後ろにくっつけて帳尻合わせしているわけだが、それじゃ、休憩の意味ねえだろうって話。

 残業っていうと、世間の人は放課後を思い浮かべるだろうが、教員はすでに朝のうちに早出残業しちゃってるわけね。で、休憩なし。休憩っていうのは、仕事と仕事の合間にあるから休憩なんだよ。

 教員の働き方が議論されるとき、朝と昼の話が抜けてるような気がしたので、一応書いておいた。

残業代求める先生たちの言い分は

 教育公務員、つまり学校の先生なんだが、その退職金(60歳定年)の平均は、だいたい2300万円ぐらいとされている。大手企業よりは少ないが、中小企業の2倍。

 途中で辞めなきゃ、自分も手にしたはずの金額だし、まあいいか。
 ただ、私の場合、途中で体罰、パワハラ、セクハラなどで懲戒免職(退職金もらえない)になった可能性が大きい。

 今日の埼玉新聞によると、県内の市立小学校に勤務する男性教諭(59)が、1か月平均60時間の残業をしたのに労基法に定められた残業代が支払われないのは違法だとして、県を相手取り約240万円の支払いを求める訴訟を起こしたという。

 男性教諭は来年3月で定年だというから、まさか、がっぽり退職金もらって老後の趣味として裁判でもやろうというんじゃないだろうな。現役バリバリの時じゃ、忙しくてこんなこと出来んからな。

 ご存知のとおり、公立の教員に対しては「教職員給与特別措置法(給特法)」に基づいて、基本給の4%に当たる「教職調整額」が支払われている。その分、時間外手当、休日手当はなし。
昔の給与明細なんか捨てちまったから分からないが、毎月1万円~1万5千円ぐらいだったかな。まあ、世間ではこれが残業代相当と理解されている。

 ただね、超過勤務を命じることができるのは、「超勤4項目」といって、「実習」「学校行事」「職員会議」「非常災害」だけだから、部活指導や生徒指導などの分は入ってない。

 私の場合、部活もあったので朝7時から夜7時までの勤務は普通で、休日は試合や練習もあったから、もし残業時間というものを計算したら月100時間は軽く超えていた。過労死ライン楽々突破。

 ただ、定期考査中とか長期休業期間の勤務時間ついては緩かった。
 今や部外者となった私から言わせると、このあたり結構重要ポイントだ。

 定期考査中は午前で生徒が帰ってしまうから、会議とか委員会でもない限り、先生も帰ってよかった(本当は休暇届必要なはずだけど)。夏休みは部活だけとか補講だけとかの日もあって、これも用が終わったら帰ってよかった(同前)。部活も補講もなければ、「研修場所:自宅」「研修内容:教材研究」と書いた「研修届」を出せば、実質休日になった。
 なんて自由な職場なんだ!

 世間から見れば、はてしなくルーズなんだが、個人的体験では、これで何とか精神的・肉体的なバランスを保つことができた。

 ところが、聞くところによると、最近は昔のようなおおらかさはないらしい。先の訴訟先生も「この10年ぐらいで教員の管理が強まり…」と言っているが、このあたりを指しているのかもしれない。

 児童生徒が来なくても、授業がなくても、先生は勤務日には学校に来いよ、勤務時間内は学校に居ろよ。
 という話になれば、そこだけ厳格にされても困るから、普段の勤務についても、ちゃんと考えてもらおうじゃないかとなる。
 
 「給特法」も「教職調整額」も歴史的役割は終わったな。

完全閉校日を設けるなら予算措置が必要だ

 会社とは名ばかりでほぼ個人営業の私は夏休みに入る。
 事務員さんも1週間のお休み。会社の電話、通じないよ。もっともほとんどの人はケータイかメールで連絡してくるから関係ないか。

 夏休み中、完全閉校日を設けようという動きが出始めている。働き方改革ブームだからね。
 部活も補講もなし。先生の出勤、生徒の登校なし。事務職員の出勤もなし。学校は完全に無人化するわけだ。来年あたり、かなり広まるのではないか。

 ただ、教育委員会などから指示だけ出されても困るね。
 予算措置を取ってもらわないと。

 完全無人化は犯罪者にとってチャンスだから、警備会社に「見守り」をお願いしないといけない。1週間ぶりに学校行ってみたら、あれがないこれがない、あっちが壊されこっちも破られじゃ目も当てられない。
 万一に備えて、各学校の電話は全部教育委員会に転送だ。それが嫌ならコールセンターに頼もう。警備会社でも可能か?

 という具合で、管理職はじめ先生方が心置きなく休むには、無人化にともなうリスクが回避されていなければならない。
 「少なくとも3日以上の完全閉校日を設けること」って、文書出すだけなら簡単だ。でも、それでは実効性がないのは今から分かっている。
 公立の先生の休暇にいちいち口を出す立場ではないが、予算取らなきゃ出来ないよということは言っておこう。
プロフィール

梅野弘之

Author:梅野弘之
受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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