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29年度埼玉県公立入試の変更について考える【後編】

※今回はやや長めである。

 29年度入試からの2つ目の変更について、県教委からは次のように発表されている。
◆数学、英語において、取り組み易い問題の比率を増やす。
◆学校の判断により、例外的に問題の一部に応用的な内容を含む学力検査(「学校選択問題」という)を実施することができる。

 さらに、その理由について。
数学及び英語の学力検査問題については、正答率が極端に低い問題があるなど難易度の設定等に課題がありました。そのため、数学及び英語の学力検査問題について、受検生一人一人が最後までしっかりと取り組み、力が発揮できるよう内容を改善します。なお、学校の判断により、例外的に問題の一部に応用的な問題を含む学力検査(学校選択問題)を実施することができます。また、「学校選択問題」は県教育委員会が作成します」と説明されている。(下線は筆者による)

 まず私がよく分からないのは、「正答率が極端に低い問題があるなど難易度の設定等に課題がありました」というが、そのような声がどこからあがっていたのかである。

 高校の側から、これでは選抜に支障を来たすから、もっと易しくしろという声が上がっていたのか。あるいは、中学校側から、これでは正常な教育活動を阻害するから、もっと易しくしろという声が上がっていたのか。

 私も一応はテスト会社をやっている立場なので、そういう声には割と敏感な方だと思うが、そのような声は耳にしていない。
 ちなみに、比較的上位の高校から、「英語が易しすぎて、満点が続出し、選抜にならない」という声は聞いたことがある。


 だがしかし、私のような者が高校や中学校の声を聞いたかどうかは、この際どうでもいいことなので、そういう声が上がっていたのだということにして、話を先に進めよう。

 「正答率が極端に低い問題」の「極端に低い」とは、どのくらいの正答率を言っているのか、この点もよく分からない。

 これは私の想像だが、数学の場合、26年度に正答率0.4%、0.8%の問題があり、25.年度には正答率0.8%が3題あり、24年度には0.4%が1題あったので、おそらく、このあたりを指して「極端に低い」と言っているのだろう。

 正答率が10%以下ということであれば、27年度の理科と国語、26年度の理科と社会にもあったし、20%以下の問題なら、これまでにも、いくらでもあったので、「極端に低い」というのは、正答率が1%に満たない問題と考えるしかない。

 では昨年、27年度入試で、正答率が1%に満たない問題があったかというと、1問もなかった。
 数学で1.5%はあったが、理科でも2.5%や4%があり、国語でも8.4%があったわけだから、数学だけが「極端に低い」ということにはならない。

 つまり、1%未満が「極端に低い」とするならば、昨年の段階で解消、とまでは行かないとしても、かなり改善していたのではないか。先週行われた28年度入試の結果も見てみなければならないが、少なくとも課題は解消の方向に向かっているのではないかと思う。

 であるのになぜ、2種類も問題を作るなどという面倒なことを始めるのか。この点が私にとって最大の謎なのである。

 1%未満がダメだと言うなら、せめて1ケタ台か10%程度になるように、問題を微調整すれば済む話ではないか。
 最初にやるのは、そっちだろう。

 むしろ、英語だ。
 これ以上、取り組みやすくしてどうする。今だって十分取り組みやすいことは、正答率・通過率を他教科と比べてみれば一目瞭然だ。

 一度決めたことは、2~3年は続けなくてはならないだろうが、埼玉の高校入試は、せっかく日本有数のシンプル入試になってきたのだから、できるだけ早く元に戻してもらいたいと思う。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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